Re-start cycling on Albania
2週間ぶりの自転車、しかもその2週間は座って日記を書いてただけって

2012.12.12 / Albania(Tirana~Lezhe) 本日 自転車69km走行 : Total 42320km走行
天気:晴
朝飯→宿の朝食 昼飯→牛の焼肉 夕飯→豚の焼肉 / 宿→名無しMotel(2800レク)

(English)
 I started running on Albania.



 今日こそ朝から快晴。ようやくこの宿を出発することに。で、朝、宿泊した15日分をまとめ支払いする時に、「キミには、11日目から10ユーロってことにするって言ったけど、まぁ、特別料金で全日分10ユーロってことでいいや」と、オーナーが言ってくれまして。いやぁ、ホント、この宿は最後までいい宿だった。

 そうそう、この素敵な宿では、昨日、こんなこともありまして。夜、例によって停電が頻発して、その影響なのか、宿のインターネットのルーターが壊れちゃったようで、ネットがつながらなくなっちゃったんですよ。まぁ、オイラ的には、絵を描いているだけだったし、最後の夜くらいネットにつなげなくても、ぜんぜんかまわなかったんですが、気を利かせてくれたオーナーが、「ネットが使えないのが申し訳ないので、プロジェクターで映画上映することにしたから」と、宿併設のバーで急遽上映会を用意してくれまして。

 で、上映された映画がフェデリコ・フェリーニ監督の<ローマ>。なんつー、マニアックなチョイスなんだ・・・ええ、映画好きのオイラは、この映画、大学生の時に見たことあったんです。が、当時のオイラにはさっぱりワカラン映画だったんですよ。ストーリーは特になく、猥雑なイタリアの風景やら、撮影風景を映像に写し込むメタ構造とか、シュールな教会ファッションショーとかが、コラージュ的につなぎ合わさっているだけのシュールすぎる映画で。多分、当時は、見ながら寝ちゃったんだろうな。ラストシーンのオートバイの集団がローマの街中を駆け巡るシーンだけかろうじて思い出したくらいだったもん。

 そんな映画<ローマ>なんですが・・・今回は寝なかった。というか、今回は、妙に見入ってしまった。実際にローマに行った後見たんで、めっちゃ楽しめたんですよ。ローマに対するフェリーニの私的な思いいれ映像を玉手箱のように詰めただけのこの映画、ローマを見てきた今のオイラには、その玉手箱な感じが逆に面白かった。

 旅をしてよかったな、と思うことの一つに、<訪れた場所を映し出した映像や、写真を見たときに、瞬時にその世界に入り込める>ってことが、あるんです。自分が行ったことがある場所の、映画や写真集を見たら、実際に映像や写真に映し出されている空間のバックにあるものも、頭の中で流れはじめるんですよ。なので、そのコンテンツをより深く、というか別の角度で楽しめるようになるんです。

 昔は<ワケワカラン>と言っていただけの映画を、味わい深く楽しめる今のオイラ・・・ウンウン、ホント、旅してよかったと思う瞬間なのです、ハイ。

 なんてことも考えさせてくれた、宿を出発。久々の走り・・・っていうか、体を動かすのも二週間ぶりになるわけで。ここ二週間はずっと、宿の椅子に腰掛けてパソコンに向き合っていただけだったもんな。歩いたのは、宿の目の前にあるレストランに昼飯を食いに行く時と、外出たついでに、おやつを買出しにスーパーへ行くくらいだったから・・・いやぁ、体が重い重い。自転車乗りたい気分は高まっていたんで、走り出しはテンション高くこいでいたんだけど・・・体力が続かず、すぐにペースダウン。

 さて、二週間篭っている間に、世界は、もう、すっかり冬になっちゃってまして。おとといくらいから、グッと冷え込んできちゃったのは、宿に居ても体感できていたんだけど、外はホントに寒くなっていた。外の山々は雪化粧しちゃっているし。いやぁ、寒い。どれくらい寒いかというと・・・ここ、緯度的には北海道と同じくらいなところだから、日本で言えば、冬の北海道を、チャリ旅しているようなものなのですよ。

 そんなワケで、寒いから、疲れたからといって、その辺で立ち止まって休むワケにもいかない。走っていて体を動かしていれば、まだ体が温かくなって耐えられるのだが、停まった途端に、寒さが体をいじめてくるのだ。疲れたけど、休めない・・・体力不足の体には、しんどすぎる・・・と、走りにへばりきったところで、昼食タイムとなった。目の前に、立派なレストラン発見。西欧を走っていた時なら、絶対入らないタイプの豪華レストランなのですが・・・アルバニアなら、オイラのような貧乏旅人でも、安心して入れるんですよ。疲れた体のパワーを補うために、昼間から牛のビフテキを頼むオイラ。最近野菜不足ということもあり、付け合せにミックスサラダをつけて。これにコーラとパンをあわせて、750レク。これで5ユーロくらいなんだもん。ああ、アルバニアは、ホントいい。こんな飯が、この値段で食えるとは・・・西欧から来たんで、ホント天国ですわ。アルバニアを旅する皆さん、レストラン高そうだから・・・って入るの遠慮しちゃうのはもったいないですよ。

 さて、肉を食べてパワー復活した体で、再びテンション高く漕ぎ出したのだが、やっぱりすぐにパワーダウン。やっぱり二週間のブランクは長すぎたな・・・

 ということで、今日はちょっと早めではあったのだが、走り終えることにして、道沿いに並んでいたモーテルに泊まって体を休めることに。明日は筋肉痛だな、こりゃ。