"What aspect of being a traveler have you enjoyed the most?" "It's the opportunity to meet people."
結局その国を好きになるかどうかってのは、こういう出会いがあるかどうかなのだ

2013.10.20 / Ukraine→Moldova(Чернівці(チェルニウツィー)付近~Briceni) 本日 自転車91km走行 : Total 49502km走行
天気:晴 ネット:1
朝飯→パン 昼飯→ブリトー 夕飯→惣菜ご飯 / 宿→Hotel Vesta(200モルドバレイ)

(English)
 I left from Ukraine and entered to Moldova.



 朝日の出と共にテントをたたんで走り出す。ウクライナ-モルドバの国境まで後少し。順調に行けば、今日でウクライナ走りも最後だ。

 走り始めてしばらくしたら、小さな町があり、ハンバーガーなどの軽食を売っているスタンドがあったので、ブリトーみたいなのを頼んで、飯。朝飯はさっき食べたばかりではあったんだけど・・・ま、走り続けている時は、いつも腹ペコなんで。

 で、ブリトーを食べていたら、犬が寄ってきた。オイラが食べているブリトーを欲しそうな顔して眺めてきた。ちなみに、この辺、犬が多い。走っていると、犬が吼えながら追いかけてくるようになってきた。

 ということで、吼えてくる犬をうまくかわしながら、最後のウクライナ道を、しばらく走っていたら・・・道端で酒を飲んでいたおじさんが「おーい」と声をかけてきた。酔っ払いではあったものの、人のよさそうなおじさんだったので、近づいてみると「ま、ま、飲め飲め」とビールを勧めてくる。走っている最中は、なるべくアルコールは取らないポリシーのオイラ、「せっかくですが、ビールはちょっと」と断ると、一緒に居た小売店のおばちゃんが「そうよね。自転車だもんね。だったら、コーラを出してきてあげるわ」と、店からコーラを一本出してきて、オイラに手渡してくれた。ありがと~、ございます、おばちゃん。

 そして、しばし、おじちゃんおばちゃんたちと、言葉は通じないながらも、身振り手振りを交えてコミュニケーション。お互い言いたいことが伝わったかどうか、ワカラナイのだが・・・ニコニコ笑いあえているだけで、よかった。心がほっこりしてきた。

 いやぁ、走っている最中には、ほぼ、現地の人との触れ合いがなかったウクライナ。正直、この国のチャリ旅は面白くはないなぁ、って思っていて、オイラの中では、あまりいい印象ではなかったんですよ。

 が、最後の最後に、こんな人たちと出会えて・・・オイラの中のウクライナの印象度が、いい方向に急上昇。見るべき場所がいっぱいある、とかいうことも、重要ではあったりするのですが、その国を好きになるかどうかってのは、結局、こういう人たちと出会えるかで決まるような気がする。別に些細なことでいいのだ。一本のコーラをニコヤカに差し出してくれるだけで嬉しい。この国を旅してよかったなぁ、って思わされる。

 国境越えの直前で、こんな人たちと出会えたのも何かの縁。終わりよければ全てよし。思い出はピークエンドの法則。人間の記憶ってやつは、一番最後に起こった出来事を強く覚えてしまうものなのだ。

 ということで、これまた美女とお知り合いになることはできずに残念なウクライナだったが、めっちゃ好印象を抱いて、出国。そして、次に入国したのはモルドバ。モルドバってどこかいな?と、これまた、一週間前までは、どこにあるかも知らなかった国。「モルドバも美人が多いよ」ととある筋から情報を入手し、急遽寄ることにした国だったのです。

 調べてみても、あまり観光客が訪れる国ではないらしく、ヨーロッパ最貧国という情報くらいしか出てこない。

 知らない国こそ面白い。

 知らなかったからこその、驚きや発見がある。

 今回はあっさり通してくれたウクライナ出国。そして、モルドバ入国も問題なし。そんなイミグレから、一歩入ったモルドバは・・・ウクライナとは、ガラッと雰囲気が変わっていた。まず、教会がタマネギ頭でなくなってしまっている。そして、嬉しいことに、文字表記がアルファベットに戻っている。言葉は相変わらず分からないのだが、とりあえず、なんとなく文字を見て推測できるだけでも、心強い。

 さて、夕刻にそれなりの町に到着。宿はありそうなのだが、町の地図をもっておらず、分からない。町外れにたむろしていたタクシーの運転手さんに「この町にホテルはありますか?」と聞いてみたところ「この道をずっと行ったところにあるよ」と教えてくれた。もちろん、英語はあまり通じないので、実際には、かなりのカタコト会話だったのだけれども。

 で、教えられた道をずっと行ってたのだが、ホテルらしきものは見当たらない。「無いじゃんか!」と、憤っていたら、「プップー」というクラクションが聞こえた。振り向いてみたら、さっきのタクシーの運転手さんの一人がタクシーに乗って、走ってきている。「ホテルはあっち」と、指差してくれた方向は、分かれ道でオイラが来たのとは逆の道だった。

 ひょっとしたら迷うかもと思って、わざわざ見に来てくれたらしい。

 ふええ、なんて優しい人なんでしょ。

 タクシーの運転手さんのおかげで、無事ホテルに到着することはできたのだが・・・今度は、ホテルのレセプションのおばちゃんが、まったく英語が話せず、チェックインができなくて困ってしまった。と、そこに「どうしました?」と、通りがかりの一人のお兄ちゃんが登場。英語で声をかけてきてくれまして。そして、このお兄ちゃんが、おばちゃんに交渉してくれ、宿で一番安い部屋に泊まることができた。

 「アナタはツーリスト?モルドバへようこそ。でも、モルドバはどこも、オススメできる場所がないんだよなぁ・・・あ、でもモルドバの女の子は最高だよ。モルドバの女の子を知れば、きっとモルドバが好きになるはず。素敵な子と出会って、アナタが、モルドバを好きになってくれるといいな」って、別れ際に言ってくれたお兄ちゃん。

 そんなお兄ちゃんの予言が、早くも明日実現することになるとは。

 そして、それはそうと、さっき、買い物をしにスーパーに行って思ってた以上に買い込むことになって、両手一杯に荷物を抱えてウロウロしていたら「これ使うといいわよ」って、一人のおばちゃんが、さりげなく、わざわざ買い物籠をとって来てくれ、オイラに手渡してくれまして・・・

 ほったらかしが普通の東欧旅。なのに、なんか、急に人々が、フレンドリーになって、さらに、オイラに対して、優しくなったんですけど・・・ナゼ?この優しさは一体何?

 入国早々、モルドバに戸惑わされるオイラ。このいい意味での戸惑いは、モルドバがラテンの国だってことを知らなかったからこそ味わえた、嬉しい旅情。






























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