Donde Cueva de las Manos?
またも敗北、チリトレッキング

2010.11.21 / Chile (ChileChico) 本日 自転車30km走行 : Total 24097km走行
天気:晴時々曇 自転車折りたたみ:1
朝飯→ご飯 昼飯→ご飯 夕飯→カレーチャーハン / 宿→Hostal Rafita (7000ペソ)

(English)
 Today I run around Chile Chico by bicycle.



(Español)
 Hoy propongo alrededor de Chile Chico a bicicleta.
 チレチコ、なかなか風光明媚な場所でして。チリのフィヨルド地帯と、アルゼンチンのパンパ地帯のちょうど中間に位置し、複雑で魅力的な地形が広がる場所なのです。

 そんなチレチコの町から25kmほど離れた場所に、奇岩の谷があると聞きまして。そりゃ、行かねばならないだろうと、セロ・カスティージョトレッキングの疲れがまだ体に残っている中、まぁ、たったの25kmの距離なんで、ということで、自転車で向かうことにしたのでした。

 朝8時に宿を出発。町郊外の十字路を左に曲がってからは一本道。ひたすら未舗装道を走ります。この辺は、もうパンパの雰囲気。遠くにテーブルマウンテンが見えるものの、両脇は見渡す限り、ただっぴろい荒野。うむむ、ルート40を走ると、こういう感じなのか、とアルゼンチン道を頭の中で軽くシュミレート。

 しばらくは、緩い上り道が続いていたのだが、しだいに上りがきつくなり、さらに、急なアップダウンの坂道へと変貌してきた。周囲は乾燥した荒地風景が広がり、変化がないように見えるのだが、どんどん山の中へと入ってきている様子だ。

 町から28kmほど走ったところに、看板が立ててあった。どうやら、ここから右に入っていくと奇岩の谷にいけるらしい。ココ、一応観光場所らしいのだが、誰も居ない。ココにくるまでも、車1台くらいしかすれ違わなかった。自転車を無造作に置いてしまうことになるけど、まぁこれだけ人がいないのであれば、取られることもないだろうと、看板のところに自転車をたてかけ、ワイヤー鍵で取られないように縛り付ける。

 さて、ここからは歩きでのトレッキング。宿のオバちゃんが、トレッキングルートが分かりづらいよ、と言っていたのを聞いて、ゲンナリしていたのだが、意外と分かりやすい道が続いていた。しばらくトレッキングルートに沿って歩いていると、見えてきました、奇岩たちが!最初に見えてきた、奇岩で囲まれた谷は、<Alero de Pinturo Rupesite>と名づけられた場所。この谷の中を通っていくのだが、両脇から覆うように圧迫感をかけてくる岩岩の迫力がスゴイ。ここもまた、奇岩フェチのフェチ心を満足させてくれるには十分すぎるほどの素敵な場所でした。そして、この谷を抜けると見えてくるのが、<Piedra Clavada>というまるで木のように一本にょっきり生えている縦長の岩。なんと縦の長さが40mもあるというこのノッポの岩は、近くに行って見ると、なんだか心打たれるものが。これ、写真で見たときには、そんなに見たいって思わなかったんですけど・・・実際行って見て、今日一番感動したモニュメントでした。実物が持つパワーがあふれ出ていたというか、なんか地球パワーを感じたスポットでして。パワーとともに安らぎを感じた、この<Piedra Clavada>の下で弁当を食べ、パワー充電。

 で、次に向かったのが<Cueva de las Manos>という、手の洞窟と呼ばれる遺跡。8000年も前にここに住んでいた先住民達が、手形や動物などを描いた絵が残されているというのだ。これ、アルゼンチンのペリト・モレノの近くにある谷のものが地球の歩き方に紹介されているのだが、チリ側にも同じようなものがあるものらしいのです。ちなみに、ビジャ・セロ・カスティージョの町の近くにもあるようで。ビジャ・セロ・カスティージョのツーリスト・インフォで、町から3kmほど離れた場所で見れると言っていた。が、どうせ、チレチコで見るからいいや、と見に行かなかったのだ。

