Salinas Grandes
鏡張り塩湖を目指して

2009.12.2 / Argentina (Purmamarca) 本日自転車134km走行 : Total 16323km走行
天気:晴 自転車折りたたみ:1
朝飯→パン 昼飯→パン 夕飯→パン / 宿→Hospedaje Macacha(ドミ25ペソ)☆☆☆

(English)
 I run to salinas grande by bicycle.



(Español)
 Propongo al salinas grande en bicicleta.
 昨日バスから見た、鏡張り塩湖の姿が忘れられず・・・あの後のバスの行程を考えると、自転車で往復するのは、ちょいとムチャのある話ではあるのですが、そこはムチャを承知で行くことにしたのでした。見たい、知りたい、得たいと思っちゃうと、即、行動に出ちゃうのは、厄介な性格です。

 というワケで朝7時に宿を出発。しばらく渓谷沿いの緩やかな上り道を走る。いやぁ、塩湖まで辿り着けなかったとしても、この渓谷沿いの道を走るだけでも気持ちいいから、まぁいいや、なんて思いながら、素敵な渓谷の風景を眺めながらのノンビリサイクリング。と、ノンビリと走れたのは最初だけであった。すぐに急な登り坂が始まった。昨日、バスで下ってきたから、まぁ覚悟はしていたものの・・・つ、辛い。なんてったって1,500m以上上るわけだからねぇ。3箇所くらい大きなスイッチバック道が用意されている。水は2.5L持って来ていたのだが・・・あまりにも喉が渇き、がぶ飲みしていたら、早くも残り500mlに。や、やばい・・・途中水を買う場所がなかったら、大変なことになる・・・と思っていたら、途中一台の車がすれ違った後に、キュッと停まった。中から降りてきたのは、サンペドロ・デ・アタカマのキャンプ宿で一緒だった、カナダ人チャリダーのフランセス。「ヨシ、水は持っているか?」あぁ、さすがチャリダー、何が必要かわかっていらっしゃる。あまりにも的確なサポートっぷりにビックリです。ちなみに、車を運転していたのは、おなじくキャンプ宿で一緒だった、フランス人一家の皆さん(名前を聞き忘れた)。フランセスは、この一家の皆さんの車に乗せてもらってアルゼンチン入国をしたってワケなんです。オイラも一緒にどう?って言われたんだけど、バスのチケット買っちゃってたし、もう出発間際だったんで・・・もうちょっと早く誘ってくれればよかったのに、なんてね。

 とにかく、フランセスのおかげで、水をゲット。水のために塩湖へ向かうのを断念しようかと思っていたところだったのだが、これで塩湖へ向かえることになった。そして、4,170mの頂上を越し、ここからは下り。一気に下って塩湖へと向かったのでした。で、見えてきた塩湖<Salinas Grandes>、昨日はもっとなみなみと水が張っていたのに・・・今日はなんだか白い塩地帯が目立つ。一日で、こんなに干上がってしまうものなの?昨日がベストだったかぁ・・・やっぱり昨日無理言って降ろしてもらえばよかったなぁ、なんて思いながら塩湖の畔に立ったのでした。まぁ、とりあえず、水の張った箇所はあるので、鏡張りの塩湖に自転車を下ろして記念撮影・・・と思いきや、これ、結構大変な作業なんです。水が少ないとはいえ、塩湖の表面10cmくらいに水が張っている。足を入れると当然、靴はビショビショ。しかも、この張っている水、塩水ですから。自転車にあまりよい影響を与えるとも思えない。そんな塩水の中へ自転車を・・・最初、走り回っているところをビデオで撮ろうと思っていたのですが、とてもそんな余裕のある状態ではなくって。風がビュービュー吹いていて、風にあおられて、塩湖のど真ん中に置いておいた自転車が倒れてしまう始末。そして、その拍子に、アルミ製のスタンドがポキッと折れてしまいまして。自転車を塩湖に放置して、カメラのセルフタイマーをセットすることも出来なくなっちゃって。もう、ドタバタ。そして、塩湖って、表面は塩の塊で覆われてますが、塩の下は、実は塩水。表面の水で溶かされてか、塩の塊が薄くなっているところがありまして、歩いていると、ミシッなんて音がして、割れてしまいそうな予感タップリの場所なんかもあって、ヒヤヒヤもの。ウユニ塩湖での乾いた塩湖がどれだけ動きやすかったか、思いっきり実感したのでした。とにかく、何枚か写真を撮り、塩湖から退避。退避すると、すぐに濡れたところが乾き始めまして。とにかく乾燥しているこの辺、こりゃ、塩湖の水がすぐに干上がるのもしょうがないやって思いながら、靴を見ると、どこかの星の未確認生物が取り付いたかと思えるほど、白く変わり果てた靴がそこにあったのでした。自転車やカバンも、倒してしまい、塩水に浸かったところに、白い結晶が浮かび上がっている。こりゃ、早く宿に帰って洗ってあげないと、と帰り道を急ぐのであった。

 が、帰りが、山から吹く強烈な向かい風にあおられ、全然前に進めない。帰りの上りは600mほどだから楽勝と思いきや、全然楽勝でなかったのでした。なんとか山頂に辿り着くも、すでに日が翳り始めている。ここから下りとはいえ、急がないと真っ暗になっちゃうと思い、なるべくブレーキレスで一気に駆け下りる。が、ここは4,000越えの世界。急いで呼吸が乱れちゃったせいか、胸が締め付けられるように痛くなった。しばらく我慢して走っていたものの、耐えられなくなり、自転車を止め、道路の端でしばし休憩。おぉ、やっぱりアンデスをなめちゃいかんな。とにかく呼吸を整え、再び出発。途中何度か休憩しつつ、下る。3,600m付近まで降りたら、呼吸は落ち着いてきた。ふ~。ここからは、一気に下る。が、どんどん暗くなる道。カバンからヘッドライトを取り出し、頭に装着して、前の道を照らしながら走る。当然、街灯なんかないですから、この辺。真っ暗なんです。20時過ぎ、ようやくプルママルカの町に到着。宿に戻ると、ドミ部屋に一人の女の人が新しく入っていた。挨拶しようと思ったら「あぁ~あなた、見たわよ。今日、あの山道を走ってたでしょ。クレイジーね」と。えぇ、今日の行動は、ちと、クレイジーでした。