How to entertainment
映像の流れとエンターテイメントについて

2013.12.23 / Romania(Brasov) 本日 自転車0km走行 : Total 50201km走行
天気:晴 ネット:1
朝飯→パン 昼飯→肉団子ラーメン 夕飯→瓶詰め煮込み / 宿→Liberty Villa Hostel(ドミ27ルーマニアレイ)

(English)
I edited video today too. Today I could make good trip video of Mali.



(Español)
Edité el video hoy también.



(Français)
J'ai édité aussi la vidéo aujourd'hui.

 オイラの旅映像を見続けてくれている方なら、最近アップしている映像が、ちょっと変わってきていることに気づいてくれているかもしれない。音楽ネタとか一発モノは、ほとんど変わっていないのだが、<走行記録映像>は、まとめ方が変わりつつあるのだ。

 そもそも、せっかく走りながら撮った映像があるのだから、ということで、それらの映像をただつなげて、<単なる映像記録>として作り始めた走行記録映像。最初は、チャリ旅ってこんな感じなんですよ、と、雰囲気をわかってもらえればいいな、と思っていただけだった。

 オイラと同じく、旅の様子を映像で綴っていた映像旅人コンちゃんが<エンターテイメント志向>で、旅映像を面白くまとめていたのに対して、オイラは<ドキュメント志向>のつもりで淡々とした旅映像をまとめていた。撮った映像を単につなげてみせることが<ドキュメンタリー>だと思っていて、工夫もなく、なるべく撮った順番どおりに並べ、余計な装飾はせずにいた。

 リアルな映像は、映像そのものが語りかけてくるモノがあるから、素材の味で勝負。凝った料理をする必要はない、って思っていたんですよ。

 そもそも、テロップ入れて説明的な映像ってのは、あまり好きじゃなかったし。映像で語っていることを強調するだけの使い方しか考えていなかったから、そんな使い方なら、使わないほうがマシって思っていた。

 しかし、こうしたスタイルで作ってきたこれまでの映像は、オイラ自身とか、少なくともオイラと同じ体験をしたことがある人ならば、何かを感じることができる映像にはなりえるとは思うのだが、そうでない人たちには、分かりづらい。っていうか、ダラダラした映像に感じられて、最後まで見てももらえない映像になっちゃっていた・・・と思う。

 ま、記録映像なんだから、それはそれでいいか、とも思っていた反面、分かる人にしかワカラナイ映像になっちゃっているよなぁ・・・ってことをずっと気にはしていたんです。でも、どうすれば、分からない人にもワカル映像になるのかが、ワカラナくて。

 で、ちょっと前の日記に、トーンの重要性について書いたじゃないですか。で、アレ以降、走行記録映像といえども、ただ撮った映像を単につなげるだけってのは、(なるべく)やめるようにしたんです。ただ撮った映像をつなげるだけだと、一つのトーンにまとめることができない。一本を一つのトーンでくくるべく、一つの走行記録において、区間の中で一番印象に残った出来事を軸に、まとめることにしたんですよ。

 例えば、アルバニア&モンテネグロの走行映像だったら、<雪>というトーンでまとめたんです。それ以外の要素を撮影した映像も、もちろんあったのですが、それらは、全面カット。雪に関連ある出来事だけをピックアップして並べ、編集してみたんですよ。

 これで、ダラダラ感はなくなったのですが・・・まだ、分かりやすさとか、面白みが欠けている。

 映像とは、時系列に見ていくもの。つまり流れってものがありまして。この<流れ>を作っていかないといけない。トーンを絞るだけではダメなのだ。

 <雪>という大変な状況に突入する前に、なぜそんな状況に突入することになったのか、という状況の説明、そして<雪が降る>前兆の描写、さらに、雪の中に突入した後どう格闘したのか、などを<流れ>として、構築していかないと、分かりやすくならないし、面白くもならないのだ。

 ・・・ということを、今更ながら気づきまして。

 この<流れ>を作るために、テロップやら写真やら音楽を、今まで以上に使い始めた。今までは、嫌いだったから使わなかった、これらも、<使う意味>が分かったので、普通に気にせず使えるようになってきた。

 そして、それらを考慮して、我ながら上手くまとめられてなぁと思えるものが、今日出来上がった。

 今日編集し終えたのは、マリ走り映像。実は、この区間の映像素材は、楽しかったマリの人たちとの触れ合い映像ばかり。これ、ただつなぐだけだと、ただ楽しく走っているだけの映像になってしまっていた。でも、実際は、厳戒態勢のマリをチャリで走るということで、ドキドキものだったのだ。そのドキドキがあったからこそ、マリの人たちとの底抜けにピースフルな触れ合いが、心にグッときたのだ。<その流れ>をちゃんと映像にしないと、伝わらない。

 <カセ>として厳戒態勢の状況。そのカセによる心の葛藤が、現実のピースフルなマリの人々によって開放されていく、というカタルシス。

 マリ走り映像は、<その流れ>をそれなりに映像化できたと、思う。まだ稚拙な部分はあるのだが、とりあえず、心にグッとくるものが、なんとなく伝わる出来になったのではないか、と。いや、ぜひ伝わってもらいたい。(そんなマリの走行映像は、年明け後、1月中旬頃にアップする予定)

 ちなみに、まだ稚拙なこの<流れ>の作りは・・・「困難に立ち向かい、途中心折れながらもなんとか達成」というロッキー的なスポコンものにしてみたり、「仲間と手を組んで、それぞれの特技を生かして困難に立ち向かう」という七人の侍的なお仲間協力問題解決ものにしてみたり、「ある村に立ち寄ることで、平穏だった村に波風が立ちドラマが生まれる」というフーテンの寅さんや座頭市的なストレンジャーものにしてみたりすると、より、完成度が高く感じられるものになっていくのかもしれない。

 そう、こういう<物語の型>にあてはめることで、分かりやすいエンターテイメントになるのだ。そして、エンターテイメントになることで、同じ体験を共有していない人にも、分かってもらえる映像になるのではない、かと。

 せっかくアップしたのに、Youtubeの視聴カウントが全然伸びないのを、実は、意外と気にして、そんなことを悶々と考えていたりする今日この頃。

 ま、こうやって悩むことで、人間、成長するのでござる。

 ということで、これからのオイラの映像は、ドキュメンタリー派をきどりつつ、次第に、エンターテイメント感を盛り込んでいくことになると思いますんで。

 これまで楽しんでくれていた人は、より楽しく、そうでなかった人たちも、それなりに、ってことで、これからも、旅映像を楽しんでもらえると、嬉しいです、ハイ。




最新日記に戻る