Jamón y queso son inútil
ハムとチーズはダメです、ホントは肉もダメです

2010.10.10 / Argentina~Chile (Villa La Angostura~Entre Lagos付近) 本日 自転車104km走行 : Total 22717km走行
天気:晴
朝飯→パン 昼飯→ホットドッグ弁当 夕飯→エントラーニャ / 宿→Camping No me Olvides(4500ペソ)

(English)
 Today I entered Chile. This is three times Chile in this trip.



(Español)
 Hoy entré en Chile. Éste es tres veces Chile en este viaje.
 昨日の夜は参った。この旅で初めてかも、他人のイビキがうるさすぎて眠れなかったという事態は。今まで相部屋となった人たちには恵まれていたのか、イビキがうるさい人ってほとんどいなかったんですよ。いたとしても、どこでも眠れるオイラ、寝付けないほどの人には遭遇したことがなかったんです。それが・・・昨日、オイラの上のベッドに寝ていた人のイビキはたまらない大イビキでして。あまりにもうるさすぎて寝られない。軽く寝付いたとしても、イビキの音で起こされる始末。それにしても、他人のイビキって難しいですな。本人も無意識でやっているワケだから、「やめてください」と注意するわけにもいかないし・・・しょうがないので、枕をかぶって眠ることにしたオイラ。で、朝起きたら、オイラの隣のベッドの人も、枕をかぶった状態で寝ているのを目撃。

 まぁ、そんなこんなで、寝不足の朝でしたが、南米のスイスと言われているナウエル・ウアピの国立公園も(一部ではあるが)満喫したし、ホットチョコは飲んだし、チョコアイスは食べたし、もう、気持ち的に大満足したので、予定通り、バリローチェには行かず、このままチリへと戻ることにしたのでした。

 さて、清算しようと、二日分の値段を聞いたところ、100ペソでいいと。え?一泊60ペソって言ってたのに・・・ん、これはイビキの慰謝料値引きなのか?と勝手に解釈して、100ペソ支払う。安くしてくれる分には、おとなしく従います、ハイ。

 今日も快晴。気持ちよく道を走る。今日は全て舗装道。1300mくらいまで上らなければならないのだが、まぁ、それくらい、舗装道なら大したことないです・・・と言いたいところですが、やはり、上り道はしんどい。

 しばらく上っていると、前方に、アルゼンチンのイミグレが見えてきた。入り口で、<一人、ビシクレタ(自転車)>と書かれた券を受け取る。いくつかのスタンプを押すスペースがあるこの券は、イミグレ通行手形。イミグレでの手続き毎にスタンプを押してもらい、全部の手続き分のスタンプが押されていない限り、出口で止められてしまうのだ。

 まず、パスポートに出国スタンプを押してもらうための窓口へ。そういえば、アルゼンチンってツーリストカードみたいなの、入国の時じゃなくて、出国の時に書かされるんですよ。前回そういう手続きで、あれ?って思っていたんだけど、今回もそんな感じで。まぁ、カードに必要事項を記入して提出したら、問題なくハンコをポンと押してくれた。そして「奥の窓口に行って」と言われて向かった窓口では、荷物チェックが待っていた。といっても、中を確認するようなものではなく、麻薬犬らしき犬が匂いを嗅ぐというもの。オイラの自転車をクンクンと匂いを嗅いで、チェック終了。これで、アルゼンチン側のイミグレ手続きは終了。出口でスタンプの押された通行手形券を提出して、無事通過。これから国境を越え、チリ側のイミグレへ向かうのだ。

 アルゼンチンとチリの国境は、だいたい、アンデスの山の頂峰がラインとなっている。つまり、国境越えの道は、ひたすら上って国境へ向かい、国境を越えたら、下りが始まるっていうワケ。今回も、雪が積もっている1300mの山頂で、チリに入国。ここからひたすら下り道。と、グングン道を下っていくのだが・・・全然イミグレが見えてこないのだ。ここのイミグレは、国境からかなり離れているとは聞いていたのだが、あまりにも見えてこないので不安になってきた。ひょっとして、見落としてしまったのか?・・・だとすると、この下ってきた道を再び上るのはしんどすぎる・・・そんな不安をかき消すため、反対側を走る車に「後どれくらいでイミグレですか?」と聞いてみる。「車で5分くらいかな」との答え。よかった、もうちょっと先にあるらしい。

