(English)
I run on Tajikistan road by bicycle.
|
|
朝起きると寒い。猛烈に寒い。コップの外側についた水があっという間に氷りついてしまうほどの寒さだ。これまでは、ここまで寒さを感じることはなかったのに・・・標高を一気にあげたため、いきなり朝晩の寒さがこたえるゾーンに突入してしまった。昼間は、太陽がサンサンと照らすため、むしろ暑いくらいなのだが、太陽がなくなった夜から、一気に気温が下がる。テントで寝ていると、寝袋の中でも震えるほど、寒い。
さて、朝食を食べ、水を補給し、走り出す。高山地帯であるため、流れている水は綺麗。そのまま飲めてしまう。本当はちゃんと濾過とかした方がいいと思うのだが、長年の旅でその辺は胃袋が鍛えられているオイラ。水で当たるということはほぼなくなった(後で聞いたのだが、ホワンくんは水にあたってだいぶ苦しんだらしい)。
今日も、道は酷い道。パミール高原で、走りやすさを要求するのが間違っている。チャリダーの聖地っていわれているので、ここはさぞかし、走りが楽しい場所なんだろうと思っていたのだが、それは完全にオイラの勘違いだった。そう、ここは、走りを楽しむようなところじゃなかったのだ。じゃぁ、なぜチャリダーが集まるのかというと・・・チャリでないと来づらい場所だからだ。もちろん四駆とかで来ることはできるのだが、チャーターしなくちゃいけないので、高くつく。トラックとかにヒッチで乗せてもらうのもアリだが、車通りはほとんどないので、ヒッチさせてもらうトラックを見つけるのは結構大変。ということで、どこにでも行けちゃうチャリダーが相対的に多い地域というだけなのだ。チャリダー率が高いということで、いつしかチャリダーの聖地と呼ばれるようになり、そう呼ばれるから、オイラのように勘違いしてやってくるなんちゃってチャリダーも増えるというスパイラルに陥っているようなのだ。
ここは、断じて、チャリ走りを楽しむような場所ではない。チャリ走りを苦しむ場所なのだ。完全Mなチャリダーにとっては天国のような場所かもしれない。しかし、こんなところを楽しめるなんて、ドMが多いチャリダーでも、数少ないんじゃないか?ドMを自称していたオイラでさえ、悪態つきまくりだもん。
走っている最中は、ホント、ただただ、辛かった。
が、そんな道も、走り終えちゃうと、いい思い出に変わるから、不思議だ。あれだけ苦労してきたというのに・・・夜テントを張って、温かいお茶を飲んでいると、幸せな気持ちに包まれる。いや、辛かったからこその幸せ感なのだ。
辛い体験をする意味・・・意味なんてないのかもしれないが、その体験は必ず後の幸福感へとつながる。人生山あり谷ありというのは、谷があるからこそ、山を感じれるということ。谷が深ければ深いほど、ちょっとの山でも、登った感があるのだ。
逆に、パミール高原をずっと走っていると、ここが高い場所だということをいつの間にか忘れてしまう。谷がないので、山が山と感じれなくなるのだ。
ちなみに、今日野宿したのは、検問チェックポイント近くにある、バス停みたいな建物だった。この辺には警備隊らしき人たちが常駐しているらしく、人が作った建物がいくつかあった。いやぁ、こういう風よけの建物があってありがたい。夜とにかく寒くなるので、少しでも風を防げる場所で野宿をしなくちゃ、体が悲鳴をあげる。
それにしても、こんな場所で、働いている人がいるなんて。検問していても、一日に一人か二人しか通らないであろう場所に常駐し、暇を持て余す人生は・・・なかなかツライ気がする。それよりは、悪路を一日中チャリを押している人生の方が、いい。ん?いいのか?今日みたいな人生がずっと続くとなると、それはそれで、かなりツライぞ。
|
|




|