Himba
ヒンバ族に大興奮。これです、これを期待してました、アフリカ

2011.4.5 / Namibia (Tsumeb~Opuwo) 本日 自転車0km走行 : Total 26024km走行
天気:晴のち曇
朝飯→パン 昼飯→パン 夕飯→パン / 宿→ヒンバ村に宿泊(ガイド料に込)

(English)
 Today we met himba people.



(Español)
 Hoy nos encontramos a las personas del himba.
 ヒンバ族に会いに行こう!・・・え?ヒンバ族って?、ええ、ヒンバ族というのはですね・・・ナミビア北部に住むヒンバ族、アフリカでもっとも古い生活様式を続ける民族の一つなのだそうです。

 そんな、彼らに会うことが、このナミビアレンタカー旅行の第二の大きなイベントでして。気合を入れて朝早くから出発。ヒンバ族の住むエリアで一番大きな町というオプウォ目指してひた走る。・・・と、気合が入りすぎたマサさん、思わずスピードを出しすぎたようで・・・途中の検問で、今度はスピード違反ということで、ポリスに止められてしまった。昨日に引き続き、またも、罰金となるのはキツイ。そしてそれより、警察署に罰金を納めるために、最寄の町まで戻らねばならないというのが、もっとキツイ。ここでの時間のロスが、ヒンバ族と出会える時間を削っていくからだ。なんとかならないか、とポリスのおじさんと交渉したら、フルーツジュース一本と100ナミビアドルで許してくれた。はわわ、ここはお情けが通用しちゃいましたね。っていうか、ん~、賄賂ってやつですか、これ。

 なんとか、関門を切り抜け、オプウォへと急ぐ。もちろん、今度はスピード違反に注意しながら。

 そんなナミビア、北部へ行くにしたがって、周囲の風景が変わってきた。南部の道は、どちらかというと荒涼とした砂漠道が多かったのだが、北部は、湿地帯が広がっている。周囲に緑が増えて心地いい・・・かと思いきや、実はそうではない。運転的には、ヒヤヒヤものになってくるのだ。というのも、湿地帯、たまっている水の量が半端ない。一応雨季があけたとされている今でも、道沿いの家が、水に浸かって、床上浸水状態。車も水没しちゃっていまして・・・オイラたちが走っている幹線道路は一応水がこないところに作ってあるらしいのだが、それでも、ところどころ、浸水してきていて、川のようになった水の流れをつっこまなければならないのだ。ココへ来て、四駆で来なかったことを若干後悔しはじめるオイラたち。セダンでは越えられない道になっていたら、どうしよう。ここまで来て、ヒンバ族を諦めるワケにはいかない。

 とにかく、そんなヒヤヒヤ道を走り、ナミビアのほぼ北端の町に到着。隣の国、アンゴラは、もう目と鼻の先。ここまで来たら、せっかく来たんだからということで、アンゴラに入国したい気が沸き起こるのだが、今日はそんな暇もないので、道を折り返して、オプウォへ向かう。

 ここへ来て、オプウォまでの道が分かりづらくなった。途中で何人もの人に道を聞きながら、走る。と、次第に、民家らしきものがぽつぽつ見えるようになってきた。そして・・・そこには、上半身裸で全身赤茶色をしている人たちが!ヒンバ族の人たちじゃないですか。なんか、独特の文化をもつ少数民族の人たちも、今や、画一化の消費社会に飲み込まれ、普段はTシャツとかで暮らしていて、観光客が来たときだけ衣装を身にまとって現れるってイメージがありまして。ヒンバ族の人たちも、そうなのかなぁ、なんて思っていたんですが、そうじゃなかった!

 ヒンバ族の人たちは、普段も、独自の風貌で生活していたんです。オプウォの町に入っても、おっぱいポロリのヒンバ族の人たちが普通にたたずんでいる。異世界です。スーパーや、銀行のATMが立ち並ぶ町空間に、上半身裸で全身赤茶色で、動物の皮の服を、腰や頭に巻いている人たちがいるって・・・いやはや、アフリカにはこういう風景をみたくて来たんだと、この時、気づきました。オイラたちからすれば、完全に異質な空間なのですが、ここで暮らす人たちは、この風景があたりまえであり、日常の一コマにすぎない。このギャップ!これを味わうのが旅の醍醐味なんだ!

 次第に画一化されつつある世界。町はどこへいっても同じような店が立ち並び、そこで暮らす人々は、同じような服を着て生活している。オイラの大好きなアニメ<フリクリ>では、ハルコさんやナオタくんが対峙する相手は、巨大なアイロンで世界中をまっ平らにしていくという組織であった。アニメらしいメタファーだが、現実の世界も、実質的には、のっぺりと異質感がないものに、延ばされつつあるるのだ。そういうコトに対して、なんかもどかしさを薄々感じている。だからこそ、こういう異空間に遭遇することが、心を喜ばせてくれるのだ。

 世界には、まだ、オカシナ空間が残っている。

 違うから排除しようというのではなく、違うことを面白がろう。面白がることで、違いが受け入れられる。受け入れた違いは、対立を生まない。対立とは、違いを拒絶した瞬間に生まれてくるものなのだから。

