Música brasileira
サンパウロに戻ると暇になったので、ブラジル音楽について調べてみた

2010.05.20 / Brasil (Sao Luis~Sao Paulo) 本日自転車0km走行 : Total 18210km走行
天気:曇時々晴 ネット:1
朝飯→パン 昼飯→ラーメン 夕飯→カレー / 宿→鹿児島県人会館(25レアル(15泊すると全部で250レアルに割引))

(English)
 I research about brasil music.



(Español)
 Investigo sobre música del brasil.



(Português)
 Eu pesquiso sobre música de brasil.
 長い待ち時間も、いざ、待っていたことが始まる時間になると、あっという間だったかなぁと感じてしまうのは、時間感覚の不思議なところです。

 飛行機は予定していた出発時刻を遅れて出発。飛行機に乗って椅子に座ったら、もういつの間にか寝てました。気付いたら空の上。再び寝たので、サンパウロまでの3時間半はあっという間。さて、サンパウロでは、再び、鹿児島県人会館にお世話になることに。朝早い便で到着するので、管理人のマリコさんが到着する前に、宿に着いちゃうかもしれないと、ただ今宿泊中のレン君に、もし早く到着するようだったら、門を開けてもらってもいいかな?とお願いしていたのですが、飛行機が遅れたのとか、荷物を受け取るのに手間取ったとかあって、鹿児島県人会館に到着したのは、9時半過ぎ。結局マリコさんに出迎えていただきました。

 さて、割とハードだったショートトリップを終え、サンパウロに戻ってきて・・・居心地のよい、ここ鹿児島県人会館で今日はノンビリ休養することに。休養すると決めたものの、ボーっとしていても暇なだけでして。じゃぁこの暇な時間を利用して、ブラジル音楽について調べてみようと思い立ったのでした。

 太鼓修行がこの旅のサブテーマなのは、HPをご覧いただいている皆さんはご存知だと思います。で、訪問する国々で、その地の音楽を聴いてまわっているのですが・・・ここ、ブラジルの音楽は非常に興味深い。というか、ブラジル音楽と一くくりにくくれないほど、多様なジャンルの音楽がここブラジルには存在している、ということに、ブラジルをグルッと回って気付かされたんです。自分の頭を整理する意味も含め、ちょっとブラジル音楽について調べてみたので、メモ程度に記しておきたいと思います。

 まず<サンバ>。ブラジルといえば、サンバでしょうと誰もが連想できるほどメジャーな音楽ジャンルです。リズム的に言うと、一拍目と四拍目にアクセントをおいたパターン。この単純で分かりやすいリズムパターンは、一聴すれば、あ、この曲サンバだって分かります。ただし、サンバもいろんな曲調がありまして。リオのカーニバルで使われるようなアップテンポなダンスサンバから、オヤジ系サンバミュージシャンがしっとりと奏でるサンバまで、ホント、幅広いです。で、オイラ、ブラジルに半年近く居るというのに、これぞサンバというド・サンバな音楽は実は生で聴いたことがありませんで。カーニバルも、結局リオに行かなかったし。中古CD屋で5レアルで購入した2009年のサンバパレードCDを聴きながら、フムフムとド・サンバにひたっている次第です。

 そして<ボサノバ>。これもかなりメジャーな音楽ジャンルですね。元々サンバのリズムから派生したといわれているボサノバ、リズム的にも、ベースのアクセントはサンバと同じ一拍目と四拍目。この上に独特のシンコペーションを取り入れたリズムパターンがかぶさり、サンバとは違ったニュアンスをかもし出しているものなのです。CD屋で試聴すると、テクノボサノバといって、アップテンポでダンスビートに乗ったボサノバ曲などもあるのですが、オイラのイメージ的には、ボサノバってゆる~い感じのオシャレな音楽。何人かのアーティストの曲を聴いてはみたのですが、イマイチピンとこないんですよねぇ、ボサノバ・・・

