Parque Nacional Los Graciares
氷河公園なんだ、ココは(フィッツロイトレッキング1日目)

2010.12.07 / Argentina (El Chalten) 本日 自転車0km走行 : Total 24585km走行
天気:曇
朝飯→ごはん 昼飯→おむすび 夕飯→パスタ / 宿→テント泊 (タダ)

(English)
 Today I started walking around Fitz-Roy. It was cloudy day, so I couldn't see Fitz-Roy...



(Español)
 Hoy empecé dando una vuelta Fitz-Roy. Era el día nublado, para que no pudiera ver Fitz-Roy...
 昨日は青空が見えていたのだが、今朝は空一面に雲がはっている曇り空。薄い雲なので、明るい感じではあるのだが、青空が見えないので、テンションビミョー。宿のオネェサンが「今日はフィッツロイがクリアに見えるわよ」というアドバイスを真に受け、出発することに。一応二泊三日の予定。持っていく食材は、パスタ500g二袋、トマトソース200g二袋、パン適量、ハム、チーズ、スナック菓子、そして、今日のお昼分のおむすび。

 さて、ルートなんですが、エル・チャルテンの町からはいくつかのトレッキングルートが張り巡らされているんです。朝早くから出発するオイラとしては、ストレートにフィッツロイに向かうルートでは、フィッツロイに到着するのが早すぎてしまう。フィッツロイの麓で朝焼けを見たいオイラとしては、そんなに早くフィッツロイに到着しちゃっても、暇をもてあましてしまいそうで。ということで、フィッツロイの横にそびえるセロ・トーレスを最初に見て、グルリと迂回しながらフィッツロイへ向かうというルートを歩くことにした。このルートだと、ノンビリ歩いて回れば、フィッツロイの麓に夕刻くらいに到着できそうなのだ。

 町外れにあるトレッキングルートの入り口を通り、歩き始める。途中、一人の日本人の男の子に出会い、挨拶。そのまま歩き続けると、セロ・トーレスとフィッツロイを一望できるミラドールに到着。確かに、今日は山に雲がかかっていない。クリアに見えるセロ・トーレスとフィッツロイ・・・だが、やっぱり山はバックは青空じゃないと美しく見えない。ちゃんと見えたのは嬉しいのだが、おぉぉ、これがフィッツロイかぁという感激がイマイチ湧いてこない。

 その後、また黙々と歩き続けていると、だんだん、セロ・トーレスに雲がかかってきた。あっという間に雲は広がり、次のミラドールに到着した時には、すでにセロ・トーレスは雲の中。いやはや、山の天気は変わりやすい。この分だと、すでに隣の山に隠れて見えなくなっているフィッツロイも、雲隠れしているかもしれない。そしてこのまま姿を現さず、なんてことに・・・あぁ、やっぱりおとなしく、フィッツロイを先に見に行けばよかったのかも、と後悔しはじめる。

 そうこうしているうちに、トーレ湖に到着。ここから、セロ・トーレスがバッチリ見えるはずなのだが・・・完全に雲隠れ。セロ・トーレスはさっき見えたからまぁ、いい。ココからの風景でよかったのは、湖脇に広がる氷河。どうやら、ここの氷河はアイストレッキングできるルートになっているらしい。ということで、氷河脇まで歩けるルートがあるらしいので、間近で氷河を見られるかな、と氷河に続くトレッキングルートらしき道をたどっていったのだが、途中川があり道が途切れた。この川は、橋ではなく、ロープをつたって渡らないといけないようで・・・ロープ渡りをする気力まではなかったオイラは、ココで断念。引き返して、そのままフィッツロイへと向かうルートへ歩き始める。

