Persona que camina
歩いてココを?

2010.11.7 / Chile (Puyuhuapi~Lago Las Torres畔) 本日 自転車95km走行 : Total 23486km走行
天気:曇時々晴 自転車折りたたみ:1
朝飯→パン 昼飯→パン 夕飯→パン / 宿→Camping (2500ペソ)

(English)
 Today I met one person. He traveled in Chile by walking.



(Español)
 Hoy me encontré a una persona. Viajó en Chile caminando.
 今朝もまた雨。あぁ、3日連続雨待ちかぁ・・・と、さすがにゲンナリしながら、朝飯のパンをかじる。さて、今日は何して過ごそうか、と思案していたら、雨音が消えているのに気付いた。窓を開けてみてみると、小雨程度の雨は降っているものの、空が明るくなりかけている。ん、今日は雨が止むはずだ、と自転車で走ることに。

 急いで荷物をパッキングして、出発の準備。自転車に装着して、9時前に出発。雨は予想、町を出る頃には、すっかり雨は止んでしまいました。

 動きの激しい雲に見え隠れする幻想的な山々を見ながら、そして、昨日・一昨日の雨で水量が物凄いことになってしまっている川の爆音を聞きながら、ひた走る。

 次第に雲の切れ間から青空が覗くようになった。ただ、雲の流れが速くて、一面青空になった!と喜んでいたら、次の瞬間、雲がブワっと空を覆ってしまうなんてことに。まぁ、ずっと太陽が照りつける中で走るのも、暑くてたまらんので・・・晴れ、曇、晴れ、曇、と繰り返す、これくらいの天気変動が一番走りやすい。

 道はしばらく海岸沿いに続いている。あまりにも水面が穏やかなため、一見、ここんところ見慣れてしまった湖に見えるのだが、これは海。典型的なフィヨルド地形のこの地、入り江のような海しか見えない。水平線の向こうには、常に、入り組んだ陸地が見える。ん~、やっぱりこれは湖にしか見えないぞ・・・

 さてさて、プジュワピから南に20kmほど下ったこの辺には、Parque Nacional Queulatという国立公園がある。アウストラル街道から5kmほど入った場所にあり、氷河が見れるということなのだが・・・一応寄って行こうと思っていたのに、入り口がよく分からず。GPSでそろそろ20km越えているのだが、と思って振り返ると、山と山の間に氷河が見えた。うぬぬ、Queulat国立公園はあの辺らしい。通り過ごしてしまったようだ。戻るにはちょっとばかりメンドクサイ距離まで来ちゃっている。アウストラル街道からでも、思ったよりクッキリと見ることができたし、まぁいいか、と、国立公園に寄るのは諦め、先を急ぐことにした。

 しばらく走っていると、前方にバックパックを背負って歩く一人の男性を発見。ちなみに、ここ、カレテラ・アウストラル、車の通りもほとんどないくらい、閑散とした道路でして。しかも、町と町の間は数十キロは離れており、その間に、人家なんてない。ひたすら緑の森林に囲まれた場所であり、町の周辺でない限りは、人が歩いているなんて場面に遭遇するはずもない。そんな場所で、自転車に乗って走っているオイラも、奇異に見えるのであろうが、そんなオイラから見て、この場所で、バックパックを背負って<歩いている>人は、やっぱり奇異に見えた。興味を惹かれたので、近寄って話しかけてみる。

