Vegetarian
ベジタリアンについて

2015.8.30 / India(Hampi) 本日 自転車0km走行 : Total 57751km走行
天気:曇時々晴 ネット:1
朝飯→プーリー 昼飯→ミールス 夕飯→なし / 宿→Kalyan Guest House(ダブル400ルピー)

(English)
I stayed in Hampi.



 インドは菜食主義だ。チキンカレーとかあるじゃん、と思う方がいると思いますが、多くのインド人はチキンカレーなんて食べてない(パンジャブ州やベンガル州など、ムスリムが多い地方では、肉を食べているインド人も多いらしいが、ヒンドゥー教徒が多い南部ではほとんど肉は食べられていない)。一般の人たちが集う食堂に入ると、肉なんて全く使っていない料理ばかり。

 インドはイスラムであるムガール帝国に支配されていた時期がありますから。その時に、アラブから肉食文化がちょこっと入ってきただけ。そして、ヨーロッパ時代、特にイギリス統治時代が長かったので、その辺でヨーロッパの食文化の影響を受けた面もあり、外食産業で、ノンベジの店もたまにあるのだが、それはそういった歴史の名残。ちなみに、インドカレーで有名なバターチキンカレーってのは、イギリス人の発明であって、もともとインドにあったメニューじゃないとのこと。

 さて、そんなインドに長居していると、自然とベジ料理ばかりを食べることになる。いや、バラナシで長期滞在していた時は、日本食に逃げることが多かったので、トンカツとか普通に肉を毎日食べていたのだが・・・スリランカ、そして、南インドで、本格的なカレー探求を始め、しかも、現地食が美味しいので、現地の人たちが食べている飯ばかりを食べていたら・・・自然と肉を食べない生活を送るようになってきた。

 で、意外とこれはこれで大丈夫ということに衝撃を受けてまして。

 というのも、オイラは、以前は超肉食派だったんですよ。途中で出会ったベジタリアンの人たちの食生活が信じられなかったし、異星人でも見るような目で見ちゃっていた。肉を食べないなんて、人間の生活じゃない。人生そんなに制限してどうするの?って思っていたのだ。

 まぁ、宗教上の理由で食べない人はまだ理解できていた。インドでは生まれ変わりを信じているから、ひょっとしたら目の前の羊がひいおじいさんの生まれ変わりかもしれない。そう考えると食べれないだろ、って言われると、まぁ、なるほど、と思える。

 ケド、自分から進んで野菜しか食べないってのは、どうなの?ってずっと思っていたんですよ。そんなオイラが・・・野菜しか食べない生活で満足できちゃうとは、ってのが自分でも衝撃で。

 しかも、消化をよくしているスリランカ、南インド料理ってこともあり、体の調子が著しくいい。これまでで最高に調子がいいのだ。

 これが、「肉は食べなくても実は平気」ということを後押ししてくれている。「肉は食べなくても平気なんだよ」と言われ、仮にベジ食に移行したとしても、ココ以外でトライしていたら、途中で断念していただろう。肉を食べない恩恵をあまり感じれないだろうから。それに、ココ以外だと、ちゃんとバランスが取れたベジ食を食べ続けるのも難しいだろう。ココは、昔から皆がベジ料理だけで暮らしてきていて、ちゃんと生きていけるベジ料理ってものが確立されている。

 いや、そうは言っても、肉は肉で食べれば美味しいとは思う。そこは以前とは変わらない。でも、以前は肉は絶対食べなきゃって思っていたのに、今は肉は別にないならないでもかまわない、って思えるようになった。そこが決定的に違うところ。

 こういうのは、頭で考えていても実は分からない。自分で体験して実感として得ないと理解しがたいのだ。

 インターネットが発達し、世界中の情報が誰でもどこからでも瞬時に見れるようになった。でも、それで世界中の人たちの相互理解が深まるか、というと、そんなことはないと思う。知るだけでは、分かれないのだ。体験しないと、分からないのだ。

 今泊まっている宿に、<食べない人たち>という本が置いてあったので、読んでみた。ベジ以上の制限食。食べないで生きていくという<不食>を実践する人の本だ。実際に実践している3人による体験記的な形式で綴ってあるのだが・・・読んでいるだけでは、半信半疑。「不食とは、厳密に何も食べないことではありません。物質的な食物の代わりに目には見えないエネルギーであるプラーナを食べています。プラーナは大気中に存在するだけでなく、宇宙のいたるところに存在しています」なんて言われて、なるほど、とは思えない(笑)

 でも、「食べないことに体が慣れる」とか「むしろ、食べないことが気持ちよく感じられてくる」とか「食事をすることが体にとっていかに負担を強いるかが分かってくる」とか「食べ物への執着が薄れていくと、物事への執着も薄れてくるので、欲望のサイクルから逃れられるようになる」といった話には、共感する点がある。最近、たくさん食べることと、それを調整するために食べないってことを繰り返すことで、その辺の感覚が実感として分かってきたからだ。

 不食の世界、今はそんな馬鹿なって思っているけど、そういう思いは、自分がベジタリアンを理解する前にベジタリアンに対して思っていたことと同じ。不食も、やってみると理解できちゃう世界なのかも。いや、不食に限らず、世界中のありとあらゆる「そんなバカな」と思っていることも、自分がやってみると、意外と理解できちゃう世界なのかもしれない。






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