Finaliza la Ruta Nac, N3
終わりに行って、始めよう

2011.3.13 / Argentina (Ushaia) 本日 自転車50km走行 : Total 25978km走行
天気:曇のち晴
朝飯→パン 昼飯→チャーハン 夕飯→メンチカツ / 宿→上野山荘46日目

(English)
 Today I went National Park by bicycle.



(Español)
 Hoy pasé Parque Nacional por bicicleta.
 最近、朝早くに勝手に目が覚めるようになってきた。そして、一度目が覚めちゃったら、もう眠れない。なんだか、体が興奮しているのだ。しょうがないので、起き上がる。外はまだ暗い中、シャワーを浴びて、パンをパクつく。うむむ、これは、チャリでの走りモード時の日常じゃないか。体はそろそろ、走る準備を始めちゃっているってことなのか。

 日本の状況が気になるものの、一日中テレビやネットを見ていても・・・新しい情報が頻繁に入ってくるワケでもない。特に、こちらの昼間は、日本の夜。よほどのことがない限り、こちらの昼間の時間帯に新しいニュースがアップデートされることはない。同じニュースがループで流されている。

 体は動きたい、情報は動かない・・・なんかしていないと、やってられない気分。

 朝、空にはどんよりと雲がはっていたのだが、天気予報によると、今日は午後から、晴れてくるらしい。ということで、今日は久々に自転車で出かけることにしたんです。

 ウシュアイアには、行こうと思っていいるものの、まだ行ってない場所がありまして。それは、Tierra del Fuego国立公園内にある、ルート3の終着点。道の終わり。そろそろ出発も考えはじめている今日この頃。道の終わりに行き、次のスタートの踏ん切りをつけてみるべし、と、本日、そこへ、自転車で行くことに。

 弁当用にと、チャーハンを作って、タッパーに詰め込む。10時過ぎに、宿を出発。ウシュアイアの町を抜け、町の西側にある未舗装道に突入。国立公園に続く一本道。ルート3だ。

 この間トレッキングに行ったPaso de la Ovejaへの入り口となる谷を左手に見ながら進む。トレッキングした時には、茶色い岩肌を完全露出していた谷の山々だったが、今日は、雪で白く化粧している。ここ数日、町で降っていた雨霰、山にはどっさり雪を降らせていたらしく、久々に出た外の風景は、すっかり変わっていたのだ。緑一色だった木々も赤黄色に変化してきている。秋と冬がいっぺんに訪れたウシュアイア。短い秋に突入し、あっという間に冬を迎えて、走れなくなった二年半前のアラスカでの日々が頭をよぎる。

 未舗装のルート3をしばらく走っていると、右手に、駅が見えてきた。世界最南端を走る蒸気機関車<世界の果て号>の発着駅だ。ウシュアイアに来るまでは、乗ってやろうと思っていた、世界の果て号ですが、到着して、のんびりしているうちに、乗る気が減衰。こういうアクティビティって、到着してすぐトライしないといかんな。テンションが落ちてくると、ま、乗らなくてもいいか、というナァナァな気持ちになってくる。ま、<世界の果て号>は、写真を撮るだけで満足。そのまま駅を後にして、ルート3を自転車で。

 道脇に見えてきた小屋で、入場料を払い、いよいよ、国立公園へ。いい雰囲気だ。端と聞くと攻めてみたくなるのは悲しきチャリダーの習性。国立公園に興味があったわけではなく、単純に、端、道の終わりに行ってみたくて、とりあえず、と、ルート3の終点に辿り着くことのみを目的にして、来たんですけど・・・普通に、サイクリングが楽しいじゃないか。いい雰囲気だぞ、Tierra del Fuego国立公園。天気予報どおり、空も晴れてきて、気分が乗ってきた。思っていたほど、道はガタガタじゃないし、アップダウンも激しくない。のんびり走るにはいい感じの道が続く。

 公園に入ってから20km弱、Lapataiaの看板が見えてきた。ルート3の終点。道の終わりだ。看板には<Alaska 17,848km>の文字。アラスカから、まっすぐ下ってくれば、17,848kmの道のりを、オイラは25,978km走ってきたってわけだ。さぁ、記念撮影、と看板前で写真を撮るも、う~ん・・・ん、もっと感激すると思っていたのだが、思っていたより心が動かない。長く休みすぎちゃったからかな。

 ウシュアイアの町中の<Fin del Mundo>の看板前でガッツポーズを決めた時が、<やってやったぜ>気分の盛り上がりピークでしたな。やっぱり、あの時、国立公園に突入すべきだったか・・・一応トライしてみたんですよ、ウシュアイアに到着したあの日、1月27日。<Fin del Mundo>の看板があまりにも見つからなかったため、こうなったらルート3の終点に行って、最南端証明写真を撮ってやるか、と思って。でも・・・町外れから未舗装に変わった道を走りはじめた時点で、テンションダダ落ち。あの時は辛かった。疲れていたし、天気もよくなかったし・・・途中で諦め、引き返しちゃったんです。

 ということで、道の終わりで、いまいち盛り上がり切れなかったオイラ。ウシュアイアに戻るか、と、のんびり道をひきかえしながら走っていたら、対面から、フル装備の荷物を装着した自転車をこぐチャリダーが走ってきた。ブエノスから出発し、今日ウシュアイアに到着したというアルゼンチン人チャリダーの彼、ウシュアイアの町では立ち止まらず、そのままルート3の終着に突入すべく、爆走してきたという。彼は、きっと、ルート3の果てでガッツポーズをして、喜びをかみしめれるに違いない。なんだか、ちょっとうらやましい。