 彼の名はジャック。フランス人の彼は、以前8年かけて自転車で世界一周旅をしたという。5年前に自転車でココを走っているのだが、チリを気に入った彼は、今回、バルパライソからスタートし、大自然を満喫しつつ、アウストラル街道の南端、ビジャ・オヒギンスまで歩きの旅をしているのだという。おほほ、歩きですかぁ・・・しかも、前回自転車で走っておきながら・・・う~ん、まぁ分かるような気もする。この辺は、未舗装道路なんで、テンションを下げながら走るより、ゆっくりでも歩きながら、ジックリ堪能するほうが、楽しいのかも。ちなみに、ジャックは、昨日、氷河が見れるQueulat国立公園内でキャンプ泊をしていたそうだ。ただ、雨のため、何にも見れなかったと嘆いていた。今朝も早いうちに出てきちゃったから、結局氷河は見れず終いだったとのこと。うぬぬ、先ほど、振り返って氷河が見れちゃったオイラはラッキーだったんですな。ジャックは雨でしこたま濡れてしまったキャンプグッズを乾かすべく、今日はこの先3kmほどのところにあるロッジで休むことにするらしい。オイラは今日はまだまだ60kmくらいは走るつもりでして。自転車でもゆっくりペースだとお思いでしょうが、歩きだとチャリダーのオイラから見てもノンビリペース。まぁ、このノンビリさを求めての、歩き旅なんでしょうけど・・・今のオイラは、自転車のスピード感がちょうどよく、心地いい。歩き旅の境地にはまだ達せれない。

 道は、海岸沿いから逸れ、再び、次第に内陸へと入っていく。しばらくは、川沿いの渓谷道で、ゆっくりした上り坂が続いたのだが、どうやら一山越えないと、向こう側にいけないようで、峠越えが始まった。砂利道での上りはなかなかシンドイ。道は、くねっており、勾配は比較的緩やかになっているのだが、それでも、シンドイ。そして、上りきってからの下り道が・・・これまたシンドイ。下りは、乗ってるだけでいいんでしょ、とお思いになるでしょうが、道がガタガタだと、自転車が心配で心配で。なるべく石にぶつからないように、ハンドルをきっていかなきゃいけないんですよ。しかも重い荷物を装着しているもんだから、重力に引っ張られて、必要以上にスピードが出てしまう。ブレーキをかけながらの繊細なハンドル操作。これ結構精神的に疲れるのです。

 さて、峠を下りきったところで、ついに未舗装道路が終わり、舗装道路が見えてきた。いやぁっほ~。やっぱり走りやすいなぁ・・・周囲の風景もパノラミックな風景になってきて、オイラ好み。テンションあがりますよ、これは。

 今日は、舗装道路になってすぐのところにあるVilla Amengualという村で宿泊し、あと2日かけてコイアイケに向かおうと考えていたのだが、地図を見ると、このコイアイケまで、先ずっと舗装道路になってしかも、距離は130kmくらい。多少峠などもあるんだろうけど、一日で走っていけない距離ではない。天気も崩れなさそうだし、明日コイアイケを目指しちゃうことにした。で、今日のうちに少しでも距離を稼いでおこうと、Villa Amengualは通過。適当なところで、ブッシュキャンプでもしようと思いながら走っていたら、トレス湖の脇に小さなキャンプ場を発見。テント泊なら2500ペソと描かれた看板を見て、せっかくなので、今日はここに泊まることにした。が、受付らしきところに誰もいない。んんん?シーズンオフだからか?勝手に泊まっちゃっていいのか・・・とりあえず、誰かが来たら、お金を支払うことにしようと、湖脇に勝手にテントをはらせてもらう。

 湖で手と顔を洗い、ラフな服装に着替えてテントでくつろいでいると、湖の方からエンジン音が聞こえ、人の声が聞こえてきた。そして、船を下りてきたと思われる人の雰囲気は、テントの前に続く。そして「オラ」と声をかけられた。「シー(はい)」と返事して、テントから顔を出すと、ここの管理人らしきおばさんが立っていた。手には魚が入ったバケツ。どうやら、夕食用の魚を釣りにいっていたらしい。ここに泊まりたいと交渉すると、もちろんOKよと快諾していただけた。とりあえず、事務所に来て、宿帳にサインだけしてというので、事務所まで同行する。事務所では、コーヒーとパンを出していただいた。ええ?2500ペソでテント泊だというのに、こんなおもてなしをしていただいちゃって、ええのですか?ありがたく頂戴いたします、ハイ。

 焚き火とかしたかったんだけど、眠気に勝てず。そうそう、日が長くなってきている今日この頃、日没が21時近くなのですよ。今日も20時近くまで走ってて。一日中走って、テントに入って21時じゃぁ、横になったらすぐ寝付いちゃいます。今日も横になって、30秒も立たないうちに、眠りの世界へ・・・