Esta manera Argentina es una pena
ひどいぞ、このアルゼンチン道

2010.12.05 / Chile→Argentina (Candelario Mancilla~Laguna del Desierto南岸) 本日 自転車21km走行 : Total 24550km走行
天気:曇 自転車折りたたみ:1
朝飯→パスタ 昼飯→パン 夕飯→パスタ / 宿→ディシエルト湖脇のキャンプ場 (テント泊30ペソ:氷河入場料込み)

(English)
 Today I walked the border of Chile and Argentina with bicycle. Today's road was so bad. Argentina side road was just trekking road. I was very tired...



(Español)
 Hoy paseé la frontera de Chile y Argentina con bicicleta. El camino de hoy era una pena tan. Argentina el camino lateral estaba viajando simplemente camino. Estaba muy cansado...
 今日は、国境を越え、アルゼンチンへと入国する予定。ココから国境までは16km、アルゼンチン側のイミグレまではさらに6kmほどあるが、22kmほどで国境越えは終了する。22km、楽勝でしょ・・・と思いたいところなのだが、ここの国境越えは超難関ルートだという噂を聞いていまして。国境までのチリ道は、当然未舗装。アウストラル街道以上の悪路らしい。が、ここはまだ、頑張れば走れる道。一応車も通る道のようだ。問題は、国境を越えてから、アルゼンチンのイミグレまでのアルゼンチン道。ここは、トレッカー用のトレッキングルートがあるだけらしい。道は細いし、ぬかるみだらけ。自転車なら、オフロード仕様のマウンテンバイクであれば、かろうじて頑張れるのか・・・?

 そんな話を聞いちゃうと、通りたくなくなっちゃうでしょ。チレチコからアルゼンチン側に入ってルート40を通ろうと思っていた一番の理由は、実は、この道の話を聞いていたから。そんなめんどくさそうな道、通りたくね~って思っていたのですよ。

 が、アウストラル街道に惚れてしまい、結局、最後まで走りきってしまったため・・・辿り着いてしまった最後の難関。いやぁ、なんとかこの難関を避ける手段はないものか。

 実は、あるんです。サルバドールで知り合ったチャリダーのリンさんが、以前この道を通っていて。彼はフル装備で通ったらしいのですが、メッチャ大変だったと言ってて。で、その話をしていた時に、「馬を雇って通れるらしいよ」というアドバイスをもらっていたんですよ。

 馬を雇う・・・このことが頭にあったオイラは、一昨日、ビジャ・オヒギンスで、オヒギンス湖を渡る船のチケットを買う時に、チケットオフィスで、渡った後に馬の手配が出来るのかどうか、聞いていたんです。すると、オフィスのオジさんが「船が出る当日はムリだけど、翌日の日曜日ならば、到着した港近くのキャンプ場のオーナーが馬を用意してくれるよ」と教えてくれまして。そう、昨日、その日のうちに国境越えをしようと頑張っていた他のチャリダーたちとは、行動を共にせず、オヒギンス氷河を見に行って、そのまま、カンデラリオ・マンシージャでテント泊をしたのは、翌日の馬の手配のためだったんです。あ、馬のことは、他のチャリダーの皆さんにも話したんですけどね、みんな「自力で走破する」って鼻息荒くて。

 で、昨日のうちに「明日、アルゼンチンのイミグレまで馬をお願いします」とオーナーに伝えておいたところ、今日の朝9時にね、って言われてて。朝、9時になったので、オーナーの住む、離れの小屋に荷物を持って行ってみる。「そこに荷物だけ置いて、先に行っといて」とオーナーに指差されたのは、小屋の入り口脇。え?荷物だけ?先にいく?自転車は馬では運べないから、自分で運んでね、と言われていたので、オイラは自転車にまたがり、預け荷物を乗せた馬たちと、併走しながら行くんだと思っていたのだが、どうやら、そういうシステムではないらしい。荷物は荷物だけ馬に乗せて運んでおくから、客は客でアルゼンチンのイミグレまで行ってくれというアバウトなシステムらしい。荷物の到着は16時くらいになるとのこと。

 では、先に行っておくか、ということで、弁当を詰め込んだナップザック一つを持って、ファニーバニーにまたがり、出発。まず、すぐに到着したチリのイミグレで、チリの出国手続きを済ませる。

 そこから、颯爽と身軽な自転車で走り出し・・・とはいかなかった。頑張れば走れると聞いていたチリ側の未舗装道、ちょっとのがんばりくらいでは、走れない。大きな石がゴロゴロしている砂利道で、しかも上り。まぁ、時間はたっぷりあることだし、と、ムリはせず、ガタガタ道は押して上る。道がよくなってきたら、自転車に乗るのだが、またすぐガタガタの砂利道になり、降りて押す・・・ちょいと乗っては降り、乗っては降りの繰り返しで、16kmのチリ道、意外と時間がかかり、国境に辿り着いたのはすでに13時ちかく。ここで昼飯休憩したあと、国境越え。いよいよ、問題のアルゼンチン道へと入ったところ・・・いきなり、道がなくなった。というか、道はあるのだが、ケモノ道。草地が何度も踏まれることで、そこだけが土が見えるようになり、道のようになっているだけ。チリ道を走っていた最中は、「この道の状態だったらフル装備でもなんとかなるじゃん」って思って、荷物を馬に預ける必要はなく、昨日、チャリダーのみんなと一緒に行けばよかったかなぁ、なんて思っていたのだが、アルゼンチン道に一歩足を踏み入れ、いやいや、オイラの選択が大正解だったと確信したのでした。

