Una línea del límite
山間部と海岸部の境界

2009.09.18 / Peru (Cajacay~Huaura) 本日自転車156km走行 : Total 13803km走行
天気:晴れのち曇 ネット接続:1
朝飯→パン 昼飯→ポヨ 夕飯→タラリン・サルタド / 宿→Hospedaje:名前なし(10ソル)

(English)
  Today I arrived Pan American Highway.



(Español)
  Llegué Pan American Norte.
 今日は一気に山下り。順調にいけば、山間部とお別れし、海岸部へ到達する予定。朝6時過ぎに宿を出発し、坂を下り始める。昨日交換した後輪の新品チューブは今日も調子がよい。ブレーキをキュッキュと効かせてもパンクの気配なし。いい感じで一気に山下り。午前中で80kmくらい走れてしまった。この後、海岸部に出れば、平坦な道が続きそうなので、一日の最高走行距離記録を叩き出せそうな感じ。これは、がんばってみるべきでしょ、と気合を入れ、普段ならペダルを漕がず、引力に任せて下る下り坂を、ペダルを漕ぎながら進むのであった。

 下り坂が緩やかになってきたと同時に、目の前の渓谷が雲に包まれてきた。ペルーの西海岸沿い、特にリマ周辺は、冬の間ほとんど毎日曇りばかりという。なぜそんな場所が首都になったのか・・・?インカがスペインに負けた時、沿岸で交易に適した素晴らしい土地ですよ、とウソをついて、スペインに捧げた土地がリマ。本当は、曇ばかりで嫌われた土地だったという。占領軍スペインに対するささやかなインカの抵抗。こんな逸話があり、冬季に覆われるリマ周辺のドンヨリした曇空は、インカの呪いが原因というらしい。なんだかロマンを感じるさせる、いい話じゃないですか。

 ということで、この雲が広がる地域は、もう海岸部。そう、この目の前に広がっている雲の始まりのラインが、山間部と海岸部の境界ってこと。青空が広がる山間部から、雲に包まれたモヤッた海岸部へ一気に突入です。ドンヨリした渓谷道をひた走り、ついに海岸線を走るパンアメリカンハイウェイに合流。久々のパンアメリカンだ。このまま南下してリマへと行きたいところではあったが、実はこの合流地点からちょっと北上したところに<パラモンガ遺跡>というチムー時代の要塞跡があるのだ。パンアメリカン沿いにあるというので、ちょっくら寄ってみることにした。6kmほど北上すると、見えてきました茶色いアドベ(日干しレンガ)で作られた大きな建造物。チャンチャン遺跡に代表されるペルー北部沿岸に勢力を持っていたチムーの最南地点に、南方からの敵に備える最前線基地として建てられたここパラモンガ要塞、ちょっくら寄ってみるかくらいの軽い気持ちで来たのがよかったのか、高さ30mにも及ぶ要塞の荘厳さに思わず見とれてしまったのであった。

 パラモンガを堪能した後、再び先ほどの合流点まで戻り、リマへ向かって南下開始。近くにあったレストランで腹ごしらえをして、走行距離記録を打ち立てるべく、気合を入れて走り出したのであった。が、海岸線に出たと同時に吹き付ける向かい風がいやらしく、なかなか前に進めない。午前中のペースとは比べ物にならないくらいゆっくりペースで、前進。途中、バランカという町を通過し、スーぺという町に出た。

 このスーペという町近くにあるスーペ谷という渓谷に、南米大陸最古の遺跡なのでは?と考えられているカラル遺跡という遺跡がある。遺跡好きとしては、そりゃ、訪れておきたい遺跡なワケで。ただ、このカラル遺跡、パラモンガと違い、パンアメリカンからだいぶ山方向に入った場所にあるのだ。地図によるとスーペの町から27kmほど内に入った場所らしい。うむむ、ここスーペで泊まってカラルに行こうかとも考えたのですが、このカラルに行くにはもう1本道があって、それが、パンアメリカンをもうチョット南下したワウラという町近くにある脇道から向かう道なんです。こちらの道からだと脇道入ってからカラルまで24kmほど。今日は最長記録がかかっていることだし、脇道の未舗装道路は短い方がいいか、という判断で、今日は先にあるワウラまで走り、明日ワウラに荷物を置き、自転車のみでカラルに行くことにしたのでした。

 ということで、スーペの町を出て、相変わらず吹き荒れる向かい風と戦いつつ、ゆっくりと前に進み、なんとか日暮れ前にワウラに到着。GPSの距離計を見ると走行距離160kmと表示されていた。おぉ、160kmとは・・・一日の最高走行距離としては、大幅に記録更新。後で、距離データにノイズフィルタをかけたところ結局走行距離は156kmだったんだけど、それにしても今日はよく走った。さぁて、明日は、一日かけてゆったりのんびりとカラル遺跡巡りをするとしよう。