 高度500mくらいまで下りたところに、チリ側にイミグレはあった。ここでも、通行手形券をもらい、入国手続きを開始。まずは、パスポートチェック。ここはまったく問題なく、入国スタンプをポン。次に、検疫。チリは食べ物の持込が厳しいと聞いていたのだが、過去二回の入国では、あまり厳しいことは言われず。特に二回目の時なんて、ほぼノーチェック。ハムもチーズも持っていたのに、何も言われず通してくれたのだ。で、今回も、大丈夫だろうと思って、昨日、移動食用にと、ハムとチーズを大量に仕入れてカバンに入れていたのだが・・・ダメでした、今回。カバンを開けられ、移動中すぐに食べられるようにと、一番上にビニール袋に入れておいたハムとチーズは、すぐに発見され、「これは持ち込み禁止です」と。「えぇ、これを取り上げられると、これから先、お腹が空いて倒れてしまいます」と言うと「パンがあるじゃないですか。パンだけなら大丈夫です。とにかく、肉と乳製品はダメです」とのこと。ここで棄てるか、食べてしまうかして下さいと言われまして・・・そりゃ、棄てるワケないでしょ、食べますよ、食べますとも、と、指摘されたハムとチーズをパンにはさんで食べるオイラ。トホホ、こんなことなら、大量に買ってくるんじゃなかったよ。やはり、チリ国境をなめちゃいかんですな。ちなみに、チャリダー情けからか、ハム一袋だけは、お許しいただきまして。カバンの中へそっと戻すことに。

 ということで、腹がパンパンの状態で、なんとかチリ国境を通過。晴れて、3度目となるチリ走りの開始です。しばらく走っていると、湖が見えてきた。前回のチリ走りでは、そんなに湖に感動しなかったんだけど・・・湖の美しさを感じ取る能力が増したためか、チリの湖もなかなかきれいじゃないか、と感激。いや、たぶん、天気がいいからです、ハイ。

 湖沿いの道を走っていると、左手に、素晴らしい山が見えてきた。チリの富士山と言われている<オソルノ山>だ。噂どおりのキレイな山にこれまた感激。そして、オソルノ山の左手に、山頂がとんがったこれまた、素晴らしい山が見えてきた。チリのこの辺には、2000mを越えるカタチが整った山々がたくさんあるんです。そんな山々が今の時期は、見事に雪化粧していまして。遠くからニョキニョキと生えて見えるこれらの白い山々は、ホント素晴らしい眺めなのですよ。

 さて、今日は、この湖沿いにある有料のキャンプサイトにテント泊することに。シャワー、トイレはもちろんあるんですが・・・オイラ的に、一番確認したかったのは、火が使えるかどうか。この間焚き火をやってから、すっかり焚き火にハマりつつありまして。焚き火が楽しみでキャンプをするというモードなんですよ。で、ここは「もちろんOKだよ」と言ってくれまして。しかも、薪も用意してあるから、使っていいよとのこと。うひょ~、テントを張って、早速焚き火。うむむ、さすが、用意してくれてある薪、火のつき方が違う。そして、ふと、顔を上げると、目の前には、あまりにも美しいピンク色に染まった湖が。いやぁ、今日も幸せな時間が訪れてます。

 さて、起こした火ですが・・・実は、またチーズ焼きを楽しみにしていたのですが、イミグレで見つかってしまい、チーズはすでにお腹の中・・・と、ここで取り出したのは<エントラーニャ>。ええ、牛肉です。サガリ肉です。昨日買っておいたのの残り肉です。え?肉も持ち込み禁止なんじゃ・・・

 ぇぇ、大きな声じゃいえないんですけど、これは日光に当たって暖まらないようにと、カバンの奥底に入れていたんです。だもんで、見つからなかったんです。

 ということで、肉を切り分け、カクテル棒に刺し、火で炙る。そりゃ、ウマイさ、絶対ウマイさ。いや、ホント美味かったです、エントラーニャのバーベキュー。あぁ~旅がこんなに楽しくていいんでしょうか~、なんか幸せすぎて、いつかバチがあたりそうで、怖いんですケド・・・