(English)
Today I play latain percussion with hungary people.
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さて、翌日、チャバさんが「ヨシサンハ、ナニガスキデスカ?」と聞いてきたので、「音楽、特に太鼓音楽が好きです」と答えたオイラ。すると、隣の人が町のラテンパーカッショングループに入っており、ちょうど今日、そのグループの練習があるみたいなので、一緒に行く?とのこと。
そりゃもう、ぜひぜひ、ということで、お隣のアンディさんと一緒に、チャバさんが運転する車でパーカッショングループの練習会場へ。
さて、到着したのは小学校の体育館のような講堂。ここに、続々と集まってくるメンバーの人たち。思っていた以上にメンバーが多い楽団だった。そのメンバーそれぞれが、違ったラテン打楽器を持っており、リーダーのロシェークさんに合わせて合奏する。
ハンガリーのブラジルサンバグループ<Boombatuncada>の大演奏。
チンバウはなかったものの、ヘピ、スルドがある。さらにアゴゴなどのシェイカー系も。楽器自体はヨーロッパ的に洗練されたもので、ブラジルで見てきたものとはだいぶ違っていたのだが・・・楽器から醸し出される、このリズム、このノリは、まさに、オイラがブラジルのサルバドールで体感してきたブラジリアンリズムだった。
懐かしのサンバヘギのリズムを聞き、体がムズムズしてきちゃったオイラ。「もし余っている楽器があったら使わせてください」と申し出て、ヘピを貸してもらえることに。同じくヘピパートのメガネの少年ダニーくんに、このグループでのヘピの基本リズムを教えてもらい、早速、皆さんの合奏に飛び入り参加。
いやぁ、めっちゃ楽しかった。言葉はカタコトしか通じないのに、音楽でバッチリ心を通わせることもできた。
演奏技術はつたなくても、誰かと合わせることで、言葉よりもダイレクトに心がつながっている感覚を味わうことができるのが、音楽。それが音楽のコミュニケーション手段としての素晴らしさの一つではあると思う。
ただし・・・音楽は万国共通だからさ、とよく言われるけど、実は音楽と言えども、言葉でいう方言的なものはある。同じリズム音楽といっても、キューバはキューバのリズムやノリがあるし、ブラジルはブラジルのリズムやノリがあるし、アフリカは東と西で全然違うリズムやノリがある。いや、細かいことを言えば、国の中でも、地域によって独自のリズムやノリがあるので、ある一つのパターンを覚えたら、それがどこでも通じるってワケじゃない。
音楽って、音楽の方言をよりよく知った上で演奏することで、もっと深くつながれるようになるのだ。誰かと合わせながら、その人だけではなく、<世界>とのつながりを感じることも可能になる。
世界を巡って、各地各地の音楽に直接触れることでそのことを知った。
そして今回、それを<知る>だけでなく、<体験>することが出来たのだ。ブラジルのリズムを合奏していたら・・・突然オイラの目の前にサルバドールの風景が広がり、さらに、合奏してる音の上に、演奏者の皆さんそれぞれが思い描いていると思われるブラジルのイメージが見えてきた!
こんなの初めての体験だったのでビックリした。
今まで単に音楽は音楽としてしか捉えてなかった。ロックやハードロックは好きだったが、ブリティッシュロックやアメリカンロックも、イタリアンロックもジャーマンロックも、聞いてはいたけど、ほとんど区別することなく、すべて<ロック>という括りでしか考えていなかった。頭にも、ただ<ロック>という抽象的なジャンルとしての音のイメージしか浮かんではこなかった。
それが、世界を旅して、その現地でその地の音楽を聴くことで、音楽とその地がオイラの中で結びついた。その結果、音楽によって、その地のイメージ、雰囲気、匂いなどなどが自然と想起されるようになっちゃったようなのだ。
ただ単に好きだから、せっかく世界を巡るのだから、行く先々で堪能してこなきゃもったいないと、一か国一か国聴きこんできた音楽が、こういうカタチで自分の身になるとは・・・旅をする前には想像だにしていなかったことだった。この変化は我ながら嬉しい。これこそ、旅をしたからこその変化。
自分が好きな何か一つ、それを各国でそれぞれ突き詰める旅スタイルを続けていると、ある時、突然、その一つを軸にすべてのことがつながり、頭の中で<世界>が立ち上がってくるようになる。これ、絶対面白い。オイラは、こういう体験をするために、旅を続けてきた気がする。
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