(English)
Today it was rainy day.
(Español)
Hoy era el día lluvioso.
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夜中、一旦おさまったようにみえた風も、2時頃から再び強く吹き始め、なんども風音で起こされる。ただでさえ、地面が砂利でゴロゴロしており、寝苦しいというのに・・・完全に寝不足のまま朝を迎える。
パンをかじり、サッサと出発準備。明け方、空に漂っていた雲がなくなり、いい感じの空になったのだが、それも一瞬。あっという間にまた雲が空に広がってしまい、曇天空に。今日もイマイチ気分が乗り切らないまま、未舗装パンパ道を走り始める。
しばらく走っていると、遠くに雪をかぶった玄武岩の山が見えてきた。むむ、方角的に考えると、パイネ国立公園のある方だ。アレは、パイネにあるどれかの山なのだろうか?
そして、さらに走り続けていると、沼地が現れた。その沼地、水辺にピンク色の生き物が動いている・・・おぉ、フラミンゴだ。フラミンゴはよく見るなぁ・・・野生のフラミンゴを最初に拝んだガラパゴスでは、すごくありがたかったのに、南米で何度も遭遇しているうちに、今では、見つけても、そんなに感慨深く感じない・・・うぬぬ、贅沢な感覚になってしまったもんだ。
フラミンゴが見えた沼地からちょっと走ると、Tapi Aikeという場所に到着。ここでまたルート40と合流。未舗装道路走りが終了し、再び、舗装道路を走り始める。結構いいペースで走れている。アルゼンチン&チリの国境まで後50km弱。これは、今日中に国境を越えられるかもしれない。国境?ええ、またチリに行くんです。次にトレッキングをしようと思っているパイネ国立公園は、チリにあるんですよ。なので、再び国境越え。で、問題なのは、またチリに入国するということ。前回、チリ入国の時には、食べ物審査で引っかかり、ハムとチーズをその場で食べつくせねばならないということになってしまったことを思い出すオイラ。今回も、テント泊が多くなることを見越して、買い込んでおいたハム&チーズ。カバンの中には、まだ封をあけていないハムとチーズがそれぞれ1袋づつある。これは、腹が減っている今、食べつくしておいた方がいいな、と判断し、ハム&チーズサンドで昼飯にすることに。
パンを半分に切って、ハムとチーズと玉ねぎをはさんで、パクリ・・・ん?なんか、変な味がする・・・薬品というか、消毒液というか、そんな感じの匂いが鼻につく。チーズ、それともハムが腐っているのか?と思って、それぞれを取り出し、匂いをかぐも、ハムとチーズは大丈夫そう。んじゃ、パンか?とパンの匂いを嗅ぐと、どうも、パンが臭い。パンか・・・パンなら、これ、保存薬の匂いなのかもな、と納得。実は、袋詰めのパンを買うと、たまに、保存料をがっちり使っているためか、変な薬品臭いパンな時があるんです。今回も、そういうことか、と思って、無理しながら、3つほど食べたのだが・・・どうも、やっぱり、変だ。薬品というより、なんかガソリン臭い・・・ガソリン・・・むむ、ひょっとして!!!パンを入れていたカバンを開けてみた。そこには、エル・チャルテンで買った、ストーブ用のホワイトガソリンの残りがプラスチック容器ごと入れられている。中身を確認すると、以前の状態より、確実に中身が減っている。
これか・・・
ホワイトガソリンは、非常に揮発性が高く、機密性の高い容器にいれておかないと、常温でも、どんどん気化して外へもれていってしまうのだ。MSRの瓶に入れておけば大丈夫なのだが、お店で売っているプラスチック容器に入れていると、いつのまにか、容量が減ってしまっていることになる。で、今回、そんなホワイトガソリンと同じバックにパンをいれてしまっていて・・・一応パンはビニール袋に入っていたとはいえ、気化したホワイトガソリンは、ビニール袋をすり抜け、パンへと吸い込まれてしまったようなのだ。
つまり、食べてしまったパンは、パン・コン・ベンシーナブランコ、ガソリン入りパンだったのだ。気付いた時にはもう遅し。すでにパンは飲み込まれ、胃の中へ。体に害がないことを祈るのみだ。とりあえず、お腹を壊さなければいいが・・・せっかく、ハム&チーズを消費し、やましい心無く、すっきりと国境越えが出来ると思ったのに、新たな不安を抱えての、国境越えに挑むことになってしまった。
うう、ゲップするたびにこみ上げてくるガソリンの匂いが、気持ち悪い・・・
そんなオイラの気持ちの落ち込みに連動してか、空の天気はどんどん悪くなっていく。そして、ポツポツ降り始めた雨は、次第に本降りへと変わっていった。なんてこった・・・雨宿りをしたくても、建物どころか、木すらない。覚悟を決めて、ひたすら走る。
しばらく走ると見えてきた分岐道。オイラが越えようと思っていた国境は、右折方向の道となる。そして、この道が・・・未舗装道。このまま舗装路で国境を越えられると思っていたのに・・・しかも、目の前に広がるのは、雨のため、できてしまった泥水の水溜り。ここへきて、完全にスピードダウン。さらに、冷たい風もビュービューと吹いてきて、すっかり前へ進む気力をなくしてしまった。
雨の中、未舗装道を7kmほど走り、やっと辿り着いたアルゼンチンのイミグレ。建物に入り、職員の方に「パイネに行くのか?パスポートを」と言われるも、「いや、チリには、明日入ろうと思うんで、今日は、この辺にテントをはらせてもらえませんか?」と頼みこむ。あぁ、せっかくハム&チーズを消費したにもかかわらず、今日のチリ入りは断念。これだったら、夕食&朝食用にハムとチーズを残しておけばよかった・・・
まぁ、そんな食べ物を後悔するより、心配すべきは、今日の宿。で、オイラの頼みを聞いた、アルゼンチンのイミグレ職員のオジさんは、「だったら、離れの小屋を使わせてやる。今、誰も使っていないから」と言って、イミグレ本館の隣にある建物へ、案内してくれた。「今、使っていないため、ガスや水は出ないが問題ないよな、水はほしければ、イミグレの建物にくれば、あげるぞ」、とのありがたいお言葉。ガスや水は大丈夫です。いや、もう、雨風がしのげるだけでありがたい。感謝感謝です。
早速広い部屋の真ん中にマットを敷き、寝袋にくるまる。それにしても、寒い。昨日は、暖かくて、上着一枚で寝れたというのに、ここへ来たら、また、急に寒くなってきた。風が冷たいのは、氷河地帯にまた近づいているためなのか?とにかく、雨を気にすることもなく、風音に悩まされることもなく、寝れるのはホントありがたい。昨日の睡眠不足もあって、今日は、サッサと爆睡するオイラだったのであった。
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