Goodbye Hungary and Hello Egypt
さよならハンガリー、いつの日かまた・・・そしてエジプトへ

2014.3.2 / Hungary→Egypt(Budapest~Cairo) 本日 自転車16km走行 : Total 50318km走行
天気:曇 自転車折りたたみ:1 ネット:1
朝飯→ホットサンド 昼飯→機内食 夕飯→海老スープ / 宿→スルタンホテル(ドミ泊25エジプトポンド)

(English)
I left from Hungary and went to Egypt by air.


 ハンガリー最終日。いよいよ今日、飛行機に乗ってエジプトへ。一応昨日の晩遅くにまとめきれた荷物を、相棒チャリに装着し、出発準備完了。みんなが見送ってくれた・・・のだが、あまりにも、別れがつらすぎたので、写真を撮っている余裕がなく・・・って、いや、一応管理人二人との別れの写真は撮ったんですけど、一緒に写ったミズキちゃんから、寝起きの顔は公開NGと言われたので、掲載してません、ハイ。

 いやぁ、ホント、お世話になりました、アンダンテ。まさかこんなに長く居るとは思わなかったよ。そして、コータくん、ミズキちゃんと、こんなにも仲良くなれるとも思わなかったよ。今となっては、ココに長く居れてよかったって思う。ココでは、ホント、素晴らしい人との出会いができたから。

 一か所に長居してたら、いい出会いは起こるもの。そして、そこが、印象深い場所になるってのも、当然といえば当然。旅の思い出の<地>を作りたかったら、一か所に長く居るのがいいと思う。

 長く居たいって思わせてくれる魅力って、観光ポイントがいっぱいあるから?って思われがちだし、最初はオイラもそう思っていたんだけど・・・実は長居するのはそういう理由ではない。ただ、居心地がいいってのが沈没の要因となるのだ。いい意味でダラダラできる居心地のいい宿があり、安く美味しい飯が食べられるのがポイント。その条件が揃った場所があると、長居がはじまってしまう。

 また、今回のように、アクシデントのために、長居せざるを得ないような状況もあるんですけどね。さらに、オイラの場合、作業をしなきゃいけないから、長居するって場合もある。こういう場合、最初は居心地がいいとは思っていなかったとしても・・・次第に、居心地がよくなってきちゃう。それは、人とつながっちゃうから。情でつながっちゃうと、もう切れなくなる。そう、人とのつながりってのも、居心地のよさのポイントなのだ。っていうか、人とのつながりが居心地のよさを作る最大の要素だと思う。

 そして、この人とのつながりが、一番旅の出発を遅らせる要因となるのだ。人とのつながりをほどほどにしておけば、結構速く旅を進めることはできるだろう。でも、人とつながっちゃうから、旅が遅くなっちゃう。オイラの旅が遅々として進まないのはこのためなのだ。

 まぁ、人と出会うのが旅の一番の楽しみですから。旅が遅くなるのは、もう、しょうがないんです。

 さて、そんな強くつながってしまった情を断ち切って次に進まねばならない時が一番辛い。こういう時は、チャリを一気にこぎ進め、別れの挨拶をした後は、後ろを振り返ってはいけない。未練で引き戻されちゃうから。

 引かれる後ろ髪を振り切って、空港までの道をチャリで走っていると、道路を走っている車が近寄ってきて、クラクションをならしながら「行っちゃうのか?」と聞いてきた。「はい」というと、車を止め、写真を撮っていく皆さん。街の人がほとんどオイラのことを知っていて、多くの人たちが気軽に話しかけてくれる・・・こんな関係を築くことができた国は他にはない。

 ハンガリーは、オイラにとって特別な国だ。

 そんなハンガリーの皆さんとの別れも辛く、さらに引っ張られることになった後ろ髪をなんとか振り切って到着した空港。チェックインしようとしたら「重さはOKですけど、預け荷物は2つまでです」とのこと。2つを越える荷物は、受け取ってくれないとのこと。エジプトエアーは預け荷物は40kgまで大丈夫だって聞いてたので、今回は、追加料金を取られることなく、楽に荷物預けができるな、と思っていたのだが、まさか、個数制限があるとは。自転車、スポーツバックx2、リアバックx2と、5つの預け荷物があるオイラは、しばし呆然。「なんとかならないですかね?」と聞いたところ「あそこで、2つにまとめてもらってください」と、指さされたのは、盗難防止のため、荷物をビニールでパッキングしてくれるサービス所。どうやら、5つの荷物を2つのグループに分け、それぞれのグループを一つにまとまるよう、グルグル巻きでパッキングしてもらえば、見かけ上2個になるので、OKらしい。

 いやぁ、なんで個数にこだわるんだろ。重量にこだわるのは、飛行機の重さに関係するからわかるんだけど・・・大きさも、収納場所に関係するからわかるんだけど・・・どんなに重くてもどんなに大きくても、まとめて2個にしたら預かってもらえるとは・・・エジプトエアー、不条理です。

