Mais Moai
イースター島3日目:モアイはSOS信号?

2010.09.02 / Chile (Isla de Pascua) 本日 自転車24km走行 : Total 21701km走行
天気:晴時々曇雨のち暴風 自転車折りたたみ:1 ネット:1
朝飯→パン 昼飯→ラーメンリゾット 夕飯→ツナパスタ / 宿→Camping Mihinoa(5000ペソ)

(English)
 Today I run by bicycle to see Moai. At night I saw a movie "Rapa Nui". This movie described history of Easter Island.



(Español)
 Hoy propongo a bicicleta para ver Moai.
 今日は日の出前に起床。しかし、雲が多すぎる空模様。日の出太陽を拝めなかったけど、朝日に彩られた雲が、これまたいい雰囲気をかもし出していたので、満足。

 さて、今日も朝、市場まで自転車を走らせる。魚売り場に行ったら、マグロの半身が売ってたのだが・・・ちょうど先客のオジちゃんが手に取り買っていってしまった。それにしても、マグロは、6500ペソ/kgだって。オジちゃんが買っていった半身は3kgくらいあったから20000ペソくらい支払ってた。ん~高い。その後、路上の野菜売りトラックを覗いていたら、トマト発見。1900ペソ/kgというトマト、2つだけ買おうと思って、おじちゃんに「いくら?」って聞いたら「ポケットに入れてもってけ」と。「え?」と反応したオイラに「サービスだよ、ハポネ」とオジちゃん。ありがと~、おじちゃん。イースター島の人たちはすごく親切だ。

 さて、とりあえず、朝食をハム&チーズで済ませた後、観光開始。今日は島北西の近場遺跡を攻める予定なのです。おととい訪れたタハイ遺跡を横目に見ながら、海岸線を自転車で走る。イースター島博物館に到着するあたりから、未舗装の砂利道に突入。ちなみに、博物館は、なぜか開いていなかったので、素通り。

 道沿いには、またまた、アフの遺跡がたくさん。アフだけの遺跡にはあまり興味がないので、一応立ち止まるものの、チラリと見て、次の遺跡へ。で、本日最初に入ったのは、アナ・テ・パフという洞窟。食物栽培にはあまり適さない火山島であるイースター島、かつての島の人たちは、洞窟に堆積された土を使って、野菜、根菜類を栽培していたらしい。このアナ・テ・パフは、そういった用途で使われていた最大級の洞窟とのこと。

 そして、次に訪れたのが、アフ・アキビ。ここには、7体のモアイが。ここは、きちんと復元された状態で、キレイに立ち並んでいる。う~む、オイラ的には、こう、キレイに並べられちゃったモアイはイマイチピンとこないんだよなぁ・・・制作途中だったり、土から頭だけひょっこり出ていたり、うつ伏せで倒れていたりするモアイのほうが魅力的だ。

 アフ・アキビの後、モアイの頭に乗せるプカオという帽子(髷?)を切り出す場所であったブナ・パウという場所へ。帽子の切り出し場でしょ?と、あまり期待しないで行ったのだが、ここ、結構心が動いた。プカオは、モアイとは違った赤色岩を使って、なかなかデザイン的にいい色合いの組み合わせになっている。ここ、ブナ・パウはそんな赤色岩の巨大石がゴロゴロ転がっているだけの場所なのですが・・・作業場って、人の痕跡が感じられて、好きなんだってことに、気付きました。

 ちょうどお昼も過ぎた時刻だったので、一旦宿へ戻り、昼飯に。午後は、再びオロンゴへ行こうと思っていのだが・・・風が強く吹き始めたのと、空に雲が広がり始めたので、今日は止めに。町へ出て、ダイビング情報とか調べつつ、その辺をぶらぶら散策。と、Manavaiというホテルの前に、映画のポスターを発見。<Rapa Nui>という題名の映画、イースター島でモアイが作られていた頃を再現した映画というので、見たいと思っていたんですよ。上映時間を聞いてみたところ、ちょうど今晩9時から上映するとのこと。おお、見にくることにしよっと。

