Aysen Patagonia Chile atractivo
知れば知るほど魅了されて困っちゃうぞ、チリのセントラルパタゴニア

2010.11.15 / Chile (Puerto Rio Tranquilo) 本日 自転車104km走行 : Total 23905km走行
天気:晴トコロにより曇 自転車折りたたみ:1 ネット:1
朝飯→パン 昼飯→ふりかけご飯 夕飯→カレーチャーハン / 宿→Hospadaje Silvana(5000ペソ)

(English)
 Today I run near town of Tranquilo. It was beautiful road. I was fun.



(Español)
 Hoy corro cerca del pueblo de Tranquilo. Era el camino bonito. Era divertido.
 さて、奇岩群、キャピヤス・デ・マルモルを見たことで、満足したオイラ。目的を果たしたことだし、チレチコへ戻ればいいのだが・・・いやいや、せっかく苦労してリオ・トランキーロに来たんだから、このまま戻っちゃうのはもったいない。実は、ここリオ・トランキーロ、アウストラル街道とは異なる一本の側道が真西へ伸びているんです。この側道を50kmほどいくと、チリの北部大氷雪地帯(Campo de hielo norte)の最北部にあるエクスプロラドレス氷河に辿り着くらしいのです。そんな情報をゲットしちゃいまして。まぁ、せっかくなんで行っておきますかということで、本日、ナップザック一つ持って、荷物未装着のファニーバニーで、往復100kmのサイクリングへと出発。

 途中、川もあり、湖もあり、滝もありと、景観豊かで走っていて楽しい。天気もいいし、今日も気持ちいいサイクリングができるなぁと思っていたら、次第に雲行きが怪しくなってきた。空を見ると、走ってきたリオ・トランキーロのある方向は青空が広がっているのに、これから向かう山間の方向だけ雲がかっている。せっかくなので、青空の下の氷河が見たいと思っていたのに、これじゃぁ、曇り空での氷河鑑賞になっちゃうかも・・・

 未舗装道であるため、足場を見ながら走らないと危険なので、常にうつむきがちで走っているのだが、ふと、顔を上げると、前方の山の頂上に巨大な氷河が見えるではないですか。曇り空になってから、若干テンションが落ちて走っていたのですが、ここで、一気にテンションがあがる。ちなみに、見えたのは、コルドンバヨ氷河。これも、北部大氷雪地帯にある氷河。いよいよ、エクスプロラドレス氷河に近づいてきたぞ、と盛り上がるオイラ。

 そして、辿り着いた52km地点。なにやら建物があったので、入ってみると、ここは、エクスプロラドレス氷河の受付小屋。そうそう、この氷河は、氷河の上を歩くトレッキングツアーもあるんです。6時間くらいのコースで、装備を全部レンタルしてくれて、料金は30000ペソとのこと。ちょいと興味があったのだが、今日は今からではもう、時間が遅くてムリということなので、諦める。3000ペソを支払って、氷河を見るだけというミラドールへ。20分ほど歩き、崖のようなところを上って辿り着いたミラドールから、眼下を眺めると・・・ザッツ・氷河、氷河と聞いて想像する、正統派氷河が広がっておりました。山間の渓谷をまるで河が流れているような姿で、たたずむ、氷の塊。そうそう、今まで、ペルーで見たパストルリ氷河とか、アウストラル街道沿いで、垣間見た氷河って、雪が山に積もったのがそのまま固まった姿でしょ、氷の河ってイメージじゃないよなぁ・・・って思っていたんです。まぁ、これはこれで、氷河と呼ぶらしいのですが、オイラの中ではちょっとイメージがズレてて。そこへいくと、今、目の前に広がっているエクスプロラドレス氷河は、まさに氷河というイメージにピッタリでして。

 ただねぇ、曇り空の下だし、なんといっても、ちょっと遠いのが残念。イマイチ迫力が伝わってこない。ん~、やっぱり氷の上を歩くツアーとか参加して近くから見ないと、感激しないのかなぁ・・・なんて考えながら、お弁当用にタッパーに詰めてきたご飯にフリカケをかけて食べていると、突然・・・なんという擬音で表現していいのか分からない、今まで聞いたことがない、あえて言うなら、雷が目の前に落ちたらきっとこういう音が聞こえるのではないか、という、この世のものとは思えない、とても嫌な感じの大轟音が聞こえてきた。いや、ホントビビリました。しょんべんちびりそうになりました。ひょっとして・・・今のが、噂に聞く、氷河が崩落する際に発生させる凄まじい轟音だったのか・・・いや、そうに違いない。崩落音は、アルゼンチンのペリト・モレノ氷河へ行って聞こうと思っていたのに、まさか、ここで聞けることになるとは。いやぁ、予想だにしていなかっただけに、驚きと感激がひとしお。曇っているし、遠くにしか見えないし、50kmも走ってきて、これかぁ、と思っていたところだったのですが、いやいや、この大轟音を聞け、すっかり満足気分に。

 いやぁ、やっぱりチリの北部パタゴニア、隠し玉がいっぱいあるなぁ・・・って隠してないか。オイラが情報を知らないだけか。でも、実際、この周辺に関しては、地球の歩き方には、皆無といっていいほど、情報は載っていないし、頼みのロンプラも、南米版には、そんなに詳細な情報は載っていないのだ。どうやら、ロンプラのパタゴニア版には、見所情報がたくさん載っているらしいのだが・・・残念ながら、オイラ、パタゴニア版ロンプラは持っていない。

 パタゴニア、素晴らしいところだよ~とは聞いていたものの、フィッツロイと、ペリト・モレノ氷河と、パイネ国立公園くらいしか、知らなかったオイラ。ウシュワイヤへ向かうまでに、この3つを楽しめばいいかくらいにしか考えていなかったんです。実際、チロエ島、アウストラル街道北部を走りはじめても、そんなに心動かされるものはなかったし・・・あえて、パタゴニアの情報を収集もせず、辿り着く場所について、知らないまま走る日々が続いていたんです。当然、知らないコトには関心は向かないワケで。せっかくパタゴニアを走っているのに、なんか走ることに一生懸命になっちゃって、今ココに居る場所を楽しめなくなっていたんです。そんなオイラでしたが、コイアイケ&セロ・カスティージョで大衝撃を受けまして。俄然、パタゴニアについて興味が沸いてきたし、ものすごく、知りたいって思いはじめたんです。で、調べて、あれこれ想像を膨らませていたら、なんだか楽しくなってきちゃって。今回のように、移動した後、情報を知り、行きたくなっちゃって、回り道して向かうなんてことは大変なんだけど・・・楽しい。ただタンタンと、最短ルートで走るより、ずっとワクワクできている。そう、旅って<どこへいって何をしようか>と想像している時間をもつことが大事なんだ。この想像力が、旅の原動力。

 ん~、なになに、セロ・カスティージョは周辺をトレッキングできて、しかも、そこで見れる氷河がスゴイって!?・・・前回通った時には、そんな情報を知らずに、ただ、その姿に感動しただけのセロ・カスティージョ。知ってしまった今、再び対面して、トレッキングをしたい気分がムクムクと。じゃぁ、またセロ・カスティージョに戻るかぁ・・・あぁ、なんて非効率。こんな調子では、年末年始をウシュワイヤでという計画も怪しくなってくるぞ・・・まぁ、いいか。ノンビリ旅のこの旅では、予定未調和で、ルートに悩むというのが健全的ですから。非効率、いいじゃないですか。楽しくない気持ちで効率的に前進するより、非効率に彷徨いながらもワクワクしてるほうが、オイラにとっては心地よい。