Composto
弓場ファームステイ16日目:堆肥のかほり、香ばしく

2010.04.01 / Brasil (Comunidad Yuba) 本日自転車0km走行 : Total 17440km走行
天気:曇
朝飯→弓場のウマイ飯 昼飯→弓場のウマイ飯(豆腐) 夕飯→弓場のウマイ飯(肉) / 宿→弓場農場でファームステイ

(English)
 I work in the farm.



(Español)
 Trabajo en la granja.



(Português)
 Eu trabalho na fazenda.
 小学生のスバルに「あ、でっかい虫がついてる!」と指さされ、ビックリして反応しちゃったところ「ウソぴょ~ん」と・・・そして、朝食の席で、ゴウ君が「いきなりですが、今日の夜弓場を出発することにしました」と言い出し、えぇっ!?と思ったら「ウソです」と・・・そして、本日否定されることなく、次の日まで信憑性を保ってしまった<オイラが浅野忠信のまた従兄弟>というウソ噂話・・・4月1日エイプリールフールは、ブラジルでもウソをついていい日のようです。

 木曜日の今日、本来ならば配達日なのですが・・・元々配達担当だったのだが、役者として映画撮影に行っていたイサムさんが一時的に戻ってきたため、今日オイラは、畑作業となったのでした。で、このイサムさんが出ている映画、<勝ち組負け組>という、終戦直後に起こったブラジル移民社会での事件を描いたものとのこと。戦争に勝ったと信じる者、戦争に負けたと理解する者、日本から遠く離れ、正しい情報が伝わりにくかったここブラジルでの日系移民社会では、認識の違いから、結構エグイことが行われてしまったそうなのです。で、このお話を基に映画を撮影し始めているとのことですが・・・役者が常盤貴子さんやら奥田英二さんやら日本からも超豪華メンバーが来ているらしく。最初ブラジルのみでの公開を考えていたらしいのですが、今のところ90%以上の確率で日本でも公開されることになるらしいです。うむむ、出来上がりを見てみたい。

 さて、朝ごはんをすませ、トラクターに向かうと、荷台に鍬が積まれている。おぉ、今日も草刈かぁ、まぁ、昨日途中で中断しちゃったからなぁと思いながら乗り込むも、降りた場所は、昨日のオクラ畑ではない。トラクターが停車したのは、以前、グァバの袋かけをした畑の隣にある、等間隔で背の低い木が植えられている畑であった。どうやら、今日はここの草刈りをするらしい。で、この木はなんなのでしょう?とユウゾウさんに聞いたところ、マカデミアナッツの木とのこと。おお、この木からマカデミアナッツが採れるのかぁ。ナッツの実は・・・と思ってみるも、まだ実をつけている状態ではない。マカデミアナッツ、どうやら、実が採れるようになるまでに8年はかかるらしく、まだ2年目のこの木には実が少ししかなっていない様子。いやぁ、それにしても弓場にはいろんな農作物があるなぁ。マカデミアナッツまであるとは・・・ビックリです。

 木の根元周辺に生えている草を円形状に刈り込んでいく。半年以上ほったらかしで、相当雑草がはえまくっているこの畑、いきなり地面を掘り起こすのではなく、まず、軽く地面上の草を刈り込み、それから、地面の根を取るという、二段構成にしないと、うまく刈れない。

 広いマカデミアナッツ畑、二人一組で二列半ほど草刈りが終わったところで、午前中の作業終了。昼飯となったのですが・・・本日でてきたのは、豆腐。葱と醤油で食べる冷奴の美味かったこと!

 そして、午後、引き続きマカデミアナッツ畑の雑草とり作業・・・かと思いきや、ユウゾウさんが、荷台に山のような黒いものを積んだトラックをひっさげ登場。この山のような黒いもの、なにかと思えば・・・堆肥とのことで。どうやら、午後は新しく作った畑に、堆肥を撒くという作業から始まるようなのです。近寄ると、ぷ~んと匂ってくる、鼻を刺激する匂い。牛糞が混じっているという堆肥から匂ってくるかほりは、田舎道を自転車で走っている時に匂ってくる、あの香ばしい(?)匂いなのでした。

 とりあえず、半分置いていくという堆肥。野菜畑近くの堆肥置き場に行って、トラックの荷台にある堆肥を鍬でザクザク下ろしていったのですが・・・中が発酵しているらしい堆肥、鍬で山を崩すたびに、熱気と水蒸気と強烈な匂いがオイラたちを襲う。汗だくになるわ、眼鏡は曇るわでもう大変。ちなみに、鼻は匂いに慣れてしまうらしく、最初は強烈に思った匂いも、次第になにも感じなくなってしまったのでした。

 で、半分の堆肥を下ろし、残りの堆肥を積んだトラックは、午前中草取りをしたマカデミアナッツ畑の隣へ。そこには、深さ60cmほどの溝がいくつも。まだ作ったばかりというこの畑、どうやらレモンを植えるための畑らしい。で、木を植える前に、この溝に堆肥を撒いていくというのが本日午後の作業。堆肥をバケツに入れ、そのバケツを持って、畑に入り、溝に堆肥を・・・かなりの重さとなる堆肥入りバケツ、堆肥が服につかないように、なんて心遣いをしている余裕などない。前日の雨でぬかるんでいる畑は、トラックのタイヤがはまってしまい、トラクターに引っ張ってもらわないと出られなくなるほど、足場がぐちょぐちょ。よろけながら、バケツを抱え込んで運んでいると、次第に服が堆肥で真っ黒に。

 堆肥撒き作業は終了し、午前中の作業の続きで、マカデミアナッツ畑の雑草とり開始。堆肥まみれのままする作業。もはや、自分では匂いをまったくかんじていないのだが、午前中には寄ってこなかった小バエが何匹もブンブンとオイラ達の周りを飛び回る。うむむ、これは、きっと自分達で気付かないだけで、実際は、強烈に香ばしい匂いを放っているに違いない。

 そうそう、雑草とりって地味ながら、結構ハードな作業なのですよ。薄曇で太陽の光が隠れてて作業しやすい状態だったからよかったものの、これで太陽がガンガンに照っていたら、稲刈り以上に辛い作業だったことは間違いないデス。で、今日は堆肥撒き作業もやったりしたんで、いつも以上に肉体的に疲れ果てた一日となったのでした。

 で、夜、ここんところ習慣化しつつある、晩酌をしに食堂へ。カイピリーニャを作って飲んでいると、イサムさんが「このパイナップル食べていいよ」とパイナップルを差し入れしてくれた。今日は贅沢にパイナップルを肴に酒飲み。で、パイナップルを切ることになったのですが・・・正しいパイナップルの切り方を知らないオイラなのに、パイナップル片手に包丁をもつことに。困った時には人に聞けということで、リサちゃん、アカネちゃんに聞きながら、パイナップル切りに挑戦。まず、ヘタをおとした後、トゲトゲのついた皮の部分をそぐ。実だけにした後、パイナップルを立て、ザクッと縦に包丁を入れる。芯の部分を避け、切り取ったパイナップルの実、後は適当な大きさに切り込んで、皿に盛り付け終了。いやぁ、また新しいことを覚えてしまいました。日々勉強です、弓場での生活は。