Acro Iris→ChanChan→Huanchaco→arregla bicis
ドラゴンのワカ→チャンチャン遺跡→ワンチャコ海岸→徹夜の自転車整備

2009.09.03 / Peru (Trujillo) 本日自転車80km走行 : Total 13204km走行
天気:霧雨 自転車折りたたみ:1 パンク:1 ネット接続:1
朝飯→ソパ 昼飯→セビチェ 夕飯→ポヨプレート / 宿→Casa de Ciclista ルーチョさん宅(フリー)

(English)
  Today I went to many point around trujillo.



(Español)
  Yo fui a mas lugar.
 今日もTrujillo観光。もちろん自転車で。まず昨日からのワカつながりってことで、ドラゴンのワカと呼ばれる<Huaca Acro Iris>へ向かう。2日前Trujilloに入ってきた道を逆走。北からTrujilloに入るパンアメリカン沿いにあるはずなのだが、2日前に通った時には発見できなかったのだ。今日も、この辺にあるよと言われていた場所を大幅に通過。おかしいなぁと思って戻ると、目立たない建物の壁に<Huaca Acro Iris>と書かれた文字を発見。う~む、これは分かりづらい。

 ここでチケットを購入。学割で6ソル。このチケット4枚つづりになっていて、ここドラゴンのワカと、チャンチャン遺跡、チャンチャン遺跡の博物館、Huaca Esmeraldaの4つに入場できる。早速ドラゴンのワカに入ったはいいが、朝早いせいか、人は誰も居ない。そして、目の前に広がる土の壁。うむむ、この遺跡は土の壁があるだけなのかいな?と思ってコーナーを曲がると・・・ありました、見事な壁彫が。ディフォルメされた動物達がかわいい見事なデザイン。好きなんですよぉ、こういうデザイン。もちろん、壁の中にも入ることができ、ここにも見事な壁彫が綴られていたのでした。

 素敵なドラゴンのワカを見た後、いよいよChanChan遺跡へ。太陽のワカ・月のワカを建造したモチェ時代の後、ペルー全土に影響を及ぼしたワリ国家の統治を経た後、誕生したチムー王国。このチムー王国の都として栄えたのがChanChanなのだ。とにかく20kmにもおよぶ広大な遺跡というこのChanChan、どんだけでっかいんだと思いつつ、自転車を走らせる。途中で見かけた博物館に先に入った後(あまり見るべきものは飾っていなかった)、そのまま道を進んでいると、ワンチャコ海岸に向かう道沿いにでっかく<ChanChanはこちら>と書かれた看板を発見。矢印の方を見ると、広大な砂漠が広がっており、小高い山のようなものがいくつも。脇道を入っていくと、小高い山では、何人もの作業員が遺跡修繕作業らしきものをしているのが見える。おそらくこの辺一体がChanChan遺跡なのだろう。そう考えると確かにデカイ、広い。さらに奥に進むと、バスやらタクシーが止まっている建物が見えてきた。遺跡の入り口だ。ここの売店の裏に自転車を止めさせてもらって、入場。入り口近くで、ガイドはいらないか?と言われたが、一人でゆっくり楽しみたい、と断る。土の壁で仕切られた遺跡の中には、まさに、町が広がっていました。広場、催事場・・・今は何もないただっぴろい空間ですが、何十人、何百人という人で溢れた活気ある当時を想像すると、ワクワクしてきます。ところどころで見られる壁面のレリーフも、主張し過ぎない落ち着いた繰り返し模様で心地よい。ただ、全面土色で覆われているこの遺跡、奥へ奥へと進めるのだが、だんだん飽きてきた。月のワカのように、ハッとするような壁画があったりすると、楽しいのだが・・・ちょっと衝撃度が弱いのが残念。というか、月のワカの衝撃度が強すぎたのかも。ここにも、きっと当時は、月のワカで見たような壁画が描かれていたんだと思うんだけど、この遺跡は完全に風化しちゃって、土台しか残されなかったんだろうなぁと思いながら歩く。今、壁として積まれているモノも、おそらく修復作業をしたからこそ、この状態なわけで。ちなみに、未だに遺跡内ではおばちゃんたちが、土嚢を少しずつ塗るという修復作業をやっていました。

 ChanChan遺跡を出て、ワンチャコ海岸へ。自転車移動は、こういう近距離でいろんなところに行きたい場合に威力を発揮するのです。ちなみに、今日自転車移動しているこのコース、ツアーで頼むと20ソルって言われました。ワンチャコ海岸に着いたのがちょうどお昼。お腹も空いたので、昼ごはんを食べることに。で、オーダーしたのが、セビチェ。前回アマゾンで食べた時微妙だったセビチェ、おいしいという噂の海岸沿いではどうなのか・・・モグモグ・・・うん、確かに、アマゾンで食べた時よりはおいしい。でも、やっぱりセビチェは、レモンが効き過ぎていて、個人的には好みじゃないです、残念。スッパ辛くて、面白い口当りなんですけどね。

 食事を済ませ、ワンチャコ海岸へ。葦で作られたカヌーが海岸に並べられていて、なんとも風情がある海岸。海を見ると、サーファー達で溢れる波うち際の奥に、このカヌーに乗って魚を捕る漁師の姿。いい風景です。しばしボーっと海を眺めて時間を過ごしたのでした。

 さて、もう一つ、Huaca Esmaraldaという遺跡にも寄ってから帰ろうと思っていたのですが・・・これが見つからなかった。ChanChanほど大きな遺跡であれば、道案内板も出ているのですが、その他の遺跡って、案内板がなかったりする。インフォメーションや、ツアー案内でもらえる地図って、郊外のことはアバウトにしか書いていないので困る。町の人に聞いても、意外と「そんなところ、知らないなぁ」って言われたりするし。ということで、Huaca Esmeraldaは諦めたのでした。

 ルーチョさん宅に戻り、夜、部屋でアメリ達とおしゃべりしていると、9時ごろ、ルーチョさんが「時間が空いたから、自転車見ようか?」と声をかけてくれた。実は、ここんところ、またギア周りがおかしくなってきていて、一番ハイもしくは、一番ローのギアに入れて走っていると、たまにチェーンが外れたりするようになっていたのだ。そこで、自転車工房を営んでいるというここに到着した時から、ルーチョさんに「時間が出来たらでいいので、僕の自転車をチェックしてください」とお願いしておいたのであった。自転車を工房に入れ、台にセット。ルーチョさんに「チェックして欲しいところは?」と言われ「ギアをお願いします。たまにチェーンが外れるんです」とお願いする。後輪を回しながら、ギアを入れ替え、さらに、後ろから見てみたり・・・どうやら、スプロケットが内側に曲がってしまっているのが原因のよう。たぶん、チェーンリングを無くしたときに、無理やり走ったのがいけなかったんだろうなぁ。歪みを直してもらって、ワイヤーのテンションを調節してもらい、ギアは問題なく切り替わるようになったのでした。

 これで終わりと思ったオイラ、これから一晩中修正作業が続くなんて思っても見ませんでした・・・

 タイヤを回しながら、ルーチョさん「リムの変形が気になるな」と。そこで後輪をはずし、タイヤ台に乗せ、ニップルを回しながら、リムの歪みとり作業が始まった。ルーチョさんの作業、オイラがやっていた適当歪み修正とは大違いの、緻密な修正。ミリ単位でズレをみてくれている。長い時間がかかって、歪みとり完了。タイヤ台からはずし、左右の手で後輪の軸を持ち、クルクル回しながら回転の様子をみていたルーチョさん「タイヤの回りに違和感があるな」と。そして始まったのが、後輪の分解。専用のレンチとチェーンを使って、ギアカセットを取り外す。さらに、リングに填っている部品を外し、デグリーザーで洗浄していく。「ヨシ、パーツクリーニングはどれくらいやってないんだ?」「・・・メヒコを旅してからやってません」「は~」ルーチョさんに呆れられるほど汚れたままだったパーツたち。すみません、パーツの洗浄方法よく分からなかったもので・・・で、作業を続けるルーチョさん、ベアリングのボールまで一個一個取り出すほどの徹底した分解。そして、「この部品が歪んでいる」と一番奥にあり、ベアリングのボールと接触する部品を取り出して見せてくれた。が、オイラにはどう歪んでいるのか、微妙すぎてわからない。「これが歪んでいない部品だ」と比較して見せてもらい、ようやく、なんとなく、歪んでいるような気がした。この部品を取替え、組み立て。組み立て終わり、自転車に止める軸棒を差し込もうとしたところ、ルーチョさん「スムーズに差し込めないな」と。確かに、パンクして、タイヤをはずす時、だんだん軸が引っかかるようになっていたのは気になっていたのです。で、軸棒が曲がっているのかと、別の軸棒を差し込んだりして試したのですが、どれも引っかかる。どうやら、軸棒を通す管軸の方が歪んでいるみたい。まぁ、いいですよ、と言おうと思ったのですが、ルーチョさん、再び分解作業を始めちゃいまして。またバラバラの状態に。そして、取り外した軸管、たしかに、机の上で転がすと、ガクンガクンして、うまく転がらない。「これも交換だな」と別の軸管に取替えて、組み立て。いやぁ、正しい自転車のあり方を、時間をかけ、緻密な作業で、調整してくれているルーチョさんの姿を見ていて、へたばった自転車に無自覚で乗り続けていた自分がなんだか、恥ずかしくなってきちゃいました。そして、「もう遅いですから、それくらいでいいですよ」と言おうとしていた自分が。7年も付き合おうとしている自転車の悲鳴を、きちんと聞けるようになんなきゃ。動くから大丈夫だろう、と慢心し、真摯な態度を取れなくなっているのを反省しなきゃ。って、なんだか、倦怠期を無自覚に過ごし、恋人に別れ話を持ち出されてから、ようやく気づいて猛烈に慌てている時の気持ちみたいだな、こりゃ。

 後輪が終わったところで、ルーチョさん「当然前輪も」。後輪より歪みが激しいリム歪みの調整から始まり、こちらも、部品レベルまで分解。ベアリングに相当する部分がガクガクしちゃっているので、交換することに。だいぶ自転車部品の繊細さが分かってきたオイラ、手で触って歪み具合が分かるようになってきたのでした。ただ、この部品は今手元にないとのことで、明日、お店に買いに行くことに。ということで、前輪の修正作業は一旦お預け。

 そして、ブレーキワイヤーのほつれが気になったルーチョさん、ワイヤーの取替え作業を開始。ワイヤーは予備で持っていたので、自分のワイヤーを持ってくると、「これは、ギア用のワイヤ。ブレーキワイヤーは違う」と。しかも、インナーワイヤーだけでなく、前輪ブレーキは、アウターワイヤーも交換しなきゃということで、結局ルーチョさんに部品もお願いすることに。後輪ブレーキを調整して、前輪はワイヤーの張替えだけして、修正作業は一旦終了。時計を見たら、明け方4時であった。7時間も、ぶっ通しで作業をしていたことになる。オイラは見ていただけだけど。でも初めて見たパーツレベルの分解作業。自転車ってこうなっていたのか、と勉強させていただきやした。そして、もっと労わりを持って接しないとイカンな、と自転車と真剣に向き合う気持ちを新たに抱いたのでした。