 チレチコでもらったガイド資料の超大雑把な場所マップを見ながら、<Cueva de Las Manos>を探しながら歩くも・・・なかなか辿り着かない。一応、しっかりとしたトレッキングルートらしきものが続いていたので、迷うことなく歩いているつもりだったのだが・・・ガイドには<Piedra Clavada>から2kmほど歩くと着くと書かれているにもかかわらず、4km歩いてもそれらしいものが見えない。さすがに、これはおかしいと思い、引き返すことに。途中途中、羊達が歩いているのが見える。よく見ると、彼らが歩いているのは、オイラが歩いているトレッキングルート。トレッキングルートと思い込んで歩いていた道は、ひょっとして・・・どうやら、これは、羊さんたちが通るケモノ道のようで。<Cueva de las Manos>へと続く道ではなかったようだったのだ。う~む、これは思わぬトラップだ。セロ・カスティージョトレッキングでは、道がなかったために迷ったので、今回は、道があるからと、安心して歩いちゃっていたのだが、これがそもそも正しい道ではなかった、と。

 じゃぁ、<Cueva de Las Manos>へと続く正しい道はどこにあるのか、と探し続けるも・・・これが、ない。正しくない道はいっぱいあるのだが、正しい道がない。これが、パタゴニアのトレッキングルートの現実。難解すぎる。彷徨っているうちに、本来ならば、4番目に到着するべきスポットである<Valle Lunar(月の谷)>に辿り着いてしまった。地図を見ながら、2番目のスポットの位置と、4番目のスポットの位置から場所を割り出せば、3番目のスポットである<Cueva de las Manos>に辿り着くのではないかと、GPSで方向と距離を測りながら歩く。それらしい岩がある場所には辿り着けたし、岩肌には、模様があるのだが・・・手形や動物の絵は見えない。ここは違うのか・・・ん~、周囲を見渡すも、ここが<Cueva de las Manos>だというパネルも置かれてないから、きっと違うのだろう(他のスポットは、全てパネルが置かれていた)。

 そんなこんなで、<Cueva de las Manos>を探して、彷徨いに彷徨うこと4時間。時刻はすでに17時になってしまった。いやぁ、ただっぴろいトコロで、あやふやな地図を目安に場所を探すのがこれほど困難なものとは・・・せいぜい2km四方の場所で、4時間彷徨って、お目当ての場所に辿り着けない現実。自分ではそれなりに地理感覚があるほうだと、自負しているオイラでも、辿り着けぬとは・・・もともと、<Cueva de Las Manos>なんてここにないんじゃないの?と勘ぐりたくなるほど、見当たらなかった。

 あぁ、悔しい・・・こういうことだったら、ビジャ・セロ・カスティージョの町近くにあるという<Paredon de las Manos>を見てくればよかった。

 意地でも見てやろうくらいの気にはなっていたのだが、さすがに、ここを18時には出発しないと、チレチコへ戻るのが21時過ぎになってしまう。タイムオーバーということで、戻ることに。途中、再び<Valle Lunar>に寄り、素敵な風景を見て、<Cueva de las Manos>を見れなかった悔しさを洗い流してもらう。

 すっかり歩き疲れた状態で、トレッキング入り口、自転車が置いてある場所へと戻ることに。ん~、この状態で、25km、未舗装山道を走って帰るのは、正直辛い。もともと歩きトレッキング8kmくらいのつもりだったのに・・・20kmくらい歩いちゃったもんなぁ・・・とメゲテイルと、トレッキングの入り口に、一台の車が止まっているのを発見。どうやら、オイラのほかに、奇岩谷を見に来ている人がいるようだ。そして、オイラとは反対側から、入り口へと向かう人影を発見。チレチコへ戻る車だったら、乗せていってもらうよう、お願いしてみようと、人が車に戻ってくるのを待つ。戻ってきたのはアルゼンチン人のカップル。チレチコへは行かないが、チレチコ郊外の舗装道路までは行くという。「歩きつかれたので、乗せてください~」とお願い。快くOKの返事をもらう。で、乗せてもらうのは、普通のセダン。「自転車、後ろに詰めるかなぁ?」と言われたのだが、いやいや、ここが、折りたたみチャリの見せ所。目の前で、たたんで見せて「お~!」と拍手をいただき、問題なく荷台へ積み込む。久々に、マジで、折りたたみチャリでよかったと実感できたシチュエーションだった。

 まぁ、今日もチリトレッキングの大変さをヒシヒシと感じた一日でした。<Cueva de las Manos>が見れなかったのは残念だけど、実はそんなに打ちひしがれてはいない。ほかの3つのスポットがあまりにも素晴らしかったからね。満足でした、ハイ。