Lado oscuro
ダークサイドが

2010.10.06 / Argentina (Lago Lacar周辺~San Martin de Los Andes) 本日 自転車36km走行 : Total 22490km走行
天気:雨のち晴 ネット:1
朝飯→パン 昼飯→ハム&チーズクラッカー 夕飯→ビフィ・デ・チョリソー / 宿→Hostel Puma(55ペソ)

(English)
 Today it was rain. But I run by bicycle to San Martin.



(Español)
 Hoy era la lluvia. Pero corro a San Martin.
 昨日、テントを張った時点で、空には怪しげな雲がたちこめていて、オイラの天気予報センサーは<雨が降るかもヨ>と警告を発していたのですが、青空も覗いていたし、まぁ、降っても小降りだろうとタカをくくっていたんです。が・・・起きたら、かなりの本降り雨。テントの端に水溜りができてしまっているほどの雨。

 あぁ、こんな状況では走りたくない、と思うも、イースター島での経験から、このままじっとしていても、テント内が水で大変なことになるのは予想がついたので、雨の中、出発することに。

 装着した荷物に雨ガッパをかけ、オイラも雨ガッパをはおり、雨装備にしてペダルをこぎだす。それにしても、雨の中の砂利道は辛すぎる。しかも、昨日、結構上ったので、今日は下りがメインかと思いきや、まだまだ上りが続くではないですか。サン・マルチンの町までは30km弱なので、この雨でも、2、3時間走れば着くから大丈夫と思っていたのに、あまりにも上りが続き、まったくスピードを出せず。テントを張った場所から8kmくらいひたすら上り。そして、雨のため道がぬかるんでいるので、ただでさえ大変な砂利道が、完全に走行不能な道に。自転車に乗ってこぐことは出来ず、ひたすら押し上るハメに。

 実は本日、一昨日居たプエルト・フエの村では、売店で、十分な食料を調達しなかった(できなかった)ため、手持ちの食料がほとんどない。地図を見て判断したところ、サン・マルチンまではすぐに到達できる予定だったんで、まぁ大丈夫だろうと思っていたのだが・・・思った以上に大変な状況になり、腹が減るのだが、クラッカーくらいしか口に入れるものがない。

 いやぁ、オイラ、腹が減るとダメですわ。普段の温厚なチャリヨシさんの姿は陰を潜め、完全にダークヨシさんになってしまいます。まずは、降り続く雨と、ぐちゃぐちゃの砂利道に、ひたすら悪態をつく。そして、たまにすれ違い、応援の意味で声をかけてくれる車に乗ったオジちゃんたちにも<あんたたちに、オイラの気持ちは分かるまい>と、ほぼ無視状態。しかも「トド、ビエン(順調かい?)」とかけてくれた声にも<このずぶ濡れ状態を見れば分かるだろ、大丈夫じゃないって>と、心の中で反応。あぁ~最低です。親切なアルゼンチンの人たちに、こんな反応しか出来ないオイラって。しかし・・・きっとイザコザって、腹が減るから生じるんでしょう。食事をしながら話し合う、ランチミーティングって、腹を満たして、温厚に話し合うという意味合いがあるんですな。

 結局高度は1,000m越え。こんなにも上る道だったとは・・・1,000mを越えると、体感気温がガクンと下がるんですよ。一気に寒くなってきて。疲労と空腹と寒さという三重苦。あぁ、オイラはなんでこんなことをしているのでしょうか?

 そして、正午も回ったころ、ようやくサン・マルティンの町が見えてきた。町外れにあるミラドールから眺めるも、天気が悪く、景観はイマイチ。晴れていれば、いい景色なんだろうけどなぁ・・・残念だ。

 いよいよ町に入れるってところで、雨がさらに強く降って来た。イライラは最高潮。あぁぁ、早いところ宿に入って、温かいシャワーを浴びて、飯をたらふく食いたい・・・

 サン・マルティンに到着し、ロンプラに載っている宿に行こうとするも、この町の地図がないため、住所は分かるも、どちらへ行けばいいか分からない。雨の中ウロウロしていると、<i>の字が書かれたインフォメーションセンターを発見。ずぶ濡れの状態で中に入れてもらい、サン・マルティンの地図とお目当てのホステルの場所を聞く。

 そしてようやく、ホステルに到着し、チェックイン。荷物の片付けもソコソコに、まずシャワー。そして、キッチンを使わせてもらい、手持ちのパスタとタラコでタラスパ作り。300gのパスタもアッとウマに平らげる。

 ふ~、ようやく温厚なチャリヨシさんに戻れました。

 改めて、濡れてしまった衣服やら荷物を整理して一息つく。と、外を見ると、先ほどまでアレほど降っていた雨は止み、青空が・・・もうちょっと、早く止んでくれよぉ、もう・・・

 まぁ、せっかく晴れたので、サン・マルティンの町をブラブラすることに。ガイドブックには、南米のスイスとかかれているこの辺一帯、確かにスペイン調の雰囲気ではない。が、スイスの雰囲気が分からないオイラとしては、南米のスイスと言われてもイマイチぴんとこないのであった。結構ツーリスティックな感じの町で、外観はオシャレな木づくりの建物が並んでいる。で、ここ、そこら辺に<チョコラテ>と書かれた看板があるのですよ。なぜかはよく分かりませぬが、この辺、チョコレートが美味しいらしいのです。チョコは大好物であるオイラは、早速、チョコレート屋へ。ドアを開けると、プ~ンと香ってくる甘い匂い。あぁぁ、これだけで幸せな気分になれますな。そして、ショーケースに並ぶ、数々のチョコレートたち。どれもこれも美味そうだ、と覗いていたら「どうぞ」と、店のオネエサンが細かくカットしてあるチョコレートを出してくれた。味見させてくれるみたいだ。いくつか、いただきまして。う~ん、甘さ控えめの上品な味。オイラの好み的には、もっと甘い感じのがいいんだけどなぁ。外が寒かったというのもあり、ホットチョコレートを頼む。ふ~、落ち着く味です。チョコドリンクの上にさらに溶かしたチョコレートがかけてあるのがニクイ。ちなみに、オイラの中でのチョコレートの最高峰は、ブラジルで出会った<ヌテラ>。あの濃厚な味に優るチョコレートはなかなかお目にかかれませぬ。

 その後、サン・マルティンの町沿いに広がるラカル湖周辺をブラブラ。それにしても、すっかり天気が回復した風景を眺めていると、土砂降りの雨の中、自転車で走ってきたことが、今日の出来事だと思えなくなってくる・・・あの辛い走りは、昨日かおとついのことだったような気がするのが、不思議です。

 そして、夜は、久々のアルゼンチン自炊ということで、あのメチャウマの牛肉部位、ビフィ・デ・チョリソーを買ってきて、ニンニク&ショウガ醤油でいただく。あぁぁ、やっぱりウマイ。いろいろあったけど、幸せな一日でした、ハイ。満腹感が世の中を平和にします。