Depressed: Colorado plain at dusk
落ち込む、たそがれるコロラドの平野にて

2008.10.09

 昨日からパンク現象が止まらない。昨日4回、今日も4回。そして、今日は、持ってきた携帯用空気入れの止め具を無くすというアクシデントにも遭遇し、途中からタイヤに空気を満足に入れられなくなった。空気圧が足りないまま、重い荷物を乗せて走ったのがよくなかったのだが、とにかく、5kmほど進んだらタイヤがフラットに・・・正確にいうと、パンクではなく、空気を入れるバルブの元の部分が裂けるという現象が続く(涙)。今日の4回目のトラブルは、目指す街まで後20kmという場所で起こった。時刻は17:00。自転車でがんばれば19:00には辿り着けそうだったのだが、もう、換えのチューブもなくなってしまったので、しょうがなしに、後輪タイヤがフラットなまま、押していくことにした。時速6kmで歩くと辿り着くのは4時間後。単純に計算して街に入るのは21時かぁと思いながら、ひたすら自転車を押す。18:00に日が沈み、あたりはだんだん暗くなっていく。夕焼けと星空というたそがれのすばらしい景色をバックに、落ち込んで自転車を押すワタシ。

 自転車を押していたら、アラスカでは誰かしら声をかけてくれたなぁ、こっちでは誰も声をかけてくれないや・・・なんて思いながら、もはや暗闇と化したハイウェイを進んでいると、一台の車がスピードを落として後ろについた。む、これは、助けてもらえるのか?ひょっとして襲われるのか?とグルグルと頭の中で期待と疑念が渦をまいて、近づくかどうか悩んだ瞬間、後ろの車が赤と青のパトライトを点灯しはじめた。なんと、ハイウェイパトロールの車であった。夜、ハイウェイを歩くのは危険だから、ハイウェイを降りろという。そりゃそうだが、こっちは後ろタイヤがパンクして困ってるんです、と事情を説明したところ、ちょっと待ってろと。待つこと5分、次の街まで送ってくれることになった!ありがとうございますと、早速自転車をたたんだところ、「cool!」と驚いてくれ、ちょっと自慢げに微笑み返す。そのままパトロールカーのトランクに荷物とともに入れてもらった。貴重品が入っているバッグは手荷物として、持って後部座席に乗り込もうとしたところ、「それも、トランクに入れろ」と。どうやら、ルールらしく、荷物をすべてトランクに入れ、さらに、ボディチェックをされ(車に手をつき後ろから探られるというアレです)、ようやく、車に乗り込むことを許された。この辺は厳しかったが、特に、怒られることもなく、大変だったねぇ、というねぎらいの言葉をかけてもらい、車中では、すっかりリラックス。

 あっという間に、次の街に到着。モーテル前で降ろしてくれ、いい旅をね!と言って、去っていった。僕は何度も何度もお礼をいい、見送った。落ち込むことが続いたけど、最後にアメリカがもっと好きなるいいハプニングが起こった一日でした。