A Day of Being Tired
消耗の日

2008.09.28

 天気もよく、快調なペースで走ってきて、このままカナダ入りだ!と意気込んだのは昨日。さぁ今日もガンバルゾと野宿のテントから出た瞬間、僕は、呆然してしまった。なんと、あたりはすっかり雪景色。寝ている間に雪を降らせていたのだ。神様の意地悪!この時期、冬との追いかけっこだといういことは覚悟していたが、こんなに急に世界が変わると、心の準備ってもんが・・・

 一応防寒対策はしてきたので、寒さはしのげる。ということで、目標のカナダ国境超えを目指して雪道を出発したのだが・・・なんと自転車がNGサインをだしてきた。氷点下の気温の中、路面の雪と半分解けている雪水をギアが巻き込み凍りつき、埋まってしまうのだ。最悪チェーンが外れる可能性もある。しかも、次の宿予定地までは相当に遠い。昨日見た「Canada Border 193mile」の看板が脳裏にちらつき、相当悩んだのだが、次第に荒れ狂う天候と自転車の不調具合に気分が負け、元来た道を戻り始めた。

 引き返すって、気持ちがつらい。ペダルが重い。20kmがえらく遠く感じる。もちろん天候が悪いというのもあるけど、全然スピードを出せずに、体力だけが消耗していった。そして、悪いときには悪いことが重なり、後ろタイヤがパンク。宿まであと5kmほどのところだったのがまだ救いだったけど。

そんなつらい日だったが、たどり着いたロッジが大当たり。キッチン/シャワー/サウナまでついたログハウスで、窓辺にある大きなテーブルでコーヒーを飲みながら、さっきの嵐は嘘のように晴れてきた夕焼けを見ながら、なんだか幸せな気分を感じてしまった。つらさがあってこそ、安らぎの時間がいとおしく思える。このメリハリ感覚は僕が求めていたものの一つだ。