 なんといきなり、道がドロドロ。迂回しようにも、周りは草木がボウボウ生えているし・・・同じことを考え、迂回を試みたらしい轍跡が見えるのだが、途中で途切れている。おそらく諦めて、元の道に戻ったのだろう。しょうがないので、ドロドロの道を、自転車を担ぎ上げて進む。あっという間に靴が泥だらけ。荷物一つ+自転車のオイラでさえ、早速嫌になってきたこの道、フル装備でつっこんだ、昨日のチャリダーたちは、ここを根性で抜けたのか・・・オイラにはムリです。こんなところ、フル装備で突っ込んだら、泣いてました。

 とにかく、道は、ラス・ガビオタスでのトレッキングロードを思い出させる、道なき道。ひたすら、ファニーバニーを抱え上げ、歩く。とにかくここは、歩くしかない。なんとか5kmほど進み、前方の木々の間から、湖が見えてきた。目的地であるディシエルト湖のようだ。おぉ、ようやく辿り着いたか!と一安心させておいてからも、道はさらにひどい状態になり、盛り上がった気分を突き落としてくれる。削られて出来た道には水が流れ、ここは道というより、川状態。もう汚れた靴の泥を洗い流すべく、その川道を靴ごとつっこみ、濡れながら進む。そして、林道を抜け、見晴らしのいい平地に出たと思ったら、その平地は湿地地帯。一歩進むごとに、靴がズブズブと沈んでいく。いやいや、こんな場所、絶対重い自転車じゃ通れないでしょ。湿地に埋まってしまい、進めなくなっちゃいますよ・・・

 湿地帯を抜け、最後の難関となる深く掘られた道幅の細いトレッキングロードを抜け、ようやく湖脇に出た。目の前には、建物が見える。どうやら、アルゼンチンのイミグレらしい。結局到着は、15時半。馬による荷物到着予定時刻より、ちょっと早かった程度。22kmの道のりだから、もうちょっと早く到着するつもりだったのに・・・いや、ハンパない悪路だったからとんでもなく時間がかかってしまった。

 で、建物脇に自転車を止め、アルゼンチン入国手続きをしようと建物に入ったところ、「自転車できたのか?」とオジさんに声をかけられた。ええ、あの自転車で、と自転車を指差し返事すると、ファニーな自転車に反応するオジさん。「おお、みんな来てみろ、あんな自転車で国境を越えてきたやつがいるぞ」と国境職員の皆さんを呼び集める。ファニーバニー試乗会がはじまった。このルートで国境を越える人はそんなにたくさんいるわけではないここのイミグレは、基本的に暇なのでしょう。珍しいことがあると、皆でキャッキャと楽しんでいる様子がほほえましい。で、ひとしきりファニーバニーで楽しんでもらった後、入国手続きをしてもらった。荷物の到着を待たねばならないオイラとしては、寒い外で待つより、ストーブのある建物内で待っていたい。「ここで、待たせてもらっていいですか?」とさっきのオジさんに聞くと「もちろん」と快諾してもらった。そして、椅子に座って待っていたら「これ食え」と差し出されたのはでっかいあげパン。たらふくのパンと、コーヒーまでだしてもらっちゃって・・・イミグレでこんなにも親切にしていただけるとは思わなかったですよ。

 そして、16時半頃、馬到着。無事預けていた荷物が手元に。ここで、15,000チリペソを運んできてくれたキャンプ場オーナーに手渡す。いやぁ、ホント助かりました。馬くんたち、ご苦労。

 18時半にディシエルト湖を渡るフェリーが出るので、それまで、またイミグレの建物内で待たせてもらう。その間、何人かのバックパッカーたちがこのイミグレを訪れたのだが、皆、パンやコーヒーのサービスは出してもらえてない。む、オイラにだけ親切にしてくれたのは、ファニーバニーで楽しんだことへのお礼だったのか?

 フェリーが到着したので、イミグレのオジさんたちに別れの挨拶を言って、フェリーに乗り込む。晴れると美しい景色が拝めるディシエルト湖の船旅なのだが、空はあいにくの曇天。それでも、進行方向右手の山々には、素晴らしい氷河が見え、オイラとしては、船内の椅子に座っていられなくなり、寒い甲板に出て、風景鑑賞。

 ディシエルト湖の南岸に到着。ここからエル・チャルテンまでは35kmほどある。これから出発しても、今日中には到着できなさそうな距離なので、今日はもう、この湖畔にあるキャンプ場で一泊することに。若干小雨が降りしきる中、木の下で雨が振り込んでこない場所を選び、テント張り。パスタを作って食べ、早々と就寝準備。今日は全然走ってないのに・・・疲れました。馬で荷物を運ぶという楽チンパターンで挑んだオイラでさえ、この疲労。フル装備で挑んだ昨日のチャリダーたちは、どれだけ疲労困憊したことでしょう・・・