Lac Rose
ジャンベチャリダー、ラックローズへゆく

2012.5.12 / Senegal(Toubab Dialao~Lac Rose) 本日 自転車46km走行 : Total 37526km走行
天気:晴 ネット:1
朝飯→フランスパンサンド 昼飯→チョコパン 夕飯→チェブジェン / 宿→PALAL hotel Lac Rose(11000CFA)

(English)
 Today I left from Toubab Dialao. I went to famous lack "Lac Rose".



 本日テゥバブジャラゥを出発。 う~ん、テゥバブジャラゥは、村の人たちがもっとオイラのことをほったらかしにしてくれたら、最高な場所だったんだけどなぁ・・・太鼓とダンスに関しては、文句のつけようがないくらい素晴らしいものを毎日見たり聴けたりできたのに。が、ここでは、ちょっとかまわれすぎた。いや、せっかく旅しているんですからね、地元の人たちとのふれあいってやつは、基本的には大歓迎なんですけど・・・でも、限度ってやつがありまして。一歩外へでると、毎回誰かと出会うたびに挨拶以上のコミュニケーションを要求されるここの生活は、ちょっと疲れる。

 ということもあり、この場所からの旅立ちはちょっと複雑。かまわれすぎちゃったからこそ、親近感を抱いた人たちとの別れが寂しい半面、かまわれすぎちゃったからこそ、なるべくなら出会いたくないと思っちゃった人たちとの別れにホッとしている気持ちが入り混じって。

 ま、とにかく出発の準備。いつものようにファニーバニーに荷物を装着するのですが・・・今回から一つ装着する荷物が増えまして。そう、昨日購入しちゃった<マイジャンベ>だ。一応、ジャンベと一緒に、このジャンベがすっぽりちょうど入るバッグもお土産屋で購入しまして。このバッグの肩掛けの部分をチャリのシートバーにひっかけて、リアバッグの上に置く。うん、いいバランスじゃないか。

 それにしても・・・ジャンベチャリダーになるのは、ずっと避けていたのに、結局ジャンベチャリダーになっちゃうとはねぇ・・・

 ただでさえ荷物が多いというのに・・・荷物が増えることにより、旅のフットワークが重くなるのも分かっているのに・・・そして、なによりも、長旅疲れしているファニーバニーへの負担が大きくかかるっていうのに・・・こんな、負の側面ばかりを考え、購入を控えてきたジャンベ。でもね、テゥバブジャラゥに来て久々にジャンベを叩いたときの爽快感が、いまや、オイラにとってのジャンベはなくてはならない必需品なんだ、ということを気づかせてくれたのですよ。ジャンベをいつでも叩けるという喜びは、全ての負の側面を上回ってしまったのです。

 なってしまうからには、気合入れていきますよ。本日から出会う人々の気分をご機嫌なビートで盛り上げるジャンベチャリダーとなります、ヨロシクです、ハイ。

 さてさて、今回の第二次セネガル小旅行は、テゥバブジャラゥ目的で来たので、目的を果たした今、また、ダカールへと戻ることになるのですが・・・一箇所、途中に寄って行きたい場所がありまして。それは、<ラック・ローズ>という場所。乾季に、湖面がピンク色になるという湖なんです。湖に含有されるミネラルがこの色を作り出すようなのですが・・・まぁ、同じような理由で出来たピンクの湖というのは、南米のアンデスで見てきたオイラ。ただ、見に行く、というのでは、そんなにモチベーションが沸かない。でも、<ラック・ローズ>にはどうしても行きたくなりまして。では、なぜ?ええ、どうしてもココに行きたくなっちゃったのは・・・なんと、その<ラック・ローズ>では、泳げるらしいのですよ。湖で泳ぐって普通じゃないの?ってお思いの方が多いと思いますが、いや、ここは普通の湖じゃないんです。ピンク色になるのは、塩分が濃くなるから・・・ということは、<ラック・ローズ>は、ヨルダンの死海と同じ構造。つまり、死海みたいなプカプカ体験ができるってことなのですよ。

 小学校の頃に、ヨルダンの死海を知ったオイラ。その時に見た、浮き輪もないのに、湖のど真ん中でプカプカ浮いて新聞を読んでいるおじさんの写真が、強烈に心に刻まれて。いつかは、あれを体験したいって思っていたのです。

 死海に行けば体験できるんですけど・・・それが、ここで体験できるのなら、ぜひ体験しておきたい。

 ということで、途中の町の分岐道から側道へ入り、<ラック・ローズ>へ向かうことに。しばらくはそれなりに舗装されている道が続いたのだが・・・だんだん、道にデコボコが増えてきた。いや、道は一見平らに見えるのです。なぜなら、えぐれたアスファルト部分を砂で埋め合わせしているから。アスファルト舗装で直すのは、面倒なんだけど、とりあえず、直しておきたい。ということで、その場にあった砂をかけることにしよう、という発想か。うむむ、いかにも、アフリカっぽい。しかし、こうやって修繕された道・・・四駆の車は、いいんだろうけど、自転車にとっては難関。まだえぐられている状態のほうがいい。自転車だと砂道はタイヤがとられて運転制御がめっちゃしづらいのだ。普通に平らだと思って走っていた道で、突然砂にタイヤがとられちゃうなんて、落とし穴みたいなもの。