 お次は、<ノルデスチ>。これは北部、特にバイーア地方で演奏される、民族的リズムを取り入れたダンサブルな音楽。オイラがドはまりした、サルバドールでのカーニバルで繰り広げられる音楽は、このノルデスチ音楽にカテゴライズされるようです。ブラジル音楽の根源とも言われているジャンルで、新しいリズムは大抵ココから(ここ出身のアーティストから)生み出されることが多いとのこと。今、ノルデスチで熱いのが、<サンバヘギ>というサンバとレゲエを融合させたリズム。ナタカトシアでも、死ぬほど練習したこのリズム、力が漲ってくるパワフルなリズムです。で、バイーア音楽のアーティストとしては、オルドゥン、チンバラーダ、イリアイエというパーカッショングループは最低でも押さえておきましょう。チンバラーダのライブは、メッチャかっこいいですよぉ。また、レシフェ地方では、<マラカトゥ>という独特のリズムがあり、レシフェのカーニバルでは、マラカトゥのリズムを刻むチームがパレードするそうです。

 普通に聴ける庶民的な音楽として、<ショーロ>と呼ばれるポピュラーミュージックがあります。多分リズム的にはサンバ・ボサノバをベースにしているんだと思うのですが、ちょっとジャズ的要素が入っているような、音楽的には若干崩し気味で、洒落感を出している音楽です。ギター、カヴァキーニョ(小型4弦弦楽器)、フルート、打楽器、ベース、歌といった構成で演奏されることが多く、カフェミュージックとしてブラジルの人たちに広く愛されているようです。ショーロは、ライブを見に行って、ライブ自身はスゴク心地よく、いいものだったんですが、CDでジックリ聴く音楽かというと・・・オイラ的にはあんまりかなぁ・・・

 ポピュラーミュージックには<MPB>というのもあります。これは、Música Popular Brasileiraの頭文字をとったもので、ボサノバ以降、ロック、ヒップホップなどの要素を取り入れた新しい音楽ジャンルです。CD屋へ行くと、大抵このMPBゾーンが広く設けられてます。つい先日、ようやくCD屋で発見した、マルコス・スザーノ師匠のCDもこのMPBのコーナーに置いてありました。Vitor Ramilというブラジル南部出身のアーティストとの競作。もちろん買って聴いちゃいまして。現代的な聞きやすいポピュラーミュージックで、割と好み。日本人的には、サンバ、ボサノバというジャンルでブラジル音楽を聴いちゃうんだろうけど、おそらくブラジルの人、特に若者はMPBを聴いているんじゃないかな。サンバ・ボサノバって、日本で言う、ヨサコイ、演歌みたいなもので、ピロウズとか、宇多田ヒカルとか、アジカンとかに位置づけされる若者に人気のアーティストは、MPBのジャンルにいるんだと思います。

 そして最後に紹介するのは・・・オイラ的に衝撃的な出会いだった<ミナス音楽>。ミナス音楽というのはブラジルのミナス・ジェライス州で発展した音楽で、アフリカ伝来のリズム、土着のインディオの音楽、ポルトガル人が持ち込んだと思われるヨーロッパの教会音楽などの要素が混在したものらしいです。他のジャンルとは一線を画す、独特の音楽形態になっていまして。プログレ好きなオイラ、ミナス音楽は、プログレだ!と紹介するWEBページなどを見つけ、興味を惹かれてしまい、ミナス音楽を聴くならコレというお勧めの一枚<Minas>を中古CD屋で見つけ買ってしまいました。ブラジルの声とも言われているミルトン・ナシメントのアルバム。いやぁ、これは・・・なんというか、スゴイアルバムです。今まで聞いたことがないような音楽展開。完全にプログレですわ、これは。そして、すっかりミナス音楽に魅せられてしまったオイラは、ミナスについてググって調べてみたのでした。すると、オイラの好きなギタリストPat Methenyのアルバム<Still Life(Talking)>が、ミナス音楽のドップリ影響されて作られていたということが判明。なるほどなぁと思ったのでした。

 いやぁ、この多様なブラジル音楽は・・・ホント奥が深そうだ。