Volcán Villarrica
絶景、雪山登山

2010.10.02 / Chile (Pucon) 本日 自転車0km走行 : Total 22314km走行
天気:晴 ネット:1
朝飯→魚缶ご飯 昼飯→ハムチーズサンド 夕飯→ラーメンリゾット+焼き肉(自炊) / 宿→Monkey Puzzle(5000ペソ)

(English)
 Today I Climbed up Volcan Villarrica.



(Español)
 Hoy Subí Volcan Villarrica.
 朝6時。周囲がそろそろ明るくなり始めた中起きる。ナップザックに昼飯用の食料やらチョコレートやらをつめ準備。そして、昨日焚いておいたご飯と魚缶詰で朝食をすませる。

 6時半に宿を出発。空は予想通り超快晴。ビジャリカ山がくっきり見える。雲ひとつありませぬ。さて、ツアーオフィスへ向かうと、オフィス前にはイケメン西欧人が一人待っていた。挨拶すると、彼も今日のビジャリカ火山登頂ツアーに参加するらしい。彼の名はジョシュア。ブラッド・ピット似のイギリス人です。

 7時になり、オフィスのスタッフがやってきた。早速、用意しておいた登山グッズを渡し、すぐに着替えろ、とのこと。そうなんです、この登山ツアー、山登りに必要なグッズを全て貸し出してくれるんですよ。オイラが用意するのは、ナップザックと食料だけでいいんです。で、貸し出してくれるモノは・・・ウィンドブレーカー上下、靴、ネックウォーマー、帽子、ヘルメット、手袋、スネ当て、靴に装着する滑り止め用歯、お尻当て。オイラはサングラスを持参したんですが、持ってなければ、サングラスも貸してもらえます。

 オフィスでこれらを身につけ、完全武装状態になって場所を移動。ん、昨日、オフィスのおじちゃんは、もっと参加人数が居るって言ってたのに・・・オイラとジョシュアだけ?と、歩いて向かったのは、とある宿の前。ここで、7人のドイツ人団体の人たちと合流。どうやら本日、9人+ガイド2人の登山ツアーになるようです。

 ここから、バンに乗ってビジャリカ火山へ。登山ベースとなる1440mの場所までは、車であがっちゃいます。で、車を降りると、一面雪の世界。ここ、スキー場になっているようで、スキー、スノボー客がたくさんいる。皆さんリフトで上る中、オイラ達はゲレンデ横を登り始めたのであった。

 雪山は寒いだろうと思って、Tシャツの上に、フリース、ジャージを着込んでからウィンドブレーカーを着ているオイラ、いや、太陽がサンサンと照りつける中、歩いていると、暑い。途中でジャージとネックウォーマーを外す。

 登山途中は、和気藹々と軽くオシャベリでもしながら登るのかと思いきや・・・皆黙々と登るんですよ。というのも、雪山登山、意外と大変でして。一応前の人たちが踏み固めてくれた道らしき場所を歩いていくのですが、足場はそんなに安定していない。しかも、天気がいいため、若干雪が解けぎみで、滑りやすくなっている。

 ガイドが先頭になって、基本的に一列で、スイッチバック的に蛇行しながら登っていくのですが、参加者の皆さん、それぞれ体力差がありまして。ガンガン登る先頭集団と、次第に離されていく二次、三次集団ができてくるのですよ。そして、意外とキツイ雪山登山、途中でリタイアする人たちも出てくるワケで・・・ガイドが2人つくのは、一人が先導役で、もう一人は、リタイアメンバーのサポートのためだったみたい。後方ではリタイヤ組の面倒をみるガイドの姿が・・・ちなみに、今回のツアーメンバー、9人中、男5人に女4人だったのですが、最終的に山頂まで登れたのは男4人に女1人の5人だけでした。

 さて、リフトの最終地点である1850mまで一気に上り、ここで一旦休憩。早速バナナをかじる。10分ほど休んだ後、上り再開。モクモクと白い噴煙を吐いている山頂目指して、ひた登る。途中、ふと振り向いて、山から見下ろした風景を目の当たりにして、驚いた。な、なんだこの美しすぎる風景は・・・

 遠くには雪をかぶったアンデスの山々そして、山々の間から覗き見える深遠な水の色をした湖たち・・・

 いやぁ、一気にテンションあがりました。前を登っていたジョシュアに「見て見て!凄いぞ、この景色」と声をかけ、一緒にはしゃぎまくり。他のメンバーも、振り向いて風景に見とれ始め、しばし写真撮影タイムに。

 この頃はまだ、はしゃぐ余裕があったのですが・・・2300mを越えたあたりから、山の傾斜が急になり、さらに、風がビュービュー吹き始め、登山の大変さと、寒さのダブルパンチで、次第に心の余裕ゼロに。高さ的には2843mとそんなに高くない。富士山より全然低いし、ワラスで6000m級の場所に行ったことに比べれば、息が切れたり、体の調子が変になることもなんですが・・・雪の中登るってことが大変。ひたすら、一歩先の雪の状態だけを確認しながら、すこしづつ前へ進む。

 山頂は近くにあるように見えるものの、なかなか辿りつかない。ふたたび、ジャージを着て、ネックウォーマーをまとうも、寒い。動いている時ならまだしも、休憩や、遅れている人待ちの時間は寒さで凍りつきそうになる。

 そんなこんな、ようやく山頂へ到着。目の前にオドロオドロしい色に変色したクレーターが見えたときには、感動というより、なんだかホッとしました。あぁ、無事辿り着けてよかった、という安堵感なのか。

 とにかく寒い山頂。山頂ではノンビリとクレーターやら、周囲の風景を楽しむ・・・なんて気分にはなれず。サクサクっと記念撮影をしたら、すぐに下山準備。準備・・・そう、下山のための特別アイテムがあるのですよ。それは、ガイドが<パンタロン>と呼んでいた尻当て。腰とモモのところで固定するようになっている尻当て、コレを履いて・・・滑り降りるんですよ、雪山を。そうです、尻スキーです。

 登ってくる際、蛇行状に残されている上り後の横に、まっすぐにえぐられている溝があり、なんだこれ?と思っていたのですが・・・尻の後だったワケで。オイラ達も、その尻の後溝の上を滑る。うひょ~と、思わず声をあげてしまう楽しさ。やったことないけど、ボブスレーの感覚ってこんなんなんでしょうな。ただ、この尻滑り、傾斜が急な頂上付近はメッチャ滑れて楽しかったんですが、麓付近になると、傾斜が緩くなって滑らなくなり・・・その姿はただのシリモチでした。

 5時間くらいかけて登ってきたのに、下りは1時間チョイとあっという間。いやぁ、でもホント楽しかったぞビジャリカ登山。

 え、また登ってみたいか?・・・ん~、ちょっと考えさせてください。