 さて、そんな道がしばらく続いたのですが、なぜかラック・ローズへ続く最後の直線道10kmほどは、しっかり舗装されていて、最終的には気分よくラック・ローズに到着。で、目の前に広がるラック・ローズ、湖面は薔薇色ってほどでもなく、なんとなく紫色な程度。思ったほどピンクじゃないなぁ、と少々ガッカリしながら、とりあえず、まず、宿を探すことに。。安そうな宿はないかと、湖の周囲をウロウロするも・・・なんか高そうな宿ばかり。そうそう、ここ、実は、セネガルの目玉観光スポットなのですよ。湖として十分魅力ある観光資源ではあるのですが・・・実は、ここにはそれ以上の付加価値がありまして。ダカールの場所なんて知らないって人でも、<パリ・ダカ>の名前は聞いたことがあるでしょ。そう、あのパリーダカール間を激走する自動車レース。あのレースの最終ゴール地点が、ここ<ラック・ローズ>の畔だったりするのです。

 あまりにも高いようだったら、ここで泊まるのは諦めて、ちょっと前にあった町のカンパメントに戻ろうか、なんて考えて、とりあえず、値段だけでも聞いてみることに。いかにも高そうなホテルに入り「ここ、一泊の値段はおいくら?」と、聞いたところ、言われた値段は「19500CFA」。まぁ、手が出ない値段ではないが、やっぱり高い。「他を探します」と言って去ろうとしたところ「いくらだったらいいんだ?」っておじさんが聞いてきた。「10,000CFAなら」って答えると。「じゃぁ、10,000CFAにTAXの1,000CFAをつけて、11,000CFAで泊まらせてやろう」ときた。ええ~、言い値でいいんかい。しまった、だったら、もっと安く言っておけばよかった。どうやら、ラック・ローズ、訪れる人は多いんだけど、皆ダカールからの日帰りでくるので、泊まる人が少ないらしいのですよ。で、宿泊客は貴重ってことで、言い値で泊まれることになりまして。

 こうして泊まることになった宿が、高そうなイメージそのままの、いい感じのリゾート宿でして。しかも、なんと、ラック・ローズの湖面沿いにあるこの宿、敷地内に、ビーチゾーンが設けられている。そうそう、ラックローズ、泳ぐ気満々で訪れたものの、誰も泳いでないし、周囲もなんか全然泳げるって雰囲気じゃなかったんで、どうやって泳ぐべぇか、と思っていたところだったんですが・・・宿内には、こんなビーチがあるとは。うむむ、宿に泊まることにして正解だったな。

 早速水着に着替え、入りましたよ<ラック・ローズ>。ええ、これ目的にここに来ましたから。さて、入ってみるて、ようやくここがラックローズと言われる所以が分かりまして。湖を横から見た時には紫色に見えた湖面ですが、湖内に進入して、上から見ると、水は見事なピンク色だったのですよ。湖はやっぱり光の反射具合で表情をコロコロ変えるもんなんですなぁ・・・ラック・ローズは、遠くから見るのではなく、湖に足を踏み込んで、真上から眺めることをお勧めします。そうすることで、薔薇色の湖が見れますんで。

 早速この薔薇色の水に浸かってみる。腰を沈めたところで・・・「おぉう」と思わず声をもらしてしまった。腰が沈まらない。体がプカッと湖面にもちあげられちゃいまして。これは、今まで味わったことがない感覚。カラダを真横にして寝ても、体全体が湖上に浮かび上がる。普通の水では、この姿勢にカラダをすると、半分以上は水に沈んでしまい、<浮く>っていう感覚を楽しむのは難しいのだが・・・ここでは、完全に<浮く>。プカプカフワフワした感覚が、めっちゃ楽しい。宇宙遊泳ってこんな感じなのか?

 しばらく夢中で楽しんでたら、あ、いつぞ見た死海のおじさん写真のように、新聞を読むオイラ写真を撮りたい、と思いついたオイラ。が、手元に新聞がない。わざわざ買うのもあれだし・・・と思っていたら、脱ぎ置いておいたズボンのポケットにiPod Touchが入っているのを思い出した。おお、これでいいか、とiPod Touchをとりだす。岸辺にミニ三脚で立てたカメラを、ビデオモードにして録画開始。iPod Touchを持って、ラック・ローズに入り、浮かびながらiPod Touchを楽しむ。

 いやぁ、ここは、楽しい。想像を超える面白体験に、しばし時を忘れるオイラ。が、ここ、泳いでいると体がヒリヒリしてくるのですよ。まぁ、塩をカラダに擦り付けている状態ですからね。傷口が、そりゃもう、大変な状態になってくる。蚊にかまれてかき過ぎちゃった足首とか、久々の自転車こぎで掏れてしまったお尻が、猛烈にヒリヒリ。

 ヒリヒリに耐えられなくなり、とりあえず、湖からあがる。そしてすぐにシャワー。ええ、<ラック・ローズ>泳ぎ体験は、シャワーがないと大変なことになります。ヒリヒリが収まらないし、それ以上に、そのままほおっておくと、乾いた塩水が、体をガビガビにしてくれます。

 さて、お腹がすいたので、どこぞで飯でもと思ったのだが、周囲のレストランは、やはりどこも観光地価格。チェブジェンが2,500CFAもする。カザマンスだったら500CFA、ダカールでも1,000CFAで食えるというのに・・・これだったら、宿内で食べても一緒か、と思い、宿内のレストランに行ってみたところ、ちょうど従業員さんたちが、まかない飯を食べているところだった。メニューを見て、うむむ、ここは外のレストラン以上に高い、とぼやいていたら、「マンジ(飯)?」と、声をかけてきた従業員さんたちが・・・なんと、「まぁ、一緒に食えや」と、チェブジェン・シェア飯に誘ってくれるいう展開に。おおお、ありがたい。ここでもタダ飯をいただけるとは。セネガルのシェア文化には、助けられてばかり。

 ああ、ラック・ローズ、思っていた以上に楽しいし、居心地いいなぁ・・・セネガル、ジャンベ以外でも面白いところ、ありまっせ。