Deseo serio
11年越しの悲願

2009.10.15 / Peru (Palpa~Nazca) 本日自転車53km走行 : Total 14530km走行
天気:晴 自転車折りたたみ ネット:1
朝飯→パン+バナナ 昼飯→Arros Chuafa 夕飯→ポヨ / 宿→Friend's House(15ソル)

(English)
  I saw Nazca Lines from tower along Pan American Highway. This was fantastic view!.



(Español)
 Yo llegue a Nazca.
 いよいよNazcaまで50km。いつもより遅い時間にセットした目覚ましで目を覚まし、7時半に出発。Palpaの地上絵、セスナに乗らないと見れないと思っていたのだが、どうやらミラドールが存在するらしい。ただ、そのミラドールの場所がよく分からない。ロンプラにも載ってないし、富永マップにも書かれていない。そこで、宿のおじさんに、聞いてみると「7kmほど先あたりにあるから、そこで、また人に尋ねてみろ」とのこと。Palpaの町を出発して、7km走り、ちょうど居たおまわりさんにミラドールの場所を聞いてみたところ「もうちょっと行ったところの右側にミラドールに続く道がある」と教えてくれた。しばらく走っていると・・・右側に未舗装の道が見えてきた。どう見ても高台に続いていない道なのだが、一応行ってみるか、と脇道へ。しばらく進むと、一人のおじさんを発見。「この道はパルパの地上絵が見えるミラドールに続いているのか?」と聞くと、「それはあっちにあるぞ」と、もと来た道を指差すではないですか・・・う~ん、通り過ぎてしまったのか?相当注意しながら走っていたのだが・・・そして、おじさん「右側に続く道があるからね」と。うん?右側?おじさんが指した方向は、Palpaへ戻る道。その右側ってことは、今まで走ってきた方向からすると、左側。えぇ~、ひょっとして左側にミラドールに続く道があったのぉ!そりゃ、見落としますよ(涙)。意外とアップダウンのある道、戻るのはしんどい。しかも、ミラドールはパンアメリカンからさらに入り込んだところにあるっていうし・・・Palpaの地上絵を見るのは諦めて、Nazcaへ向かうことにしたのでした。

 そのまましばらく走っていると、<Museo Maria Reiche>の看板を発見。Maria Reichさんは、ドイツ生まれの女性考古学者で、ナスカの地上絵に魅せられ、この地上絵に生涯を捧げたそうです。そして、このMuseoは彼女の生活していた家をそのまま博物館にしたもの。土器などの遺物が並べられているだけの博物館に食傷気味だったオイラですが、この博物館は久々にドキドキ。なんでかというと・・・もちろん、土器などの出土品も展示されているのですが、この博物館、研究者としてのMaria Reicheの足取りを感じさせる展示がなされているのです。当時の様子をそのままにしてある研究室などが公開されているし・・・なんといっても、興味深いのは、おそらく彼女が計測して書き取ったであろうと思われる手書きの地上絵の図表。こういうの大好きなんですよねぇ・・・しばし時間を忘れて眺めてしまいました。

 <Museo Maria Reiche>を後にして、上空でセスナ機がブンブン飛んでいる中、走ること20分。見えてきました、鉄柱で組まれた高さ20mほどの展望台。ここ、ここなんです!11年前、ペルー・ボリビア旅行のツアーに参加して、セスナに乗ってナスカの地上絵を見たのですが、その時、真下にパンアメリカンが見えて、しかも、地上絵のすぐ傍を走っているということに驚きまして。空から見る地上絵に感激した後、心の中にムクムクと、あのパンアメリカンから地上絵を見てみたい、という野望というか、想いが沸き起こってしまったのでした。その想いは、この旅に出る時に、当然のごとく強く思い出されまして。<パンアメリカン沿いの展望台からナスカの地上絵を見る>ということは、ペルーで実現する目標の一つとなったのでした。

 そんな展望台が、目の前に・・・あぁ、なんか体が震えてきます。展望台下に自転車を停め、1ソル払って、階段を登る・・・ヤバイ、こんなに期待しちゃったら、きっとガッカリすることになる、と思いながらも、期待を止めることは出来ず、ドキドキしながら、階段を登るのでした。そして辿り着いた展望台のトップ。そこから見晴らした景色は・・・いやぁ、感動しました。地上絵に感動したのか、11年越しの悲願が達成できたことに感動したのかよく分かりませんが、気持ちがたかぶり、思わず涙がポロリです。潤んだ目の前に<木>と<手>が見えます。地上からはただの凸凹にしか見えないのに、たった20m登っただけで、輪郭を現す地上絵。いやぁ、ホントに紀元前800~紀元後200年頃に描かれたモノなんでしょうか?見事すぎです。誰が何のためにというのは謎に包まれたままの地上絵ですが、これは、きっと、当時の測量士の技術を競うコンテストの跡なんじゃないかなぁと思うんですよ。王様が落書きしたハチドリとかコンドルを地表に100倍したスケールで描いてみなさいコンテスト。出来上がりはきっとやぐらを組んで、この展望台みたいなモノを作り、その上から眺めて批評していたんじゃないのかなぁ。

 いやぁ、満足です。そして、今回セスナはパスです。多分酔うだろうから。

 すっかり心が満たされ、展望台を後に。広がるナスカの荒野を見、その奥に描かれている地上絵を想像しながら、走ってNazcaの町へ向かう。それにしても、灼熱の炎天下、見渡す限りの荒野。こんなところに文明を発生させたナスカの人たちは、ちょっと変です。人が住むところじゃないですよ、ここは。

 さて、昼過ぎにNazcaに到着。宿のチェックインをすませ、そそくさと病院へ。Icaで受けれなかった狂犬病の二度目の予防接種を受けようと思ったのですが・・・Nazcaにもないとのこと。「この辺だとIcaに行かないとないわよ」・・・再びふりだしに戻る。

 そして、次に向かったのはバス会社のオフィス。この先、アレキパに向かうことにしたのですが、Ica~Arequipaルートは、あまり見所がなさそう&海風が大変そう。ここは思い切ってバスワープしちゃえと思いまして、バスチケットを購入したのでした。さらにその先、クスコまでは、アンデスの山越えが大変そうだから・・・これまたバスワープしちゃおうかなぁ