I like Hermanus
多分、導かれました、ハマナスに

2011.4.29 / SouthAfrica(Grabouw~Hermanus) 本日 自転車35km走行(車含め52km) : Total 26225km走行
天気:雨のち時々晴 ネット:1
朝飯→パン 昼飯→白身魚のフライ 夕飯→牛肉ステーキ / 宿→Hermanus Backpackers(ドミ120ランド)

(English)
 Today I visited on Hermanus.



(Español)
 Hoy visité en Hermanus.
 このままN2をひた走って、まっすぐ東へ進もうと思っていたのだが、おととい、昨日の失敗から、昨日の晩、テントの中でガイドブックをガッツリ読んでみたオイラ、ここから広がるオバーバーグ地方、いろいろ見所があるということに気づきまして。N2を外れ、海岸方面に寄り道しながら進むことにしたのですよ。

 ということで走り始めたのだが・・・朝晴れていた空に、みるみるうちに雲がかかってきた。しかも、この雲、N2をこのまま進む方向には、薄い雲しか張ってないから、雨はなさそうなのだが、寄り道しようと思っている海岸方面には、怪しい灰色の雲がたちこめていて、雲の下は超モヤっているじゃないですか。う~む、これは、やっぱりおとなしくN2方向に進むべきなのかぁ、とも考えたのだが、一旦心の中に広がってしまった<行ってみたい気持ち>はもはや抑えることができず、雨覚悟で海岸方面に突入。

 そうそう、オイラの行動原理となっているのは、<行ってみたい>という欲望なんですよ。で、オイラのこの欲望は多分、他の人より強い。いや、というより、欲望に打ち勝てない人間なのかもしれないんですけど・・・この欲望に素直に従っちゃうんですよ、オイラ。普通の人だと、心に沸き起こったモヤモヤとした欲望は、諦めたりするのかもしれないんですけど・・・オイラの場合、そのモヤモヤがいつまでたっても消えなくて。そして、そのモヤモヤを心にとどめておくのがツラくなってくるもんだから・・・このモヤモヤは、欲望を満たすということでしか、消えないでしょ、と、満たせるように動いちゃうんです。これがオイラの行動原理。いたって動物的です。理屈とかでは動いてない。欲望というモヤモヤを消したいから、動いているだけ。

 そんな欲望に忠実な行動ゆえ、たとえ雨の中を走ることになったところで・・・めんどくさい、なんでこんなことをやっているんだろとは思うものの、そんなに後悔の念はない。やりたいことなんだからしょうがないでしょ、と腹の底ではわかっているのだ。

 いや、でも・・・雨の中の走りはめんどくさい。しょうがないとは思うものの、ホント、めんどくさい。最初は霧雨のような雨だったのだが、次第に、大粒の雨に変わってきた。パタゴニアのスーパーで買ってきた新品の黄色いレインカバーを取り出し、羽織る。背中に大きくバックプリントで<パタゴニア>って書かれている素敵なレインカバーだ。大雨のなか、ヨロヨロと自転車をこぐオイラ。そんなオイラの姿をかわいそうに思ってくれた、車に乗った優しいお兄さん、クリステゥさんが、途中、ひろってくれた。ありがたい。

 クリストゥさん、旅好きらしく、オイラのレインカバーの<パタゴニア>に反応して声をかけてくれたようだ。「南米、走ってきたのか?」とクリストゥさん。「ええ」「じゃぁ、乗ってけ」。うむむ、このパタゴニアレインカバーを羽織ってなかったらどうだったんだろう・・・

 さて、オイラとしては、今日はGansbaaiという町まで行こうと思っていたのだが、クリストゥさんは、その前にあるハマナスという町までしか行かないという。もちろん、ハマナスまででもオイラ的にはありがたい話で、とりあえず、そこまで乗せてもらう。で、ハマナスに到着したら、雨も止んでいたので、このまま次の町に行こうと思ったのだが・・・クリストゥさんが、ここのバックパッカー宿は知り合いだから寄っていけという。とりあえず泊まるかどうかは別にして、この先の道の様子を聞くだけでも、寄ったほうがいいから、と。

