Cidade do futuro
やっぱり素敵!ぶっとんでます、ブラジル建築。ザッツ・レトロフューチャー

2010.03.05 / Brasil (Brasilia) 本日自転車20km走行 : Total 17173km走行
天気:曇のち晴 自転車折りたたみ:1
朝飯→サンドイッチ 昼飯→ポルキロ 夕飯→ラーメン / 宿→Cury's Solar (35レアル)☆☆

(English)
 I like this town, Brasilia.



(Español)
 Me gusta este pueblo, Brasilia.



(Português)
 Eu gosto desta cidade, Brasília.
 朝起きると、今日は薄曇。青空も覗いてて、昨日のブラジリアとは雰囲気が一変。やっぱり、観光は晴れの日に限ります。晴れているのと晴れてないのじゃ、見えるものの印象がまったく変わるんだよねぇ。

 さてさて、今日まず向かったのは、クビチェック大統領記念館。ここ、ブラジリアの街に入るときに、横切ったのですが、その時は、自転車に荷物満載だったんで、素通りしてたんですよ。と、ブラジリアの街に入るときに誰もが目にする場所に、鎮座するクビチェック大統領の銅像。このクビチェック氏こそ、リオデジャネイロから、ブラジリアに首都を移した22代ブラジル大統領なのだ。「50年の進歩を5年で」という有名なスローガンをかかげ、ブラジルの近代化を一気に進めようとした人。内陸部の発展をもくろみ、強引に決行したブラジリアへの首都機能移転だったのですが・・・主要都市である、サンパウロ、リオから遠く離れたこの場所への移転は、当初、なかなかうまく機能しなかったようで、ブラジル経済に重い負担を強いてしまったみたいです。が、実際、砂漠だったこのブラジリアの土地に、首都を築いちゃったワケで。過去のない街に、国の機能をもってくるなんて・・・ヨーロッパでも、アメリカでもやられたことがない大事業をやってのけたのは、やっぱりスゴイことだったのでは、と思っちゃうワケなのですよ。

 銅像の下に広がる横に広い大きな四角い建物は、まるでクビチェック大統領の棺のように見える。まさに、現代の墳ですな。実際は、この中が記念館となっているのですが・・・

 その後、ボア・ボンタージ寺院へ。全ての宗教の枠を超えて世界平和を祈る目的で、建設されたという寺院。奇抜な7面のピラミッド型の建物が目印。中心の大通りから、外れた場所にあるのだが、近づくとすぐわかる。結構トリッキーな建物が多い、ブラジリアの街並みの中でも、異様に目立つ、そのいでたち。いやぁ、ブラジリアに求めていた異質な空間が姿を現しはじめ、だんだん、テンションがあがってまいりました。このピラミッド建物、瞑想空間なんです。中は完全に吹きぬけ空間になってまして、ピラミッドの頂点から垂直に下ろした点である中心点から、螺旋状に道が描かれていて、礼拝者は、この螺旋状の道を辿りながら、中心へと歩く。で、この中心の上、つまりピラミッドの頂点には、世界最大と言われている水晶が埋め込まれているとのこと。クリスタルパワーが、螺旋道の中心に集まるようになっており、パワースポットであるここで、目をつぶって瞑想。正直、こういうの感じる力がないオイラなのですが、やってみると、意外とテンションが上がる。これがクリスタルパワーなのか?

 で、このピラミッド建築は面白かったんですが、寺院自体のコンセプトは、オイラ的にはイマイチ。なんか、高そうな寄贈品がここぞとばかりに飾られていたりと、きらびらやか感を演出しすぎた感じがちょいと鼻についてしまったのでした。

 さて、ボア・ボンタージ寺院を後にし、昨日、雨のため、ざっとしか見れなかった三権広場周辺へ向かうことに。それにしても、ブラジリアの真ん中を突っ切る大通り、この道に沿って見える建物は、ぶっ飛んだデザインのものだらけです。ここを歩いて見える風景は、まさにレトロフューチャー。50年前に描いた未来世界がここに見えるのです。いやぁ、やっぱりワクワクと心が躍ります、ブラジリアの街。

 そして、そんなぶっ飛んだデザインの建物中で、ひときわ異彩を放って見えてくるのが、建築家オスカー・ニーマイヤーの代表作と言われている、国会議事堂。この、あまりにも目立つこの建物、もちろん、昨日も目の当たりにはしていたんですが、やはり、晴れた空の下でみる、この建物は素晴らしい、の一言。中央にそびえ立つ28階建のビルの左右には、右側にお椀を伏せたカタチ、左側に受け皿のカタチの建造物。この、直線と曲線の絶妙なバランスのデザインが・・・惚れ惚れするのですよ。こりゃもう、いつまででも見ていたい建物。国会議事堂前に広がる芝生に寝転がって、時が経つのを忘れるほど、ぼーっと、見とれてしまったのでした。そして、気づいたら、なんともう夕暮れ時。夕暮れ時が最高に素晴らしいという話のブラジリア。確かに・・・ほのかにライトアップされはじめた、国会議事堂は、ゾクゾクするほど、素晴らしい景観に。ん~、なんだ、この建物フェチっぷりは?と、自分でも驚くほどの、魅惑されっぷり。

 ル・コルビジェとともに仕事をしたことがあるという、オスカー・ニーマイヤー。彼の設計する建物は、独特の曲線美によって構成された、異質感たっぷりのモノ。異質なものって、周囲との調和がとれずに浮くのでは?と思われるでしょうが、そこは、どっこい、異質パワーが桁外れに強いため、周囲を<異質である空間>色に染めてしまい、その異質であることが当たり前の空間を生んでしまっているのです。これは、土地があまりにも広いブラジルならではの空間の使い方に起因する部分も大きいとは思います。ブラジルならではの、オスカー・ニーマイヤー建築。いやぁ、ブラジルに来て、実際に目にできてよかったぁ。ブラジルの広さを感じてから、彼の建築を見ると、なんか納得感があるのですよ。このぶっとびデザイン具合にね。

 国会議事堂の横には、同じくオスカー・ニーマイヤーがデザインした<弓の宮殿>と呼ばれる外務省の建物がある。ガラス張りの建物に、弓形の柱。ここも夕暮れをバックに次第にライトアップされていく姿に、惚れ惚れ。

 昨日はどうなることかと思った、ブラジリアも、晴れた空の下、そして夕暮れ時にライトアップされていく国会議事堂を堪能できて、大満足。これで、心置きなくブラジリアを去れるってもんだ。宿代のかさむ、ブラジリア滞在は今日でおしまい。明日、カンポグランジ行きのバスに乗る予定です。

 そうそう、ブラジリアに向かうバスの中で見たオスカー・ニーマイヤーDVD、リオデジャネイロにある<ニテロイ現代美術館>をフューチャーして描かれていたんですよぉ。不時着した宇宙船のようないでたちのこの建物も見てみたい。リオに行ったら、絶対行ってみよっと。