(English)
My bicycle was still losing. I didn't know how to search my losing bicycle. I only walked around town...
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・・・夜、全然眠れなかった。
昨日、みんなと一緒に夕飯を食べている間や、その後の旅話で盛り上がっていた間は、気持ちが紛れていたのだが、ベッドに入って一人になった瞬間、相棒との5年間の思い出が、走馬灯のように目の前に再生され、相棒がいなくなってしまったことへの悲しみと、万全の対策を怠っていたことへの後悔と、犯人への憎しみがフツフツと心の中に沸き立って、とても、眠れる精神状態にはなれなかった。
そして、朝・・・飯を食べれば気持ちが収まるかと思いきや、飯を食べても気持ちは落ちたまま。
昨日は、盗られたショックがあまりにも大きすぎて、興奮状態だったのだろう。テンションが高かったからこそ、失われた悲しみを感じなかったのかもしれない「大事な自転車が無くなったというのに・・・思っていたよりショックでない、自分の気持ちにショックだよ」なんて言ってたけど、あれは、テンションがおかしかった当日だからこそ言えた台詞だった。
大事なモノを失った悲しみは、失った当日よりも翌日にズシンとくる。
今日の心の重さは、耐えられないものだった。
何かしなきゃと思っているものの・・・できるのは、宿の周囲を捜索することくらい。
盗まれた自転車が、盗まれた早々に、盗まれた現場近くで乗り回されていることはなかろう、とは思うものの、地の利が無いオイラとしては、周辺を捜索するしかないのだ。宿に篭っていても、気分が滅入るだけ。それならば、まだ外を歩いていた方がいい。
置かれている自転車だけに目をむけて歩いていると、たまに、小径自転車が停められていたりして、ハッとさせられるものの、近づいたら相棒ではなく、ガッカリさせられる。
押しつぶされそうになる気持ちから逃れたいから、早いところ時間は経って欲しいのだが、無為に過ごしているこの間に、盗られた相棒が、どんどん捜索困難な場所にいってしまっているかもしれないから、なるべくなら時間は経って欲しくないという、矛盾。
一日が、長いようで、あっという間に過ぎていく。
それにしても、こんなことをしていても、相棒は見つかるとは思えない。
かといって、何をすればいいんだ?
気持ちがどんどん重くなる。
そんな中、今日宿に、大学生のヨーヘイくんがやってきた。そんなヨーヘイくん、オイラの自転車盗難話を聞いて「ヨシさん、一緒に探しましょう」と言ってくれた。「いや、観光しに来ているんでしょ。自転車探しに付き合わせて時間を使わせるなんて、めんぼくないよ」と断ろうとしたら、「僕、もう観光には飽きちゃって。それより、誰かと一緒に街歩きをしている方が、いいんです」なんて言ってくれる。
そこまで言ってくれるなら、と、夕刻は、ヨーヘイくんと一緒に歩いて相棒チャリ探し。が、おしゃべり好きなヨーヘイくんと、一緒に歩いていたら・・・話ばかりしちゃって、全然チャリ探しなんかできなかった(笑)。
でも、今のオイラにとっては、これでよかった。捜索といっても、じっとしているのが嫌だから歩いているだけだったし、一人で捜索してても、悶々とするだけだったからさ・・・今日は、ヨーヘイくんの明るさに救われたよ。
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