Huelga y Buena Onda en Bolivia
ボリビアにおけるストと良心

2009.11.9 / Bolivia (Copacabana~Tiquina) 本日自転車42km走行 : Total 15496km走行
天気:晴 パンク:1
朝飯→パン+バナナ 昼飯→トゥルーチャ 夕飯→ポヨ / 宿→インディヘナオバちゃん宅物置(25ボリ)

(English)
  Today I left from Copacabana. I wanted to go to La Pas. But I can't reach at La Pas.



(Español)
 Hoy yo salio de Copacabana.
 昨日の夜、宿代を清算しようと宿のオバちゃんに「明日出発します」と話したら、「明日はムリよ」と予想外の返事。「明日はムリって・・・なんでです?」と聞くと、どうやらバスがストらしい。いや、オイラは自転車で旅しているんで、と話すと、オバちゃん「あぁ、だったら問題ないわね」と。ボリビア、結構ストとかデモが多いらしく、こういうことはしょっちゅうあることみたい。バスで旅している人、大変だなぁ、その点、オイラは自転車だからねと、この時ばかりは自転車で旅していることを、ちょいと得意げになったのですが・・・それがそうでもなかったことに気づくのは、実際に走り始めてからのことなのでした。

 さて、コパカバーナからラパスまで150km。一日100kmを目安に走っているオイラとしてはなかなかの長距離。ただ、最近、平気で120kmとか130kmとか走るようになったので、まぁがんばれば辿り着くかなと、一気に行ってしまうことにした。朝5時に出発することにしたのだが・・・時差を計算し間違えた。ボリビア時間で5時といえば、ペルー時間で4時。辺りはまだ真っ暗。ただ、5時半くらいになると、明るくなりはじめたので、出発することにした。

 コパカバーナからはしばらく上りが続いた。チチカカ湖の湖岸を走っているのだが・・・湖ってそもそも山に囲まれて出来ているため、湖岸の道といえど、ほとんど峠道。キツイ上りが続いたかと思うと、楽な下り坂があったり・・・かなりアップダウンの激しい道が続くのだ。

 まぁとにかく、今日は150km走らねばと、気合を入れて走っていたのだが・・・途中、道に木が倒れていた。幸い今日、バスはストなので、バスが通らない。バスが通る日だった大変なことになっただろうに・・・と思いながら、倒れている木を迂回していて、フト切り株に目をやり、気づいた。これは、偶然倒れた木じゃない。ワザと倒した木なんだ!その証拠に切り株は明らかに電ノコで伐られた跡があったのだ。ストってここまでするのか!?バスのストと聞いていたが、これでは、車も通れない。ひょっとしてこれは、道路完全封鎖デモなのでは?とこの国のデモの激しさにちょいとビビリはじめたのでした。

 とりあえずこの木は回避してしばらく進むと、また同じように木が切り倒されている。しかも、今度はご丁寧に、木の周りに、石までまいてある。これはひょっとして・・・ある不安が胸をかすめた。実はこの先、道路がチチカカ湖で分断されており、渡し舟でしか通れない箇所があるのだ。これは・・・渡し舟が出ていないのでは?

 その予感は見事に的中した。渡し舟の町に近づくと、すれ違う人が「ノー、パサ(進めないよ)」と忠告してくれるようになったのだ。で、町に到着すると・・・船はあるものの、岸につけられたまま。人々は広場に集まって、なにやら演説を聞いている。きっとデモについてのお話なんだろう。そして、町で人が居るのはその一角だけ。ほかは子供が遊んでいるくらいで、店はシャッターが閉められ閑散としている。う~ん、ストって町も機能しなくなるようです。なんとか、小船で渡してもらう手段はなかろうか、と何人かに聞いてみたのだが、皆「オイ、ノー、バルコ(今日は船出ないよ)」。まぁ、こうなってしまったら、しょうがない。渡れないものは渡れないのだ。ではここで宿をとるか、と聞いてみるも、なんか宿もあることはあるが、やっていない様子なのだ。渡れないことはそんなにショックではなかったが・・・宿がないことを聞いて途方にくれたのであった。う~ん、暗くなってから湖岸にテントでも張るかァと思うも、ただ今朝の10時。延々ここでボーっとしていなきゃならないのも・・・辛い。

 どうしようかなぁと、どうしようもないのだが、悩んでいると、一人のインディヘナのオバちゃんが声をかけてきた。「渡りたいの?」「ええ」「でも今日は船は出ないわよ」「さっき聞きました・・・で、今日、眠れるところを探しているんです」「そう、私のところへ来なさいよ」「!?」いいんですかっということで、ありがたいことに、オバちゃんのところに泊めてもらうことになりました。「物置なんだけど、いい?」「ええ、もちろんです!」いやぁ、ボリビアの人もいい人達です。ボリビア3日目にして早くもボリビアの良心と接することができちゃいました。

 さて、お借りした物置は、電気も使えまして、足止めをくらった今日ですが、セッセと、パソコン作業。時間が有効に使えてありがたいです。で、作業をしていると、12時過ぎに<コンコン>とドアをノックする音が聞こえる。なんだろうと思ってドアを開けると、さっきのオバちゃんが「お腹空いたでしょう」とトゥルーチャの定食を持って立っているではないですか!いやぁ、涙が出ました。大好物です、チチカカ湖のトゥルーチャ!あぁ、なんで今日、こんな日に動いちゃったんだろう、コパカバーナでおとなしくしていればよかったのにって一時は後悔したんですが・・・やっぱり旅は動いてナンボ。動かなかったら、こんな親切に出会えなかったですもん。オバちゃん、大感謝です!