(English)
Today I left from St Lucia.
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セント・ルシア、最高!!!ここ、南アで一番好きな場所だ。時間があるなら、まだ歩いていないトレッキングコースがいくつもあるんで、そこを歩いて、まだ見ぬ野生動物たちに出会いたいところなのだが・・・まぁ、多分、セント・ルシアで一番盛り上がるであろうトレッキングコースに昨日二回も行って、見たい動物とちゃんと遭遇できて、一応満足したんでね。時間もないことだし、名残惜しかったのですが、出発することにしたのです。
さて、今日は、このままハイウェイであるN2を走って、シュルシュルウエというシュルシュルウエ動物保護区の入り口となる町に行こうと思っていたんですが・・・地図を見ると、シュルシュルウエの町に続く道は、N2だけでなく、動物保護区を突っ切って行く道も書かれていたのですよ。昨日、野生動物たちに会ってスゴク楽しかったので、今日もそれを引きずって、野生動物に会いたいテンションになっちゃっているオイラ。これは、動物保護区を突っ切る道を走るべきでしょう、と、コース変更することにしたのです。
が、動物保護区内の道って、自転車だと通してくれない場合がある。車だといいけど、自転車は危険ということでダメだと。ただ、アドゥの時のように、周囲をフェンスで区切っている道路だと大丈夫な場合もあり、自転車で走れる可能性もないわけではない。
行きたくなっちゃった気持ちは抑えることができず、とりあえず、行ってみようと。ダメだったらダメで、自分の目で確かめれば、納得できるでしょ、と思うも、若干の不安を抱えつつ、出発。だって、ダメだったら、相当な距離戻らなきゃらななくなるんだもん。時間がない今、そんな冒険をやっていいものなのか・・・
とりあえず、N2沿いにあるムトゥバトゥーバという町に出た時、インフォメーションセンターがあったので、そこで、オイラの行きたい道は、自転車で行けるのかどうか、聞いてみることにした。一応不安をかき消すためにね。通れないって言われたら、そこで諦めようと。すると、インフォのオネェサンは、「たