(English)
Today I went to Pastoruri. I have never seen such a beautiful scene!
(Español)
Hoy fui a Pastoruri. Que bueno!
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朝、宿の4階から素晴らしいブランカ山群の景色を拝む。天気は快晴。昨日の雨がウソのようだ。さて、今日は、パストルリというところへ氷河を見に行くツアーに参加。Huarazからちょい南へ下ってアンデスの山の中へ入っていくというこのツアー。手軽に氷河が見れるなら、行ってみようか程度の軽い気持ちで申し込んだのですが・・・これが想像以上に過酷で、想像以上に素晴らしいモノだったのでした。
朝9時にタクシーが迎えに宿へ。オイラをピックアップした後、何軒か別の宿を巡り、ツアー参加客をピックアップしてまわる。タクシーがいっぱいになったところで、セントロ近くのバスターミナルへ。ここで、30人乗りの大型バスに乗り換える。席は満席。今日のツアーは、30人という大所帯で巡るようです。
Huarazを出発したバスは途中から未舗装道へ突入し、延々砂利道を走る。大型バスってこんな道でも、意外と揺れないんですねぇ、ふ~自転車とは大違いだ、なんて思いながら乗っていると、レストランに到着。朝食休憩らしい。がオイラは朝食は済ませてきてあったので、とりあえず、コカ茶だけを頼む。コカ茶とは、コカインの原料となるコカの葉を煎じたお茶。高山病予防によいという。これから5200mもあるパストルリへ向かうので、しっかり飲んでおきました。このコカ茶、アンデスでは一般的な飲み物なんです。コカの葉もその辺の店で簡単に買えるんですヨ。
ツアー客の全員がコカ茶を飲み、高山病予防をした後、バスは出発。しばらく走ると、パトコチャという湖に辿り着いた。遠くにブランカ山群が望めるいいポイント。ここで、しばらく休憩した後、向かったのは<Agua Gasiticada>というガス入り水が湧いているところ。水が湧いているところはたくさんあるのだが、炭酸ガス水が湧いているところは珍しい。生水なので、あんまり飲むとお腹を下しそうなので、ちょこっとだけ味見。うむ、普通の炭酸水だ。それにしても、このツアー、氷河を見に行くツアーなのだが、途中で、いろいろ素敵なポイントを見せてくれる。いいツアーです。
<Agua Gasiticada>の次に停まったのが、ものすごく透明度の高い湖のほとり。メヒコのユカタン半島で見たセノーテを思い出させるキレイな水でして。湖の底までくっきり見えるのだ。そしてこの素晴らしい湖の周辺には、見慣れない高山植物が・・・結構標高高いところまで上ったこの辺、周囲にはプーヤライモンディという妙な植物が生息しているのであった。
バスはさらに高いところへ上っていく。どんどん深みを増していく空の青さに見とれていると・・・遠くに白い河のようなモノが見えてきた。氷河だ!そして、バスが停まった。氷河はまだ1kmくらい先にあるように見えるのだが、バスが入れるのはここまで。ここからは歩きらしい。バスから降り、四方をブランカの山々で囲まれている素晴らしい大パノラマ風景に感激。なんだ、ココは、早速スゴイぜ!あの氷河のところからの眺めは、もっとスゴイんではないのか?よぉし、がんばって向かうぞと、意気揚々と足を踏み出したはいいが・・・そう、ここは標高5000mの世界。バスでヒョイッと来ちゃったんで、平地の感覚で動こうとしたら、体が思ったように動かない。空気が薄く、すぐにゼイゼイと息切れしてくるのだ。普段ならば1kmくらいへっちゃらなのだが、ここでは果てしない距離に思えてくる。人生初の5000mという標高での歩行。いやぁ、何度か経験した高度4000mとはまったく異なった世界です、ここは。
息も絶え絶え、ようやく辿り着いた氷河の麓。いやぁ、スゴイ、凄い、すごい。目の前に迫り来る氷河、そして振り返るとすぐソコに見えるブランカ山群。自分が知っているどんな景色にも当てはまらない、そして、どんな景色よりも美しい・・・いや美しいなんて言葉じゃ言い現せないな、なんて形容したらいいんだろう・・・とにかくオイラの表現言語を超えた絶景が広がっていたのでした。ホント、この地球にはまだまだ想像を超えた、驚かされることがいっぱいあるようです。これだから旅は終われない。で、こんな絶景を見たら、歩きの辛さなんて吹き飛んでしまいまして。テンションが上がる上がる。調子に乗って、氷河の上に登ろうとして、氷河の麓から氷に足をかけ5、6歩登りかけたところ・・・ガイドのオジさんから「上っちゃダメ」って怒られちゃいました。えぇ~以前は上れてたみたいなんだけど・・・登るの禁止になっちゃったのかな?溶けつつある氷河は今や貴重なモノなの・・・?どうやらアンデスの氷河、地球温暖化の影響で、毎年20mも後退しているそうなのです。このパストルリ氷河も、そのうちなくなってしまうかもしれないとのこと。ひょっとして、このまま温暖化が進むと、ブランカ山群が白くなくなっちゃうってこと?それは大変!こういう素晴らしい景色に出会い、この景色はオレのモンだって思い込んだら、この素晴らしい景色が失われつつあるという現実が、自分の問題のように思えてきた。
そうそう、オイラは旅をしながら<ワールド・イズ・マイン>な感覚を得つつあるんです。傲慢な感覚なんですが、特に、轍を残しながら自転車で走るという行為は、そういう感覚を強く心の中に発生させると思う。そして、この実感、たまらなく快感なんです。この快感をぜひ、オイラのWEBを見てくれている人たちにも感じて欲しいって思うんだけど・・・文字や映像だけでは伝わらないんだな、きっと。この思いを抱いてもらうには、自転車で世界を走ってみてね、としか言えないのだろうか?
メディアを介して、この<ワールド・イズ・マイン>感覚を伝えることが出来れば、環境問題は一つの解決点へ向かうような気がするのですよ。環境問題って、<失われつつある自然は”ワタシのモノ”なんだ>という意識を持つことから始まる。他人のモノやみんなのモノではなく、”ワタシのモノ”。この感覚、今のメディアを介しての距離感では得づらい。テレビやWEBを見てこの現実を知ってもらっても、オイラが今抱いている感覚にはなれないと思う。これが今のメディアの限界。次世代のメディアは果たして、この感覚を抱かせるモノとなるのであろうか?インタラクティブ、臨場感なるものが、”ワタシのモノ”感を想起させることになるのか?はたまた他のファンクションが、この感覚を想起可能にしてくれるのか?
ああ、なんかこの世のモノとは思えない、想像力と表現力を超えた絶景を見た感動をどうやって伝えたらいいのだろう、と悩んでいたら、話が変な方向へ行ってしまった。
さて、話は戻って、素晴らしすぎるパストルリでの時間はあっという間に過ぎてしまい、ガイドのオジさんの「バモノス(行くぞ)!」という声。戻り始めたのですが・・・氷河ポイントでテンション上がりすぎ、はしゃぎまくってしまったためか、氷河ポイントからバスが止まっている場所に行くまでが、上る時に増して大変だった。頭がクラッとしてくるわ、お腹が張ってくるわで、ヨロヨロと歩くのが精一杯。実は氷河までのポイント、馬に乗って乗り降りするサービスもあるのですが・・・帰りはよっぽど馬に乗せてもらおうかと思ったのでした(結局歩きましたが)。
だいぶグロッキーな状態でバスに乗ったのですが、バスが走り出し、高度が下がってきたら、体調も戻ってきた。うぬぬ、5000mの世界、なめたらあかんぜよ。さてさて、次第に暗くなり、夕暮れのアンデスを窓の外に見ながら、バスに揺られ、19時に宿に到着。今日はあまりにも素晴らしい絶景を目の当たりにしたもんだから、戻ってきてからも興奮が冷めやらず。普段はテントに入るとあっという間に寝てしまうオイラも、今日はテントに入ってもなかなか眠れなかったのでした。
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