El tercer año
波乱の幕開け、三年目

2010.09.24 / Chile (Curacautin周辺) 本日 自転車56km走行 : Total 21997km走行
天気:晴 ネット:1
朝飯→ハムチーズサンド 昼飯→ハムチーズサンド 夕飯→ビステキ / 宿→Hotel Turismo(6000ペソ)

(English)
 I run into mountain road. But in this season there are snow, so I could not go over mountain...



(Español)
 Me encuentro con el camino montañés. Pero en esta estación hay nieves, para que no pudiera revisar ninguna montaña...
 一晩あけたものの、昨日ビデオカメラを落としたショックからは立ち直れず。朝日に照らされる絶景のトンガリ山(Llaima山)を見ても、心が湧かない。霜がはって、パリパリに凍り付いちゃっているテントと同じくらい、心が寒い。

 いやぁ、と、心が寒いのは置いておいたとして、ホント寒い。ブエノスからビーニャまで走っていた頃のテント泊より寒い。あれから1ヶ月以上経って、春が近づいてきているというのに・・・緯度を下げたら、この時期でも朝は真冬です。

 とりあえず、適当に霜を落とし、テントをたたむ。自転車を走らせるも、どこかにビデオカメラが落ちていないかと、ゆっくりと、そしてキョロキョロしながら、進むオイラであったが・・・やはりビデオは落ちていない(涙)。

 さて、今日は、Llaima山の北から入り、Llaima山の東側周囲を走りながら、南に抜け、Mellpeucoという町へ出るつもり。昨日から突入している未舗装道路は、Llaima山に近づくにつれ、さらに、悪路へと変わっていく。ゴツゴツした砂利道がしばらく続くかと思えば、突然砂地へ突入したり・・・うぬぬ、ボリビアでのオルーロからウユニへ抜けた道を彷彿とさせる、ひどい道。あぁ、自然の中を通ったほうが風景は抜群にいいんだけど・・・自転車で走れないのが面白くない。こんなひどい道、結局降りて、押しながら進む羽目になっちゃう。

 さて、まぁ、そんなひどい道でも、山を越えるまでの辛抱だと、ひたすら前に進む。と、周囲が雪で覆われてきた。この辺は冬には雪がどっちゃりと降るらしい。幸い、道の部分には雪は残っていないので、とりあえず、進むことができる。

 途中、川のせせらぎが聞こえたので、一休みがてら、川岸へ。そして、残り少なくなってきたプラティパス水筒に水を補給。この辺の水、全然キレイで、そのままガブガブ飲めマス。ただ、あまりにも水が冷たく、飲みすぎると、お腹がキューとしてきますので注意。そうそう、このところ、水を全然買ってない。パラグアイに入る前までは、飲み水は、ほぼスーパーで買ってきていたのに。ある時点で「水道水、のめるじゃん」と気付いて以来、水は買わなくなっちゃいました。宿では、水道水、移動中でも、トイレの手洗い場で、水を補給。そして、これからは、川の水で・・・って感じですかな。

 補給した水を飲みながら、そのまま、ひたすら悪路をヒイコラいいながら上っていったのですが、ひとつ気になることが・・・周囲にある雪がどんどん高くなってきているんです。道の部分に雪がないのは、どうやら除雪をやっているみたいで。除雪をやっていないと、この道は今でも雪に埋もれちゃっているワケで。いや、これは当然、向こう側まで除雪して道をつなげてくれているんだよなぁ・・・と思っていたのですが、甘い考えでした。あまりにも雪が深くなってしまったため、除雪を断念してしまったのか・・・オイラの身長ほどに積もった雪が、そのまま残され、この先、進めません状態に。おぉぉ、なんてこった。ここまで苦労して上ってきたというのに、ここで引き返せというのか!!!いやぁ、ムリして進もうにも、身長以上ある積雪の中を突っ込んでいくというのは、無謀を通り過ぎてただのバカです。ここは、おとなしく引き返すことにしたのでした。

 帰りは下り道となるため、比較的自転車に乗っていられる。ただ、砂道に突入するすると、タイヤをとられ、ひっくりこけそうになるので、降りて、押す。そんなことを繰り返していたら、前から一台の車がやってきた。すれ違う時に<キュッ>と止まった車の運転席のおじさんが声をかけてきた「どこから来たんだ?」「日本です」「いや、そうじゃなくて、今は?」「あぁ、この山を越えようと思って進んだんだけど、雪で進めなくて戻ってきたんです」とりあえずLlaima山を間近で見ようとやってきたおじさんたち、オイラの話を聞いて、この先に進むのは止め、ここで引き返すことにしたようでした。と、Uターンして戻ってきた車が再びオイラの隣で止まる。「乗っていくか?」ええ、ここはお言葉に甘えさせていただきます。半分心が折れかけているところでしたので、ホントありがたいお誘いです。

