Fantastic Sani Pass
この絶景は・・・ツラさを乗り越えた後のご褒美ですか?

2011.6.5 / Lesotho→SouthAfrica(Sani Top~Underberg) 本日 自転車55km走行 : Total 27940km走行
天気:晴
朝飯→パン 昼飯→パン 夕飯→野菜炒め / 宿→Khotso Backpackers(テント泊70ランド)

(English)
 Today I run through Sani Pass. This is fantastic Place!



 朝6時半起床。夜明けのサニパスを拝もうと早起き・・・って、最近はいつもこの時間には起きているので、自然に目が覚める。

 外へ出てみると、空には雲が・・・昨日の夕刻から空に雲が広がり始めていたので天気を心配していたのだが、やっぱり。この3日間くらいずっと快晴だったのに、最後のハイライトでこうなるとは。ちょっとガッカリしながら、絶景スポットである宿の本館のテラスへと向かう。

 今朝は強風が吹き荒れていて、超寒い。吹きっさらしのテラスでブルブル震えながら、日が出るのを待つ。心配していた雲は薄雲でして、そんなにガッカリするほどの状況でもないことがわかり、一安心。

 次第に明るくなってくる周囲。そして日の出とともに、クッキリとコントラストがついたサニパスが目の前に広がった。

 絶景とはこういう風景のことをいう。

 当初は、マレアレアだけ行ってサクッとレソトを抜けるつもりだったのに、「レソトいくならサニパスにぜひ」とブログに書き込んでくれた清水夫妻のアドバイスに従って、レソトを横断するルートを走り始めたオイラ。サニパスへ向かうレソト後半の道があまりにもシンドくて、清水夫妻の書き込みは悪魔の囁きだったんじゃん・・・なんて思っていたのですが、いや、この目の前の風景を見たら、「悪魔の囁きなんて思ってゴメンなさい、疑ってスイマせん。」と平謝りデスわ。来てよかった。こんな気持ちになれたのは、久々なほどの満たされ気分。

 アフリカ、まだまだ心を震わせる絶景あるじゃん。

 ナミブ砂漠以上の風景は、アフリカでは見れないのかもね、なんて勝手に思い込んじゃって、走り始めたアフリカ旅では、風景に関しては期待しなくなってしまっていたオイラの心。そんな期待しなくなってしまった心が、旅のモチベーションを下げていたのかもしれない。

 そんな気分をぶっ飛ばしてくれました、この風景。

 Wish it,
 Dream it,
 Do it!

 そうだ、望む・・・期待するところからすべては始まるのだ。

 これ以上の風景は見れない、なんて勝手な思い込みは、捨ててしまえ。現に目の前には、最高の風景が広がっているじゃないか。

 自力で登ってきたコト、大好きになったレソトの最後の地であるコト等々、思い出フィルターが幾重にも重なっているため、相当底上げされているんだろうが・・・とにかく絶景。目の前に広がるサニパスに震えが止まないオイラの心。

 いつまででも、この風景を眺めていたい想いを振り切って、出発。今日でレソト滞在14日目なのだ。2週間しか観光ビザをもらえなかったレソト、今日がタイムリミットでして。ここサニパスにあるイミグレでレソトの出国手続きをすませ、ふもとにある南アのイミグレで3度目となる南ア入国を果たさねばならないのだ。

 サニパスの頂上にあるイミグレで出国スタンプをもらい、峠の下りに突入するオイラ。下り道・・・気持ちよく走れるように思うでしょう。ところがどっこい、このサニパスの道、岩だらけの超ダートロード。自転車が壊れてしまうんじゃないかと思うほどのガタガタ揺れのため、スピードなんて出せない。しかも、頂上付近は、ものすごい急勾配なため、スピードを出すどころか、自転車に乗って降りることすら困難。下り坂なのに、自転車を押しながら進むという状況に。

 時々すれ違う車はほぼ四駆。四駆の車ですら、ゆっくりと大変そうに進んでいく。そんな大変な道ですが、ゆっくり進むことは全然苦ではない。数歩進むと、表情を変えた絶景が目の前に展開され、立ち止まっては、写真をパシャリ。道が悪いからとかじゃなく、前に進めません、この道。

 とにかく、下る間ずっとテンション上がりっぱなしだったサニパス。気づいたら8kmほど進んでおり、南アのイミグレが見えてきた。オイラ一人で現れたことに、不思議そうな顔のイミグレのオネエサン。駐車場に車もないことを確認し、「何で来たの?歩き?」と聞いてきた。「いや、自転車です」と答えるオイラ。「OK分かったわ、自転車・・・と、え?自転車!!」イミグレの通行履歴ノートに<bicycle>と書き込みながらビックリした声を上げたオネエサン。ええ、自転車なんですよ、とどや顔のオイラ。いつもは控えめなオイラですが、今回ばかりは、させてください、どや顔。この峠越えはがんばったでぇ、オイラ。

 南アのイミグレを通過してもしばらく続くダートロード。25kmほど走ったところで、Sani Lodgeというバックパッカー宿が見えてきた。サニパスを下ったら、ここに泊まろうと思っていたんですが・・・時間はまだ13時過ぎ。しかも、今日はもう6月5日ということを考えると、あんまりノンビリもしていられない。ここは少しでも距離をかせいでおこうと、次の宿がありそうな町、Underbergまで走ってしまうことにしたのでした。

 山間の素敵な風景が広がるドラケンスバーグ地方、当初はこの辺をノンビリ走りながら、風景を堪能しようと思っていたのですが、レソト走りで、山間の風景に関しては、お腹いっぱいとなってしまったオイラ。走りながら、いろいろ考え、時間がない今、ここはサクッと抜けてしまうことにしました。

 バスワープかな・・・

 そんなアイデアが頭をかすめまして。Underberg付近にある農場のど真ん中の宿にチェックインした後、ここからダーバンまでのバスを手配してもらうことに。・・・が、明日は月曜日。週末この辺で過ごし、月曜日の朝の便でダーバンに戻る人が多いらしく、明日のバスはいっぱいとのこと。う~ん、ま、ここにもう一泊して、火曜日に出発することにするか。ドラケンスバーグの山々が見える場所で、レソトの思い出を振り返り日記をつづるのも悪くない。