Careta Tortel
カレタ・トルテル、この町も素敵じゃないか

2010.11.29 / Chile (Lago Vargas付近~Careta Tortel) 本日 自転車52km走行 : Total 24379km走行
天気:曇のち晴
朝飯→パン 昼飯→パン 夕飯→パスタ / 宿→Hospedaje Giselle(6500ペソ)

(English)
 Today I arrived at Careta Tortel.



(Español)
 Hoy llegué a Careta Tortel.
 朝、雨音で目覚める。結局、一晩中降り続いた雨。幸い、大雨ではなく、かつ、林の木々が雨よけの役割を果たしてくれていたというのもあり、雨漏りで、テント内はびしょぬれという事態は避けることができた。雨中走りは嫌だなぁと思いながら、出発準備をしていると、次第に雨が止み、青空が覗くようになった。おほほ、威力を発揮、晴れ男オイラのサンパワー。

 今日はわりと穏やかとなったアップダウン道をひた走り。30kmほど走ったら、分岐点に到着した。実は、今日の目的地としているトルテルという町は、アウストラル街道から離れ、20kmほど側道を走った場所にあるのだ。20kmの寄り道。この距離は、寄り道するにしては面倒なくらい離れているので、普段だったら素通りするところなんですが、ここは、惚れこんだアウストラル街道。側道も含めて、見れるモンは全て見てやろうと、鼻息荒い今日この頃のオイラは、なんの迷いもなく、トルテルへと向かうことにしたのでした。

 ベイカー川沿いに伸びる道を走る。道は相変わらず悪いが、コレまでの道以上に悪いということもない。ただ、風が思いっきり向かい風。真西へ向かうこのルート、西風をモロに正面から受けることになる。そして、こんな時に限って、強風。でもまぁ、チレチコを出発した時ほどの爆風ではないので、全然耐えられる風でして。いやいや、一度大変な目に耐えた後は、同じ種類の少々の障害に対しては耐性が出来ますな。

 と、今日は比較的気分よく走りきり、トルテルに到着。と、ここ、トルテル、町の入り口が駐車場となっており、ズラリと車が停められている。町に関係する全ての車両は、ここに停まっているのだ。ん?なぜ、<全ての車両>と言い切れるのかって?なぜなら、町に車が入れないからなのです。

 トルテルは、コレまで見てきたどこの町とも違った、風変わりな町でした。町の入り口から続く道は、<全て>木で作られた橋道。この橋道が、町中にある全ての家や施設につながっているのです。全てですよ、全て。地面による道は、まったくない。この地に足がついていないような町の風景、まるで、町全てが、すこしだけ浮遊しているように見えるのです。この町の奇妙さ、趣の深さをなんとか捉えようと、様々な角度からカメラを向けたのですが、オイラが実際に現地で感じた摩訶不思議さを写真に定着させることは出来ませんでした。いくつか、町の風景を写真で掲載しておきますが、実際に、トルテルの町に足を踏み入れた時の、ゾクゾク感は、残念ながら、写真からは伝えられませぬ。あ~、なんかホント、ファンタジーな異世界へと入り込んだ感覚だったんだよなぁ。ちなみに、オイラ、ここに来る前に、トルテルのパンフを見ていて、もちろん、町の風景を写真で見ていたんですよ。で、写真ではふ~ん、としか思っていなかったのに・・・実際に足を踏み入れて感じた、この感動。いや、ここほど、写真で見るのと、実際に訪れるので大違いな場所も珍しい。

 もし、アウストラル街道を訪れる機会があって、アウストラル街道から外れた場所にあるトルテルに行くのは面倒だと、通り過ごそうとしているのであれば、それはぜひ、考えを改めてもらいたい。絶対トルテルには来た方がいいです。ただの町じゃありません。この町でしか感じ取れない独特の雰囲気を持っている、稀有な場所です、ココは。

 と、べた褒めのトルテルなんですが・・・正直、チャリダーには厳しい町。というのも、町の中心に行くのに、当然橋道を通っていかねばならないのですが、この橋道、平坦じゃないんです。というより、丘の上にある入り口から、湖岸沿いにある町に降りるのに、急な階段道となっているんです。一応、入り口近くに宿もあるんですが、ちと高い。安い宿に泊まろうと思ったら、階段の橋道を自転車を担いで降りねばならない・・・

 今回、宿に入るために、オイラが取った行動はというと・・・とりあえず、自転車を入り口に停めた状態で、一旦町へ歩きで入り、安宿を探す。宿を決めたら、入り口に戻り、荷物を半分取り外し、担いで宿まで搬送。再び入り口まで戻ってきて、リアキャリアに着けたバッグはそのままで、自転車を担いで宿まで搬送。いやぁ、ホントめんどくさかった、この作業。

 しかし、一旦、宿に自転車と荷物を入れてしまえば、こっちのもの。トルテルの町の素敵な雰囲気を存分に楽しむとしよう。さてさて、宿に到着して、早々とトルテルには延泊することを決心したんですが、これは、宿が快適だからとか、町が素敵だからという理由ではなく(もちろん、そういう要素も多分にあるのですが)、今度は運び出すのが面倒だから・・・という理由で、明日出発するのは止めにしました、ハイ。