RUSH vivo
神様降臨

2010.10.17 / Chile (Santiago) 本日 自転車0km走行 : Total 22797km走行
天気:晴 ネット:1
朝飯→シリアル 昼飯→ポテトフライ+ラーメン 夕飯→なし / 宿→Hostal Tales(5000ペソ)

(English)
 Today I watched RUSH Live. This live was the most exciting I have ever seen.



(Español)
 Hoy miré RUSH Vivo. Este vivo era el más excitante he visto alguna vez.
 いよいよこの日になりました。え、あ、待ちに待ったRUSHのライブ当日です。夜21時からのライブだというのに、朝からソワソワして、何も手につかず。とてもビデオ編集できるような心境ではなかったので、日曜日の静かなサンチアゴの街をブラブラして気をまぎらわす。

 夕刻、いてもたってもいられなくなったので、早めに出かけることに。会場は<Estadio Nacional de Chile>というサッカー競技場。開演3時間前だというのに、すでに結構人が入ってまして。オイラの席はPacivic VIPというスタンド席。ステージ前の立ち見席とどちらにしようかかなり悩んだのですが、スタンド席からの方が、ドラムのニール・パート師匠のプレイがきっちり見えるだろうと思いまして。・・・が、実際チケットでとった席に行って、あまりの遠さに愕然。あぁ、やっぱりサッカー競技場の広さをなめちゃいけないなぁ・・・武道館の2階席くらいの感覚でいたのに。あぁ、これなら、ステージ前の席の方がよかったかなぁ、と若干後悔。

 まぁ、手元には15倍ズームのSX120ISがあることだし、今日はここで存分に楽しもうと決め、周囲をウロウロしながら、会場の雰囲気を楽しむ。入ったときには空きが目立っていたグラウンド席も、どんどん人で埋まっていく。ちなみに、客層は、もっとオジサマ、オバサマ方が多いのかと思いきや、結構若い人たちが多い。そして、この若い人たち、大抵の人が、流れているSEの曲にあわせて、ドラムやベースのエアー演奏をしている。ああ、やっぱりバンドマンな人たちなんだな、この人たちも、と納得。RUSHは、若い人が、ミーハーに飛びつくバンドでもないですからねぇ・・・

 さて、会場に流れているSE曲ですが・・・Genesis、YES、King Crimson、UK、Led Zeppelin、と、思わずニヤリとさせられてしまう選曲でして。いやいや、プログレ好きのオイラとしたら、SE聴いているだけで、気分が盛り上がってしまうのでした。

 21時、30分前。SE曲が終わるたびに、次に始まるんではないかという期待から、「ウォ~」という盛り上がり声が沸きあがる会場。そして、次のSE曲が流れ始めると、ガッカリしたようにその声はしぼんでいく。

 そして、21時過ぎ、SE曲が途中で切れ、さらにライトが落ち、会場が真っ暗に。大興奮の熱気に包まれる会場。と、ステージに設置された大スクリーンに映像が映し出された。なにやらショートドラマ映像だ・・・ん?出演しているのは、ゲディ・リーと、アレックス・ラルフソンと、ニール・パート、RUSHのメンバーじゃないですか。3人3様に役作りしてきて、すっかりなりきっちゃってる。ちなみに、今回のRUSHのツアータイトルは<Time Machine Tour>。今回のツアーは、新譜曲がメインではなく、1981年に発表した名盤アルバム<Moving Pictures>の曲を復刻完全再現するというのがメインのツアーなんです。昔に戻るという意味でのタイムマシーン。そして、今流れている映像は、謎のボタンを押してしまい、2010年である現在から1981年に戻るという設定のショートドラマ映像。映像でタイムマシーンボタンが押され、トンネルワープ効果を駆使した混沌とした映像で包まれる中・・・

 生の3人が登場!!!!!<タラララララララ・・・>アレックスのギターが鳴り始める。スピリッツ・オブ・レディオのイントロだ!!!いや、もう、この時点で全身にゾクッと電気が流れたというか、体が妙な反応をしはじめまして。人間、興奮のボルテージがマックスを超えると、変なことになるんですな。

 大好きな曲であり、学生時代にRUSHのコピーバンドをやっていた時、一番初めにコピーした曲でもあるこの曲から聴けるなんて・・・ねぇ。何度叩いたか数え知れず、ドラムパターンを知り尽くしているこの曲を聴いていると、自然と、神様ニール・パートとシンクロしてくる。あぁ、なんて幸せな瞬間なのでしょう。そう、この世で一番敬愛するドラマーは?と聴かれたら、この人以外に挙げようがない。オイラにとって、現人神であるドラマー、ニール・パート師匠。もうね、この人と同じ空気を吸っている場にいられるというだけで、いいです。満足です。目の前で、ドラムをプレイしていただくなんて、もったいないもったいない。

 オイラの場合、ライブに行く時には、音楽を楽しむという目的以外に、演奏を見て勉強させてもらうという側面があるんです。一応ドラマーなんで。ついつい、あのフレーズはどうやって叩いているんだろう、とか、ね。で、今回も、恐れ多くも、神様のプレイをジックリと見て勉強させていただこうと思っていたのですが・・・上から見えるのはいいんですが、席が遠いのと、山のような機材セットに囲まれてしまった神様のプレイは、外からはほぼ見えず(涙)。セットから出ている頭がかろうじて見える感じ。結局プレイの詳細は、ドラムセットの周辺にいくつもセットされたカメラで撮影した映像を映し出すモニターを見ることに。まぁ、もうこの時点で、勉強モードは切り捨てることにしました。今日は、純粋にライブ音楽を楽しむことにしようと。