 さて、その後はトラブルもなく、無事搭乗。あまりお客がいないまま飛行機は飛び立った。

 さようなら~、ハンガリー。御恩をいつか返しにきます~。

 それにしても、ハンガリーではずっと有名人だったからね。常に注目されてたプレッシャーから逃れられるのは、嬉しいような寂しいような。とりあえず、誰もオイラのことを知らない人たちに囲まれている機内では、羽根をのばしつつ、ノンビリダラダラ。

 と、、オイラの後ろに乗っていたハンガリー人のおばちゃんが「ずっと気になってたんだけど、ひょっとして、あなたは、あの自転車の人じゃないの?」と聞いてきた。思わずうなずいたところ、「みんな聞いて!彼は、今ハンガリーで一番の有名人なのよ」と、大声で周囲の人たちに話し始めた。

 ・・・うむむ、これでまた周りの人たちに知れ渡ってしまった。ダラダラできないじゃないか・・・

 と、そんなことがありつつ、あっという間にカイロに到着。

 カイロ空港では、まずは、アライバルでエジプトビザを取得。ロビーにある銀行窓口で「ビザください」というと、ビザシールを売ってくれる。それをパスポートに貼り、ビザ手続き完了。めっちゃ簡単だ。

 その後、イミグレで入国手続きをし、エジプト入国。

 すっかり暗くなってしまっていた、カイロ。当初は空港泊して、朝になってから自転車で市内に行くつもりだったのだが、思った以上にガランとした空港に泊まるのは、なんとなく気が引けて。というか、ヨーロッパとはガラリと変わってしまった中東(北アフリカ)独特の雰囲気に、ちょっとびくつき、今日のうちに、市内に行ってしまおうと、タクシーに乗り込み、カイロ市内へ。

 夜だというのに、道はめっちゃ混んでいる。そして、噂に聞いていたとおり、エジプト人の運転は荒い。

 一応めどをつけていた宿まで行ってもらいたかったのだが、そうやら、その宿がある区画は道が狭く、車では入りきらないとのことで、宿からだいぶ離れたところで降ろされた。

 荷物がたくさんあるから、こんなところで降ろされても困るんだけど・・・もう夜なので、ここで、自転車を広げるものメンドウ。初めての場所だし、雰囲気もあまりよくはない感じなので、荷物を広げるなんてことはしたくない。

 と、そこへ「どうした?」と一人のエジプト人のおじさんが声をかけてきた。「荷物が・・・」というと「持ってやるよ」とのこと。世界三大ウザい人と言われているエジプト人。その先入観があったので、ここで、持ってもらうとあとから法外なお金を要求されてしまうのでは・・・と思ったのだが、ここは、背に腹をかえられない。一人で持って歩ける荷物ではないので、おじさんに持ってもらうことに。

 で、なんとか宿までたどり着いた。おじさんに手伝ってもらった分のお金を渡そうとしたところ「いや、お金はいい」とのこと。え~、エジプト人、ぜんぜんウザくないじゃん。いい人じゃんか。

 さて、無事宿にチェックイン。が、この宿が思ってた以上にボロ。ベッドは微妙だし(ダニや南京虫がいそう)、シャワーは一応湯沸しだが微妙。トイレはバケツ水流し。いや、別に、これ以下の宿に泊まったことはたくさんあるし、こういう宿には慣れているはずだったのだが・・・ヨーロッパから一気に飛んでくると、うっ、となる。カルチャーショックってやつですな。

 ドミ部屋のベッドに荷物を置き、とりあえず飯、と外へ。外は、果物屋や屋台や、チャイ屋が電球をともして営業しており、人がそこに集って、たわいもない会話を繰り返し、ひたすらノンビリ時を過ごしている。

 ああ、モロッコっぽい。

 これが、エジプトの第一印象。アラブ系の人たちが多く住んでいて、宗教も大多数はイスラムであるモロッコとエジプトは、雰囲気は似ている。

 さて、飯。安食堂が並ぶ区画をブラブラしてたら、一軒の店で声をかけられたので、勧められるまま、エビスープを頼む。味はまあまあ。エジプト料理も悪くない。

 さて、そういえば、宿の入り口前のらせん階段のところに、自転車が置かれてて、気になってたんですが・・・飯を食い終え、宿に戻ったら、その自転車の前で、アジア人の二人がなにやら整備をしていた。英語で会話をしてたので、韓国か中国のチャリダーかな、なんて思ってたら、一人が「日本人ですか?」と日本語で話しかけてきた。彼は日本人チャリダーで、森くん。そしてもう一人は、台湾人のチャンくん。

 「僕もチャリダーなんだけど」というと「え?自転車はどこなんですか?」と。折りたたんで部屋にいれているよ、というとビックリされた。そんな彼らの自転車は、細いワイヤーロックで手すりに括り付けられているだけ。ハンガリーで盗難事件があった後なだけに、そのワイヤーロックでは心配でしょうがない。

 「このロックじゃ・・・」と言ってみたが、ココはヨーロッパじゃない。オイラの経験上、ヨーロッパ以外なら、このワイヤーロックでも大丈夫ではあるとも思う。ただ、今、オイラは若干神経質になりすぎているだけ。

 さて、そんな森くんとチャンくんと、チャリダー話をして盛り上がったのだが・・・まさか、この二人とエジプトを一緒に走ることになるとは・・・この時は、まだ全く思いもしてなかったのであった。


















































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