 とりえあず、先ほど歩いてきた道を、逆戻りしていると、前方から、見たことある人の姿が・・・二度目の再会となるクリスチャンではないですか。フィッツロイはもう見飽きたので、セロ・トーレスの姿を拝んでから、そろそろ出発するつもりだというクリスチャン、今日は、セロ・トーレスが見れないじゃないか、と嘆いている。あれ?朝早くならクリアに見えたよ、というと、そうかぁ、朝早くだったかぁ、僕が出発した11時だと遅すぎたか、とクリスチャン。彼にとって、セロ・トーレスを見るのは<マスト>らしく、今日見れないならば、明日リベンジでもう一度見に来るとのこと。ちなみに、彼は、トレッキング途中でのキャンプはせず、エル・チャルテンの町から日帰りで足をのばす、おきらくトレッキングスタイル。食べ物と飲み物のみをいれた、小さなデイバッグを背負うだけの軽装だった。そうそう、エル・チャルテンの裏山であるフィッツロイやセロ・トーレスへは、日帰りで十分行ってこれるのだ。オイラみたいに、山の目の前で、朝焼けを見たいという思いがなければ、無理にキャンプをする必要もない。トレッキングルートを歩いていると、物凄く軽装な人から、ガッツリ武装した本格トレッカーまで、いろんなスタイルの人たちと出会う。ここをどう楽しむか、まぁ、人それぞれってわけだ。

 とりあえずセロ・トーレスの麓まで行ってみるというクリスチャンと別れ、オイラは、フィッツロイへと向かう。ここへきて、天気も回復してきて、青空がのぞく空模様。やっぱり、青空が見えると、歩いていて気持ちいい。テンションあげ気味で、歩く。そして、途中に見えたマドレ湖の脇で昼飯。おむすびを取り出しほおばる。う~ん、ウマイ。具なしのただの塩むすびなのだが、こういう場所で、空腹で食べる飯は、格別な味なのだ。

 食事を終え、再び歩き始め、フィッツロイが見えるはずの場所へと出た。が、フィッツロイは見えない。やっぱり、雲隠れ。ん~、マドレ湖脇から見るフィッツロイがスゴイって聞いていたから楽しみにしていたのに・・・見れないじゃないかぁ。

 少々待っていても雲はどいてくれそうもない。しょうがないので、フィッツロイ麓にあるポイセノットというキャンプ地へ行くことに。キャンプ地へはすぐに到着でき、早速テントをはるオイラ。この時点で時刻は16時過ぎ。このままテントに篭るにはちょっと早すぎる時間だったので、近くにあるという絶景氷河<Piedras Blancas Glaciar>を見に行くことにした。リオ・ブランコ沿いに続く、悪路のトレッキングルート。時々泥道になり、途中から川辺の岩道となり、ゴツゴツした足場の悪い石の上を歩いていかねばならなくなる。そんな石の上を歩き続けていると、次第に石が巨大化していき、目の前に広がるのは、岩の山となってきた。氷河を見るためには、この岩の山を越えていかねばならないらしい。一応トレッキングルートらしく、ところどころに、目印となるように小石が積み重ねてある。それを頼りに、岩を越えていく。いくつかの岩を越えたところで、息を呑んだ。

 この氷河は・・・

 大きさ、形状ともに、オイラの大好み。上の方に広がるゴツゴツした氷河形状には、ゾクゾクさせられる。そのまま、引き寄せられるように、氷河の目の前に広がる湖脇まで歩く。近い。この素晴らしい氷河が近い。自力で見に来た氷河としては、一番の迫力で迫ってきた。

 そうなのだ、ここは、<パルケ・ナショナル・ロス・グラシアレス>。日本語に訳すと、氷河国立公園。フィッツロイは一つのランドマークに過ぎず、この地の主役達は、周辺に広がるパタゴニア南部氷床からあふれ出てくる氷河たちなのだ。手持ちのマップを見ると、この周辺には様々に名づけられた氷河たちが存在している。うむむ、最近すっかり氷河に魅せられつつあるオイラとしては、この周辺に広がる氷河たちを見尽くしてみたい気もする。う~ん、そうすると、二泊三日じゃ終わらんな・・・