 宿に戻り、サトルくんと一緒に飯を作り、食べるともう20時過ぎ。映画が始まってしまう、とHotel Manavaiへ。で、見てきた<Rapa Nui>なんですが・・・これが面白かったんですよ。上流階級であるLong Earと、下流階級であるShort Earという部族に分かれていた当時、Long Earの男とShort Earの女が恋に落ちる。しかし、この2つの部族間での結婚は認められておらず、悩む二人。そんな中、男は、モトゥ・ヌイにグンカンドリの卵をとりに行く鳥人儀礼に抜擢される。そこで、もし、一番に卵を取ってこれたら、Short Earの女との結婚を許して欲しいと頼む男。申し出は許可され、男は、女の愛を賭け、鳥人儀礼に挑むことになるのであった・・・というまぁ、ありがちなストーリー展開ではあるのですが、ストーリーは簡単でいいんです。この映画の見所は、当時のイースター島の様子を映像的に描くことなんですから。で、よく描かれていたんですよ、これが。以下、映像的に興味深い描かれ方をしていたトピックをメモ書き。

 まず、モアイを切り出し、運び出すシーンが興味深い。モアイの通り道に丸太を並べ、転がすように運んでいく。しかも、運び出すのは、立てた状態で描かれているんですよ。安定性から考えたら、どう考えても横のまま運んだ方が運びやすいと思うのですが・・・

 で、この運び出しのために、島にあった木をどんどん切り出してしまい、島から木がなくなってしまうというエピソードも描かれている。木がなくなり、土砂が流出してしまったため、作物が育たなくなり、イースター島の文明は衰退したという説を描いたエピソードか。

 Long EarとShort Earの部族間の軋轢も描かれていた。最終的にはこの部族間で揉め事が起こり、せっかく建てられたモアイが、すべてなぎ倒されるという、モアイ戦争なる戦争が起こったという説があるのですが、そのエピソードもきっちり描かれています(実際にはモアイ戦争が起こった後、モアイを崇拝する代わりのモノとして鳥人儀礼が始まったそうなので、この2つが同時に描かれている映画<ラパ・ヌイ>は史実的にはビミョーなのですが、まぁ、そこは映画ってことで)。

 そして、モアイは、ナゼ建てられたのかという謎に対して・・・この映画では<SOS信号>という意味合いに描かれているんですよ。イースター島には、ホワイト・カヌーなる船が訪島し、新たなる世界へと誘ってくれるという言い伝えがあるという設定で、そのホワイト・カヌーを呼ぶため、「ここには人がいます」というアピールとして巨大な人型像モアイが建てられたとの描かれ方。何体立てても現れないホワイト・カヌーに対し、次々と新たなモアイを建てることを命じるLong Earの酋長。で、映画の後半でホワイト・カヌーがやってくるんですけど・・・ホワイト・カヌーの正体に、驚かされます。そして、ああ、なるほどとも思わされます。知りたい人はぜひ、<Rapa Nui>をご覧ください。

 で、この映画の最大の見所は、なんといっても鳥人儀礼のシーン。8/31の日記に、オロンゴからの絶壁をどうやって・・・と書いたのですが、いや、やっぱり、絶壁をロッククライマー顔負けの技術で降りたり、上ったりするように描かれているのですよ。で、これをやるには、並大抵の体力では出来ないみたいで、エントリーが決まった瞬間から、特訓が始まるのです。映画はここからスポ根ドラマへと変貌していく(笑)。

 といったように、この映画をみると、当時のイースター島の様子が、よく分かります(といっても、真実は明らかにされていないワケですから、ある学説をなぞったものとしてですが)。イースター島に来たら、ぜひ見ることをお勧めしますヨ。ちなみに、主人公の男を演じているのは、あのブルース・リーの息子らしい。いい男です。

 1時間40分ほどの映画が終わり、歩いてミヒノアに戻る。昼過ぎからふき始めた風は暴風となり、テントを吹き飛ばす勢い・・・風の音がうるさすぎて、眠れないよぉ・・・