 とにかく、異質感たっぷりのオプウォの町の風景は衝撃的にオイラの心を打ち抜いたのでした。とりあえず、適当な場所に車を止め、外を眺めていたら、一人の男の人が近づいてきた。ヒンバ村まで案内するぞ、と声をかけてくる。そう、ここオプウォの町でもヒンバ族の人たちをたくさん見ることができるのですが、近くにあるヒンバ族の人たちが生活している村に訪れることも出来るんです。そこはザッツ・ヒンバワールド。ヒンバの世界を思いっきり堪能できるらしいのですよ。ただ、その時は、ヒンバ族の言葉をしゃべれるガイドさんと一緒にいかないと、うまく入り込めないらしくて。というのも、ヒンバ族の人たちはほとんど英語をしゃべれないんで。

 ヒンバ族の村に行きたいと思っていたオイラたちは、早速その男の人と交渉開始。ヒンバ村で泊まれるよう計らってもらうことを条件に、4人合わせて600ナミビアドルの値段で決定。この600ナミビアドルの中には、ヒンバ村に訪れる際に、もっていくお土産代350ナミビアドル分が含まれている。村に入るには、お土産を持っていかないといけないらしいのだ。ということで、スーパーによって、とうもろこしの粉とか、パンとか果物とかをしこたま買い込んで準備完了。ガイドとなったフェストゥスさんを乗せて、いざヒンバ族の村へ。

 辿り着いたヒンバ族の村、最初はひっそりしていたのだが、オイラたちが来たからなのだろうか、続々と素敵なヒンバの女性たちが集まってきた。町だと、写真を撮るのに、一枚一枚お金がかかるらしいのだが、ここ、ヒンバの村では、写真は撮り放題ってことになってまして。ひたすらカメラを回すオイラ。いやぁ、誰を撮っても見事な被写体となる彼女たち。カメラマン心をくすぐられっぱなしなわけですよ。一枚撮るごとに「撮った写真を見せて」と要求するヒンバの女性たち。きれいに撮れていると、「みてみて」と周りの女性にカメラのモニターをみせびらかす。そうすると、「私も私も」となり・・・撮られることが好きなようでよかった。いくら撮り放題と言われても、嫌々なそぶりをされちゃうと、撮る方のテンションも落ちちゃいますからね。そんな感じで魅力的な女性たちを撮っていたら、ガキンチョたちが近づいてきて「俺らも撮って撮って」と、まとわりついてきた。このガキンチョたちが、またかわいい。ポーズやしぐさが、軟体動物のごとく次々に変化していく。ガキンチョたちの撮影にも夢中になっちゃいました。ただ、ガキンチョたちは油断していると、平気でレンズに指を突っ込んできます。気をつけましょう。

 その後も、家の中に招いてもらったり、バターと赤い粘土を混ぜたという体に塗る塗料を手や顔に塗ってもらったりと、楽しい時間を過ごす。

 で、日も暮れかけた頃、皆さんが村の真ん中で輪になってたたずみ始めた。なにか宴でも始まるのかと思いきや・・・始まったのはお土産売り大会。30人くらいが輪になった空間内に、オイラたちは連れ込まれ、おのおのが目の前に並べるアクセサリーを勧めてくる。

 え、これ、買いづらいんですけど・・・

 先ほどのふれあいで、コミュニケーションをとった何人かの人から「私から買って」と迫られちゃって・・・しかも、そのアクセサリーのデザインがビミョウだったりして・・・一箇所で代表して売ればいいのに、なぜに、個々人で競争させて売らせているのやら・・・買わないとこのサークルからは出られない、という効力を持たせるためなのか?

 とにかく、買わないと終わらない雰囲気だったので、よさげなデザインの腕輪を購入。お土産はめったに買わないオイラなんですけどね。ヒンバの衝撃を思い出すいいアイテムにもなるし、と思って一つ買うことに。

 そんなこんなで、楽しかったヒンバ村訪問が終了。最後、日が暮れた後の記念撮影が、ブレブレ写真となっちゃったのが残念ですが、思う存分楽しめました。

 で、その後なんですが・・・村に滞在させてくれる条件でガイドをお願いしたので、そのまま村に滞在させてくれるのかと思いきや・・・村はずれのところでテント泊。え、話がちょいと違いません・・・?ま、満足したのでいいか。どうせ今日は疲れちゃっているから、寝るだけだし、と、焚き火をした後、サクッと就寝。

 ・・・と、寝付き始めたと思った時、なにやら太鼓の音が聞こえてきて目が覚めた。テントから出てみると、暗闇の向こう、先ほどのヒンバ族の村の奥の方からから、なにやら宴でもやっているような音が聞こえてくるじゃないですか。夜、盛り上がってるじゃん、そういうのが見たくて、村で宿泊させてって言ったのに・・・ガイドのフェストゥスさんのテントからは、グーグーいびきが聞こえてくる。フェストゥスさんに連れていってもらいたいんですけどぉ・・・起こすに起こせず。しかも、電灯もない暗闇の中、勝手に村まで歩いていく勇気もなく・・・あぁ、アフリカ太鼓楽しみにして来たのにな・・・アフリカ太鼓初体験は、音だけ。まぁ、それもイマジネーションを駆り立てていいじゃないか、と無理やり自分を納得させてみる。