Entro soledad
再び孤独にトレッキング(パイネトレッキング六日目)

2010.12.29 / Chile (P.N Torres del Paine) 本日 自転車0km走行 : Total 25061km走行
天気:晴のち曇
朝飯→パスタ 昼飯→パン 夕飯→パスタ / 宿→Campamento Las Carretas(フリー)

(English)
 I'm alone again.



(Español)
 Estoy de nuevo solo.
 朝起きたらビックリするくらいの快晴だった。昨日まで、雲に隠れがちだったグレイ氷河の先端部分にも日があたっている。気持ちいい青空の下、9時半に出発。道は相変わらずの崖道。しかも、今日は、無駄にアップダウンが多く、メンドクサイ。だんだん標高の低い方に向かっているのだから、おとなしく緩やかな下り坂が続けばいいのに・・・なんて思っていたのだが、メンドクサイ上りを上りきった場所からは、必ずといっていいほど、素晴らしい風景が見える。まぁ、この風景を見せつけられちゃうと、すんません、次はおとなしく上りますと、降参するしかない。

 ということで、面倒なアップダウン道は、オイラ達を予想以上に疲れさせる。今日もリョウマくんと共に歩くトレッキング道、最初はオシャベリしながら歩く余裕があったものの、次第に二人とも疲れ、黙々と歩くのであった。しばらく歩き続けていると、目の前に、気持ち悪いほど美しい色の湖が見えてきた。地図を見ると、ペロエ湖らしい。この湖の湖畔にレフレオ&インフォメーションセンターがあり、休憩。昼飯をここで食べることにした。

 さてさて、初日から行動をともにしてきたリョウマくんとはここでお別れなんです。というのも、リョウマくんはこのままWのルートで、フランセス谷へと向かうのだが、オイラは、パイネ連峰を引きの画で見るため、ちょいとルートから外れて南下することにしまして。

 パイネ連峰の周囲を巡るサーキット+Wのルート。このルートだけ歩いていると、ひたすら山が近いんですよ。常に目の前にそびえる山を仰ぎ見る感じ。これはこれで、迫力ある山を感じ取れるんですが、山はどちらかというと、引きで俯瞰的に見るほうが好きなオイラとしては、サーキット+Wのルートだけでは、もの足りなくなってきちゃって。地図を眺めってあれこれルート検討してみたんです。検討したルートは・・・ここペロエ湖から、グレイ川沿いのトレッキングルートを歩き、一旦Administrativa CONAFの方に出る。そして、Guarderia Pudetoまで、バスに乗って移動して、引いて見たパイネ連峰の風景を堪能した後、ペロエ湖を船で渡って、ふたたびココに戻ってきて、Wのルートのトレッキングを再開する、というルート。結構長い道のりなんですが、バス&船を使っちゃうので、2日かければもどってこれるかな、って感じ。

 と、これは完璧なパイネ堪能ルートだと思っていたのですが、ここのインフォメーションセンターで聞いたところ、なんと、ペロエ湖を渡る船が11,000ペソもするとのこと。思っていた以上の高額にビックリ。うぬぬ、ちょっとその出費はもったいない気がするぞ・・・

 船に乗るかどうかは後から考えることにして、とにかく南下することは決定。リョウマくんとお別れの握手を交わし、お互い別々の道を歩き始める。

 ま、一人旅はいつものことですから。ちょいと心寂しい感覚を抱きながら、ちょいとムリしてテンションをあげながら歩き始める。

 しばらくペロエ湖脇の、ちょいと厳しい崖道を歩き、対岸に渡りきってからパイネ連峰のある方を振り返ってみてみたら・・・これが、絶景。さっきまで、無理やり上げていたテンションが、自然に一気にあがりはじめる。いやぁ、さすが、パイネ。引き出しもっているなぁ・・・見下ろして見たグレイ氷河で、オイラの中で、パイネトレッキングはほぼ終了し、あとは消化試合のつもりだったのだが・・・いやいや、ココで、逆転満塁ホームランを打たれてしまった感じです。試合はまだまだ行方が分かりませぬ。

 晴れた空の下で、絵の具のような色の水で輝くペロエ湖の湖面越しに、これまた均整のとれたパイネグランデと、クエルノス・デル・パイネの連峰がそびえ立っている。まるで、絵画でも見ているような、あまりにも非現実なほど美しい風景。

 この風景はヤバイ・・・

 そのまま、草むらに荷物を放り、座り込んでこの風景を眺めるオイラ。また時間が過ぎるのを忘れるほど、風景に飲み込まれてしまったのでした。

 ただ、ここからでも、まだ風景がでかすぎる。広角のキャノンのカメラでも全体がおさまらない。Optioのパノラマ撮影機能を使ってようやく、全体が一枚におさまる。もっと離れて見てみようと、南下トレッキングを始めたのでした。

 グレイ川沿いにトレッキングロードは続く。と、草原に出たので、振り返って見ると、ちょうどいい感じのサイズでパイネ連峰が見えた。そして、先ほどとは見る角度が変わったのか、クエルノス・デル・パイネ連峰のクエルノ・プリンシパルと、クエルノ・エステ、そして、その隣のモンテ・アルミランテ・ニエト間に存在する谷が見え、それぞれの峰がクッキリ見える絶妙な風景へと変貌を遂げていた。先割れクエノスだ・・・

 そうそう、この角度からのクエルノス・デル・パイネが見たかったんです。

 いや、満足。残念ながら空には雲が広がってきて、完全青空の下でのパイネ連峰の俯瞰図とはいかなくなっちゃったけど、目の前に広がっているのは、十分すぎるほど素敵な風景。

 ここでも、しばらく風景に心奪われ、放心していたのですが、どんどんと雲行きが怪しくなってきた。ひょっとしたらこのまま雨が降るのでは?という雰囲気に。とりあえず、キャンプ地に早めに行こうと、先を急ぐことに。が、なかなかあるはずのキャンプ地が見えない。一応地図には、フリーのラス・カレタスキャンプ場なるキャンプ場があるはずなのだが・・・手持ちの水もなくなってきて、足も疲れ、もうそろそろ限界ってところで、目の前に黄色いテントが見えてきた。あ、キャンプ地だ、助かった。

 ふ~、よかったよかった。それにしても、疲れた。今日は20km越えか。どうりで足が痛いわけだ。

 ちなみに、このルート、ほとんどの人は歩かないみたいで、人と全然すれ違わなかった。キャンプ地も一組のトレッカーがいただけ。黄色いテントをはっていた、チリ人のロドリゲスと、ドイツ人(名前を忘れた)の二人と談笑しながら、過ごす。やっぱり、あんまり人がいないキャンプ地のほうが落ち着く。芝生がフカフカのこのキャンプ地は、はだしでウロウロするのが心地よい。歩き疲れた足の疲れが、緩やかに心地よさへと変わっていく。ただ、ここ、いい雰囲気のキャンプ場ではあるんですけど、キャンプ場からは、クエルノス・デル・パイネの姿が見えない。見えるのは、パイネグランデのテッペンだけ。それがちと残念。


























本日のトレッキング23km:赤ライン