 ま、道を聞いてから考えようかな、と思って連れて行ってもらったバックパッカー宿へ入る。

 と、ここで忠告に従っておいてよかったコトが判明。オイラが考えていた道は、ラフロードで大変らしいとのこと。しかも雨の後だから、自転車だとツライだけかもしれなかったのだ。じゃぁ、どの道がよいのか、と聞いたところ、実は、もうちょっとN2を走って、Caledonという町から海岸方面に向かう道がメインロードだから、その道を通っていけばいいとのことで。んん・・・なんてこった、あちらを行っていれば、雨にあわなかったかもしれない・・・

 間違えた~!と、この時は思った。

 でも、いろんな偶然が重なって訪れた、このハマナス。結果的には、めっちゃ素敵な気分にさせてくれた場所となりまして。間違いじゃなかったんです。

 とにかく、この先のルートをもう一度ちゃんと考えてみようと、結局今日はもう、ハマナスで休むことに。で、まず、洗濯。雨にぬれた服とともに、しばらく洗ってなかった服も取り出し、ひたすら洗濯。

 と、洗濯をしているオイラに、宿のオーナーが話しかけてきた。このオーナーも旅好きでして。アフリカをバイクで旅してたらしい。で、先ほどオイラを拾ってくれたクリストゥさんは、その時の旅仲間らしい。

 さて、洗濯をし終えたオイラ。せっかくなんで、ハマナスの町でも散策してみようかな、と、外へ出ようとしたら、オーナーに呼び止められた。どうやら、新聞記者さんが来るらしい。なんとオイラを取材しに。宿のオーナーが電話したとのコト。え~勝手に・・・ま、うれしいんですけど。

 そんなわけで、宿に来た新聞記者キャリーさんから、オイラの旅について、取材を受ける。いろんな質問をされたんですけど・・・そうそう、聞かれて返事に困るのが、なんでこのちっちゃな自転車で旅しているの?という質問。理屈じゃないんですよねぇ・・・BD-1を選んだのは・・・好きだからなんです。あ、でもね、好きだからという答えで納得する人は少ないというのは分かってるんで、他の答えを探そうと思うんですけど・・・好きだからって答えちゃうんです、結局、ハイ。

 あ、で、今回の取材記事、来週木曜日に発行の新聞に載るかもって言ってました。南アのローカル新聞です。南アに住んでいるチャリヨシさん旅ファンの皆様、必見です。

 さて、取材インタビュー後、改めて、ハマナスの町を散歩。いや、全然寄るつもりがなかった、この町、実はスゴク心地よい。ここは、寄ってよかった。間違えたと思ったけど、全然間違ってなんかいなかった。むしろ、オイラをココに導くように、一見偶然を装った出来事が起こったんだと思う。

 自転車旅、こういう、自分の意思ではない流れに巻き込まれるのが面白い。

 ハマナス、鯨が見れることで有名。ココ、普通に海を見ているだけで心地よいのに、鯨が出現したこの海を見られるなんて、そりゃ、興奮するってもんでしょ。でも、残念ながら今鯨はオフシーズン。6月くらいから出没し始めるみたいなんで、この海で鯨が眺められるのは、もうちょっと先の話。

 あと、ここでは、シャーク・ゲージ・ダイビングもできるらしい。ホワイトシャーク、あの映画<ジョーズ>のモデルになったサメですよ。小学生の頃、映画<ジョーズ>を見て、怖さのあまり、夜中にトイレにいけなくなった経験のあるオイラとしては、ぜひともホワイトシャークには生でお目にかかりたいところではあるんですケド・・・船に乗っていくため、ゲロ酔いするらしく・・・乗り物に弱いオイラとしては、無理。高い金払ってまで気持ち悪くなりに行きたくない。気持ち悪い状態じゃ、ホワイトシャークに遭遇できても、感激度合いも半減するだろうしねぇ・・・

 そんなシャーク・ダイビングを筆頭に、サーフィン、パラグライダー、ロッククライミングなどなど、アウトドアレジャー満載の南ア、なんとなく、南アの楽しみ方が分かってきた。でも、どれもお金がかかる。金なしチャリダーのオイラは、せっかくあるアウトドアレジャーも体験することなく素通り・・・お金があるとさらに楽しめる南ア。ここはまたお金をためてから遊びに来たいかもなぁ、こんな思いは、コスタリカに続いて二度目。

 とにかくここ、ハマナス、気に入りました。好き。特に海がいい。海の風景では一番好きな場所かも。鯨が見れる時期にもう一度来たいな。