 そして、2曲目は、これまたオイラがコピーしたことにある、タイム・スタンド・スティル。この曲は、メロディーもいいんですが、途中、7拍子になる間奏がメッチャかっこよくて、気持ちいいんですよ。

 大興奮の中、次々と演奏されていく曲。あぁ、もうこの時間がずっと続けばいいのに。永遠にこの時間が流れればいいのに・・・

 6曲目に、これまた大好きなインスト曲<Leave That Thing Alone>が。これも、バンドで演奏したんですけど・・・オイラ達がやると、どうしても音が薄くなっちゃって。本家はやはり音の厚みが違う。そうそう、RUSHって基本、ギター、ベース、ドラムの3人バンドなんですけど、キーボードとかガンガンに入った曲も多々あるのですよ。え?キーボードはサポートメンバーが、と普通はお思いになるでしょうが、このRUSHの凄いところは、生ライブでも3人でやり通してしまうというところ。ベースをキーボードに持ち返るゲディー、ギターをキーボードに持ち返るだけでなく、ギターを弾きながら足鍵も弾くアレックス、セットにエレキパッドも組み込み、生ドラム以上の多彩な音を奏でるニール。アルバムに収録されている曲は、そのまま3人によって再現されるのです。これねぇ、ただ聴いていると、普通なことのようなのですが、演奏することになったら、大変ですよ。それをサラリとこなしてしまう3人が素敵すぎ。

 そして、オイラがおそらくRUSHの曲で一番好きな<サブディビジョンズ>を演奏してくれたところで、3人がステージから消えた。明るくなる照明。ん、どうやら休憩タイムらしい。ロックバンドのコンサートで、途中休憩タイムをはさむライブは初めてだ。なにか仕掛けが?それとも、メンバーが年だから休まないといけないのか?と、いろいろ思いながら15分ほど続く休憩時間を過ごす。

 と、明かりが消え、前方スクリーンに映像が。再びショートドラマ映像が映し出された。変装した3人が、なにやら妙なアレンジでトム・ソーヤの曲を演奏している様子が映し出される。そして、またもや、謎のタイムマシーンボタンが押され・・・

 ついに始まりました!!!アルバム<Moving Pictures>完全再現ライブ。トム・ソーヤのイントロが響き渡る。ここで、涙が思わずこぼれそうに。彼らの代表曲でもあるトム・ソーヤやYYZは、今でもライブでよく披露しているのですが、このアルバム全曲を、今、生演奏で聴けるなんてありえない話なのですよ。いやぁ、この幸せをかみ締めながら聴いてました。全7曲。どれも名曲ばかり。アルバム収録順に演奏されていく。あはは、もう涙がとまりませぬ。

 Moving Pictures最後の曲Vital Signsが終わり、今晩のステージ二曲目となる次のアルバム収録予定の新曲キャラバンが流れ始める。そして、このキャラバンが終わったところで・・・先ほどのMoving Pictures完全再現ライブの興奮冷めやらぬ中で・・・始まったのが、神様のドラム・ソロ。ニール・パート師匠のドラムソロはとにかくスゴイんですよ。多彩な機材を駆使して、ダイナミックかつ、メロディアスなソロを演奏してくれるんです。よくあるドラムソロって、ロールから始まって、タムを絡めたフレーズに発展するも、<リズム演奏>で終わってしまうもんなのですが、神様のソロは、ソロが曲になっているんです。この人のドラムソロは、研究しまくりましたもん。幸い神様自身がソロを解説した<Anatomy of a drum solo>というビデオを出してくれてて。こいつを見てジックリとね。で、そうして見た神様の生ソロですが、いや、さらにパワーアップしてまして。ゾクゾクさせられました。もう、全身鳥肌たちまくり。

 ああ、もう、相当お腹いっぱいにさせていただいた中、始まったのは、初期RUSHの名曲クローサー・トゥ・ザ・ハートと2112。そして、最後は最新アルバムSnake&Arrowsの一曲目ファー・クライで〆。お腹いっぱいとはいいつつ、まだまだ彼らの音楽に浸っていたいと願い、皆と一緒にアンコールの大熱唱。そして、戻ってきた3人が演奏を始めたのは、ラ・ビラ・ストレンジアート。インスト曲の名曲であるこの曲は、もちろんオイラもコピーしまくりまして。もう、体がカッテに動く。神様の叩くフレーズに合わせて、手が、足が・・・

 そして、アンコールラストは、彼らのファーストアルバムの名曲ウァーキング・マン。この曲はアレックスのギターソロが超カッコいい。

 演奏が終わり、ホントにステージを去ってしまった3人。残された会場では再びスクリーンに映像が流れはじめ、エピローグ的なショートドラマが映し出される。それを見ながら幸せな気分に包まれ、名残惜しい会場を後にすることに。

 全24曲。終わったら、0時を回ってました。あぁ、もう、最高!!!今日の日の神様演奏は、一生忘れない。そして、久々にロック魂に火をつけられ、バンドでドラムが叩きたくなってきちゃいました・・・ウズウズ・・・