 おじさんの車の荷台に自転車ごと乗せてもらい、来た道をひた戻る。本日テントを張った場所近くでおろしてもらうことに。ここには分岐道があり、地図上では、Llaima山の西側を通ってMellpeucoに抜けられる道があるのだ。おじさんたちは、このままCuracautinまで戻るよう。先ほどの雪による前進断念があっただけに、こちらのルートも同じように進めないのではないかと、心配し、オジさんたちに「こっちの道は大丈夫ですよね?」と聞いたところ「上り坂はきついけど、雪は大丈夫じゃないかな」と。オジさんたちを信じて、進むことにしたのでした。

 先ほどの道と同じように、砂砂利道が続く。そして上り坂はさっきよりちとキツイ。またもやヒイコラいいながら、上っていったのだが・・・ん~、次第に、周囲に雪が・・・嫌な予感がしてきたのだが、そのまま上り続ける。あと一つ峠を越えれば頂上かもというところに辿り着いたところで、愕然。またもや道が雪で覆われているのだ。がぁぁ~ん・・・

 ただ、今回の雪は、それほど深くない。積雪10cmくらいか。ムリすればいけなくもないのだろうが・・・ここはなんとかなったとしても、峠を越えたらえらい雪になっているということも十分考えられる。しばし、進むべきか、撤退するべきか悩んだのだが・・・いや、もう心が折れちゃいまして。ここは、引き返すことにしたのであった。

 もう、迂回ルートはないため、結局Curacautinの町まで戻らねばならない。あぁ、こんなことなら、先ほどのおじさんの車でCuracautinまで乗せていってもらえばよかった・・・と思うも、まぁ、トライして自分の眼でダメだったことを確認したんだからいいじゃないか、と自分を慰める。

 それにしても、ビーニャでだんだん暖かくなってきたから、そろそろ南下しはじめて大丈夫だろうと思って出発したのに・・・まだまだ早かったなぁ。これだったら、ラッシュのライブを見るために、汐見荘であと一ヶ月沈没していたほうが、賢明だったのかも。そしたら、ビデオを無くさずにすんだかもしれないのに・・・

 と、まぁ、そんなタラレバを今更思いつつ、またもやビデオを落とした道を逆走することになったオイラ。最後の望みをかけて、道の隅々までみながら、ゆっくりと道を走っていったのだが、やはりビデオは見つからず。まぁ、こんだけ探してなかったのだから、しょうがない、と逆に気分的にはダイブすっきりしたのであった。旅に出て、数々の大事なモノたちとお別れをしてきて、次第に、モノとは壊れたりなくなったりするものなのだ、という割り切りが心の中にできてきたんです。相当モノに終着する体質のオイラ、以前だったら、相当ひきずっていたんだろうけど・・・いやぁ、ドライな割り切りができるようになってきたなぁ、と今の自分の気持ちに我ながら驚くオイラ。

 さて、Curacautinの町が近づき、道は舗装道路に。走りやすい道に気分よく走っていたら、ペダルをこぐたびに、<チャッ、チャッ>という異音が聞こえる。なんだろうと思ったら、以前コロンビアで修理したギアホイールの一部が割れちゃっているじゃないですか。とりあえず、前に進む分には大丈夫なんだけど、ペダルを後ろ回転させた瞬間、ホイールの割れ目にチェーンがひっかかって、大変なことになる。これは修理せねばならんなぁ、とCuracautinの町に着いて、早速自転車屋にいってみたのだが、この町の自転車屋には、ギアホイールパーツは置いてないと。近くの大きな街であるテムコまで行かないと入手できないかもね、と自転車屋のオヤジからアドバイス。うむむ、次はテムコへ行くとするか・・・

 ふ~、それにしても、今日は敗北感でいっぱいだ。ビデオを落として気落ちしているところに、雪による通行止めが二度。そして、ギアホイールの破損。旅が3年目に突入した日だというのに、この波乱の幕開け。3年目の旅は一体どうなるのでしょう?