Cerca
すぐそこ

2009.07.31 / Ecuador (Tena~SanJose de Dahuano) 本日自転車100km走行 : Total 12041km走行
天気:雨のち晴 
朝飯→ツナ缶+パン 昼飯→デサユノセット 夕飯→ポヨプレート / 宿→名前のない<Hotel>(3ドル)

(English)
  I hoped to arrive at Loreto, but I couldn't reach that town today.



(Español)
  Esperé llegar a Loreto, pero no podría llegar a ese pueblo hoy.
 朝6時、Tenaの町を出発しようとしたら、外は雨。昨日は素敵な夕焼け空だったのに・・・この辺りは、気まぐれお天気。朝雨でも、午後にはカラッと晴れたりするもんなんです。今日も、雨が止むことを期待しつつ、自転車に搭載した荷物に雨カッパを着せ、雨仕様にして、出発。

 前に通ったNarpaまでの道は、比較的緩いアップダウン。どんな感じか分かっていたので、気持ち的に楽に走れた。で、その先なんですが、地図によれば山道に突入するらしい。50kmほど山道が続いた後、平地になるようだ。あぁ、また山道かぁ・・・とガッカリ。ナゼに川沿いに道をつくらず、わざわざ山方面に迂回した道を作ったのだろう?山の中に町や村があるわけでもないのに。しかも、この山越え、一つの大きな山がドーンとあるわけではなく、小高い山が幾重にも連なっている。しばし、急坂を上っては下るという一番嫌なパターンの道が続いた。

 4つくらいの山を越え、あぁ、いい加減にもう疲れた、と思いながら、ふと顔を上げると、今まで見た中で一番クッキリとした大きな虹が、目の前にあるではないですか。しかもこれから進む道を包むように・・・あまりに綺麗な七色の架け橋に、しばし呆然とした後、なんだか、山越えお疲れさんと祝福をされているような気分で、この虹のアーチをくぐったのでした。

 そして、さらにいくつもの山を上り下りし、最後の山を上り終えた後、眼下に見えたのは・・・水平線のかなたまで広がるうっそうと茂った木々、ジャングル。ス、スゴイ・・・これまた、あまりにも圧倒的な光景に、しばし呆然。

 一日二回も呆然とさせられることって、めったにないことですよ。しかも、観光スポットではなく、移動道でなんて・・・そうかぁ、こんな景色を見せるために、わざわざ高いところを通る道が作られたんだな、と勝手に解釈。苦労した行程を経て見せられたモノは、楽して辿り着いて見せられたモノとは違ったフィルターがかかりますからね。今回のこれらの光景は、<苦労した後>フィルター効果が抜群に効いてしまい、自分でも驚くほど心が動かされたのであった。

 さて、この時点でGPSの距離計を見ると、90kmくらい走行したことになっている。手元の地図では92kmくらいで、Loretoという大きな町に着くはずで、今日はこのLoretoで休む予定だったのだが・・・眼下には小さい村が見えるだけで、それっぽい町は見えない。心配になって森林伐採作業中のおじさんに、「Loretoへ行きたいんですケド」と聞くと、「あぁ、すぐそこ」とのこと。木々に隠れちゃっている町なのかな?と思いそのまま道を下る。10kmほど行った所で、先ほど山の上から見えていた村に出た。時刻はすでに18時近くで、そろそろ日も暮れ始めてきた。Loretoまでは、あとどれくらいかかるんだろうと思って、再び「Loretoへ行きたいんですケド」と、道で立ち話をしていたおじさんたちに聞いてみると、「ここから車で15分くらい、自転車だと1時間半くらいかな」とのこと。えぇ、さっきの木こりのおじさんは、すぐそこって言ってたのに・・・う~ん、車の感覚で距離を捕らえている人の言うことは鵜呑みにしちゃイケナイですな。車では<すぐそこ>でも、自転車では<だいぶ先>。

 幸い、この村に一軒だけ、<ホテル>と書かれた名もないホテルがあったので、今日はそこに泊まることに。久々に、洗濯もせず、飯を食ってバタンキューで寝てしまったのであった。