El mundo diferente
ロライマ登山三日目:20億年前の異世界へ

2009.05.25 / Venezuela(Roraima) 本日自転車0km走行 : Total 9887km走行
天気:晴れ時々雨
朝飯→アレパ 昼飯→ソパ 夕飯→ミートソースパスタ / 宿→テント泊(ツアー)

(English)
  We arrived at top of Mt. Roraima.



(Español)
  Hoy llegamos a la cima del Mt. Roraima
 夜早くに寝るせいで、朝早くに目覚める。景色がいいので(ここは絶景!)ずっと山を眺めている。7:00頃、皆起きはじめたので、朝食&準備。

 さぁ、今日はいよいよテーブルマウンテン頂上へ向けての登山だ。ここのベースキャンプから4時間くらいで辿り着くらしい。上り始めると早速ジャングル道に。昨日までとは全然違う道。まさに<登山>だ。昨日までは片手にペットボトルを持ちながら歩いていたのだが、今日は両手をフルに使わないと危険。ペットボトルをカバンにしまってジャングル道を進む。途中から岩道になってきた。壊れて来た靴にさらにダメージが・・・靴先がカパカパしはじめている。

 しばらく上っていると、眺めのよいミラドールに辿り着いた。ここでしばし休憩。ここからの眺めはすばらしい。これまでの疲れが吹っ飛ぶようだ。そして、さらに上り続けること2時間、ようやく頂上へ。奇妙な岩が広がる平らな世界。あまりに平らに地が広がっているので、ここが山頂なのか?と疑問になってしまうほど。が、切り立った山の縁へ行くとそこは絶壁。はるか下に見える世界を望み、確かにここが山の上であることを実感しながら、足がすくむ。

 上りきった地点でしばらく休憩した後、今日明日と寝泊りする<ホテル>と呼ばれる岩場へ。ホテルといっても、別に宿泊施設があるわけではない。出っ張った岩があるので、雨風が凌げるだけの場所なのだ。ここにテントを張り、おそい昼飯を食べる。あぁお腹ペコペコだ。

 その後、水浴びできる場所へ皆でハイキング。平らな頂上は、岩と水と泥の世界。足場を確保しながら進む。途中、クリスタルの原石がゴロゴロといくつも転がっている通称<クリスタルロード>と呼ばれる道を通る。あまり石に興味がないオイラでも、これだけクリスタルが転がっていると、なんだか気分はウハウハしてくる。ただ、拾って持って帰っちゃいけないらしい。

 それにしても、ここ、頂上はまさに異世界。奇岩はもちろん、見たことの無い植物がそこらじゅうに生えている。20億年間、地表の柔らかい部分が風雨によってそぎ落とされ、固い岩盤だけが台地として残ったといわれているテーブルマウンテン。2億5千万年前の地殻変動もここギアナ高地を中心に起こったという。そう、この土地は20億年前から変わらずにあり続けている土地なのだ。そんなことを想い、何度も感慨にふけながらこの地を歩く。そして、そんな変わらない地を証明する代表選手、恐竜時代からの生き残りとされる原始的なカエル<オレオフリネラ>を途中で何匹も見かけた。

 しばらく歩き、水浴び場へ到着。ホセはいい湯加減の水だよと言っていたのだが・・・明らかに冷たい。当たり前だ、ここは、2,800mの山頂なのだ。ウンガッと気合を入れて水浴び。うひょー、冷たい!

 帰りには雨が降り出した。ポケットに入れておいたポンチョが役に立つ。それにしても天気がコロコロと変わる。さっき降った雨はすぐに止み、虹が見えてきた。

 帰ると、チグリがもう夕食の準備をしてくれていた。さすがに遅い昼食の後だったので、山盛りパスタを一皿だけで満腹。お代わりなしでただずんでいると、みんなから「お代わりしなかったのは初めてだ、病気か?」と突っ込まれる。そして「ジャパニーズは、みんなYoshiみたいに食べるのか?」と聞かれた。日本人が誤解されるのもなんなので、「いや、僕だけ特別で、ほら、自転車に乗って旅していると、いっつも腹ペコでね・・・」と説明しておいた。

 さてさて、ここで、ちょっと食事中の方は飛ばしてもらいたいお話。ここ、ロライマ山頂では<小>はその辺でしちゃってもいいのだが、<大>はダメ。ビニール袋の中にして、持ち帰らなければならないのだ。野にしちゃったら、罰金モノ。初日にオフィスで書かされた誓約書には、そういった項目も含まれている。大用のビニール袋は、ホセが特別に用意してくれていて、におい消しが入っている。これが岩場の奥に置かれていて、もよおしちゃったら、この袋を持って草場で・・・

 今日も日が暮れたら早々と就寝。それにしても・・・寒い。山の上の夜は冷えるのだ。