Museo Nacional de Antropologia y Casa Gilardi.
国立人類学博物館とルイス・バラガン / National museum and Barragan

2008.12.14 / Mexico (Mexico City)

 Today I went to "Museo Nacional de Antropologia" and barragan's design house. They are very impressive for me.
 メキシコで一番楽しみにしていたこと、それは、マヤ、アステカの遺跡および遺跡の発掘品を生で見ることなんです。その遺跡の石像などが、すべて集められているという<国立人類学博物館>。今日は、ワクワクしながら、朝一でここに行ってみました。

 ガイドブックには日曜日は無料と書かれているのですが、現在、メキシコの人だけ無料のようです。観光旅行者である僕は、入り口にてがっつり48ペソ取られました。コの字状の建物の博物館は、12室の部屋に分かれて、時代、場所別に分類された発掘品が展示されています。まず入ったのが右手前にある第一室<先住民文化>ゾーン。いきなり、おかしな模様の素敵な石像に出迎えられ、興奮。そして、第二室、第三室と進んだのですが、とにかくどの部屋もテンションが上がっちゃう僕好みの石像がわんさかと展示されていまして、カメラで何枚写真をとったことか・・・そして、第七室の<アステカ>ゾーン。ここには、太陽の石と呼ばれる石像がありまして、コイツと対面するのをものすごく楽しみにしてきたんです。ついにご対面の瞬間!部屋の奥に飾られた太陽の石の前で、しばらく動けない自分が居ました。

 なぜか、昔から中米、南米の古代文明に惹かれてまして。今回、この博物館で一堂に会したたくさんの石像を見て、なんとなく、惹かれる要因が分かりました。漫画チックにディフォルメされていながら、ディテールの描写が繊細なデザインが、たまらなく魅力的なんです。ぱっと見た感じ、分かりやすそうに記号化されているように見えるのですが、細部の描写にこだわった作りになっているため、石像は記号以上のシグナル、つまりパワーがやどっているように感じるのです。シンプルでありながら、複雑な表現を実現しているこのデザイン!僕の目指す表現の方向性の究極の目標点でもあります。そう、中米、南米の古代文明が残した数々の証に使われているものは、僕の憧れの表現技術だったのです。

 というわけで、とにかく、このデザインの質感を体に吸収しようと、それぞれの石像をじっくり見て、ばっちり写真に収めました。あまりにも吸収すべき情報量が多すぎて、最後の方には、頭がクラクラしてきました。こんなにも、集中してほぼ全ての展示物を見た博物館は初めてかもしれないです。大抵の博物館では、集中してみるのはワンコーナーかツーコーナーくらいなのに・・・。そして、博物館を出た僕の心の中は、創作意欲満々!うーん、なんか、造形をしたい気分になっちゃいました。

 そして、メキシコに来たからには見たいものが、さらにありまして。建築に興味もある僕は、2007年2月18日に放送された<世界遺産>という番組で、ルイス・バラガンの存在を知り、彼の建築に魅了されました。そんなバラガンの建造物がMexico Cityにはいくつかあるんです。バラガンが住んでいた自宅<Casa Luis Barragan>、さらに、バラガンの最後の作品であり、ヒラルディさんのためにデザインした<Casa Gilardi>が、博物館のあるチャブルテペック公園の近くにあるというので、行ってみたのです。

 まず、ヒラルディ邸。壁面がピンク色の建物は、周囲の建物と一線を画しており、すぐに分かりました。しかし、ピンク色だからといって、浮いているわけではなく、むしろ、風景として溶け込んでいるところがすばらしい。さて、来たからには中が見たい!外から見ているだけでは、<住む空間とてしての快適さ>を追い求めたバラガンの建築は分からない。ということで、チャイムを押して見ました。すると、中から人の声が。「ツーリストなんですが、ぜひ、ヒラルディ邸の中がみたいんです」とドア越しに言ったところ、ドアがオープン。若い男性が出てきて「見学はできるけど、100ペソかかるよ」と。さらに「写真を撮るのなら300ドルね」と。えぇー、300ドルって・・・300ペソじゃないんですか?と聞いたところ、ドルで間違いないと。しょうがないので、100ペソ払って、見せてもらうだけ、見せてもらうことにしました。ちなみに、本当は見学するのに、事前アポイントが必要なようです(事前アポすると、バラガン邸、ヒラルディ邸あわせて200ペソとのこと)。

 中に通してもらい、まず、居間への廊下を歩く。廊下の右側が黄色い紙(?)貼り(日本の障子のような感じ)になっており、こちらにあたる光が左側の白い壁に黄色い光としてこぼれ、やわらかい空間を作っていました。そして、廊下を抜けると、広い居間。そして、その居間の半分は水で満たされたプールになっており、そのプールの真ん中には赤ピンクの柱が立っていました。黄色い廊下に、青いプール、そして、赤ピンクの柱。それぞれの色が見事に調和していて、緊張感がありながらも、不思議に落ち着く空間になっているのです。ちなみに、バラガンは水によって、居間という空間に音楽的演出を創出したそうです。そして、居間から、大きな窓を経て庭に出ると、そこにはメキシコの伝統的な植物である<ジャカランダ>の木。建築物の色として、<緑>は使わなかったというバラガン。緑は自然の木によって、色合いを加える設計をしていたようです。

 若い男性は、ここの二階に住みながら、管理人業務をしているとのことです。なんて羨ましい!彼の説明を聞きながら、Palmを取り出し、メモをとりながら、写真を隠し撮りしちゃいました。こういう時、Palmが大活躍するのです。

 ヒラルディ邸のあと、バラガン邸にも行ったのですが、こちらは、ベルを鳴らしても何の反応もなし・・・中は見れず(涙)。

 バラガンの建築もシンプルでありながら、空間の豊かさを感じさせられる絶妙なデザインで、中米の古代文明のデザインと通じるものがあるなぁと僕的には思いました。将来こういう家に住みたい。こういう家を建てたい!日本に居た時、一度は、自分で2x4で家を建てる計画をした僕としては、猛烈に影響されてしまった、バラガン建築訪問でした。

 それと、本日もう一つ。ペンション・アミーゴには、自炊できる環境がばっちりそろっていて、ここに泊まっている人の多くが夕飯時には飯を作って食べているのです。ずっと外食(おごってもらうのも含め)生活の旅をしてきて、そろそろ自炊癖をつけておかねば、ならないなぁと思っていたところだったので・・・本日、パスタを自炊しました。持って来た鍋セットがようやく日の目を見たって感じです。パスタと、豚肉とたまねぎとトマトソースを買ってきて、スパゲティアラビアータを作りまして。これが結構旨い。日本に居る時にも、たまに自炊していたので、やればできるんです。そして、やってみると・・・今日クリエイティブな刺激をものすごく受けちゃったせいか、料理熱が沸々と沸いてきちゃってます。タコスとか、なんかメキシコ料理を自分で作れるようになりたいなぁ。

自分としては、一ヶ月ごとに旅の目標を決め、行動してまして。
 1ヶ月目:旅に慣れる、HPのカタチを作る
 2ヶ月目:宿代を節約する(高い宿に泊まらない!安宿、キャンプを優先)
 3ヶ月目:映像コンテンツ作りに力を入れる
 4ヶ月目:自炊をがんばる
という感じ。3ヶ月目までは結構こなしてきたなぁと。