This is Sicilia
絶景・シチリア島

2012.11.16 / Italy(Palermo~Corleone) 本日 自転車70km走行 : Total 41948km走行
天気:雨のち晴 ネット:1 自転車折りたたみ:1 シェンゲン78日目
朝飯→惣菜パン 昼飯→惣菜パン 夕飯→パン / 宿→道端で野宿

(English)
 I run on sicilia road. Sicilia is so beautiful. I like these scene so much!!!



 さて、今日からシチリア島走り。そうそう、ドナッテラおばちゃんに「シチリア島に行くなら、知り合いがいるから」と言って渡されたメアド。そのメアド宛に、シチリア島到着してすぐに、メールを送ったのですが、返事がこなくて。その知り合いの方は、パレルモから西に数十キロほど行った所にあるアラカモというところに住んでいるらしいので、連絡が取れたら、まず、そこへ行こうと思っていたのですが・・・まぁ、しょうがない。知り合いツテを辿る旅、うまくいかないこともある。っていうか、こういうの、直接知り合いであれば、だいたい上手くいくんですけど、知り合いの知り合いっていう間接になっちゃうと、上手くいく確率が減るもののようだ。

 ということで、アラカモ行きは後回しにすることにして、まず、ゴッドファーザーの村、コルレオーネ村を目指して走ることに。そうそう、なんといっても、シチリア島に来た第一の目的は、かつさんにオススメされたコルレオーネ村に行くためですから。

 シチリア島・・・長靴形のイタリア半島のつま先の先にある島。地中海最大の島でもあり、地中海の要所として、様々な異民族に支配されてきたシチリア。古来より、ギリシャ、ローマ、アラブ、そしてスペインと、さまざまな民族の侵略の対象となってきた。侵略者が変わる度に、制度や文化が変わる。昨日まで正義だったものも、今日は悪になる。そんな中で、自分達のアイデンティティーを保つためには、周囲には翻弄されないで、自分達のことは自分達でやるべしという意識が必要。こうして、自分が正しいと思うものを正義とするシチリア人気質が生まれてきたという。友が間違っていて敵が正しくても、友のために闘う。敵には勇敢、仲間には寛容で誇り高い。これが、シチリア人なんだと。

 このシチリア人気質は、映画<ゴッドファーザー>で描かれた、初代ゴッドファーザー、ドン・コルレオーネの像そのもの。

 <アメリカという国は商売を警察が守ってくれる。しかし善良なる君を守ってくれはしない。だからゴッドファーザーであるワシが守ってやる。私が私設裁き屋だ>

 シチリア人はマフィアではないが、マフィアはシチリア人。

 映画<ゴッドファーザー>は実話だったという。イタリアン・マフィアのドン、初代ゴッドファーザーであるヴィトー・コルレオーネは実在していて、映画で描かれていた世界は、多少脚色はあるものの、実際に起こった出来事だった。そんなヴィトー・コルレオーネの出身地がシチリア島のコルレオーネ村。え?コルレオーネ村のコルレオーネさん?いや、もともとはそういう名前ではなかったようで、彼がアメリカに移民として入国する際、担当官が名前と出身地を取り違えたて、コルレオーネになったという。

 そんな背景を持つ、コルレオーネ村。映画<ゴッドファーザー>ファンならば、ぜひとも訪れておきたい場所でして。ええ、オイラ、ゴッドファーザーは大ファン。日本に居た時には、三部作のBOXを買ってしまったほど。PartIのソニー兄さんが蜂の巣銃撃されるシーンが、とにかく心に刻み込まれてまして。幼い頃、この映画を見て、衝撃だったんですよ。あんなにも、悲しく、激しく、残虐で、そして美しいシーンは、あれ以来どんな映画を見ても、出てきてません。あのシーンは、オイラの中で、トップ3に入る映画名シーンなのです。

 ちなみに、コッポラ監督は、映画を撮る際、このコルレオーネ村ではロケしていない。映画でも出てきたシチリア島のロケは、東部のタオルミーナ近郊で行われていたそうです。なので、コルレオーネ村を訪れても、「ああ、映画のあのシーンが思い出される・・・」という浸り方はできず。そうではなく、「おお、ここがあの映画の世界が生まれた場所なのか・・・」という浸り方を楽しむってワケなのですよ。

 さてさて、こんな感じで、楽しみにしているコルレオーネ村に向かって、走り始めようとしたら、スコールのような雨が降り始めまして。確かに、天気予報、悪かったんですよ、本日。なので、今日は走れないかぁ・・・と思っていたら、30分ほど降り続いた雨がピタッと止み、空はアッという間に青空に。

 おしっ、今日も晴れ男パワー全開だぜ、と、走り始めたシチリア道が・・・絶景続きでビックリ。

 なんだ、ここ・・・

 オイラのド好みの風景なんですけど・・・

 コルレオーネ村目当てのシチリア島でしたが、そういう目的がなく、普通に、シチリア島をチャリで走るっていう目的だけで来ても十分に大満足できるほどの風景が広がってまして。

 ギリシャ遺跡、バロックの劇的空間、モザイク聖堂、ルネッサンス、イスラム建築・・・ミクスチャーな文化遺跡がクローズアップされるシチリア島ですが、いやいや、この島の一番の素晴らしさは、この荒々しくも美しい、ダイナミックなうねりを見せる山々の風景でしょう。正直、シチリア島が、こんなにも、風景が素晴らしい場所だとは、知りませんでした。期待していなかった分、素晴らしさがストレートに心の中に入ってきちゃったのかもしれないですが、とにかく、この目の前の風景に、感激しまくり。

 う~ん、ドロミテよりテンション上がっちゃっているかも・・・ヨーロッパ一のサイクリングロードは、このシチリア道かも・・・いやぁ、引き出し持ってるなぁ、イタリア・・・

 普通に走っていれば、余裕で今日中にコルレオーネ村に辿り着くことは出来たのだが・・・途中の景色に心を奪われすぎちゃって、立ち止まりすぎたので、コルレオーネ村手前で、日が暮れ、時間切れ。

 まぁ、いいさ。今日は、このシチリア島の絶景景色が見れただけで、大満足だ。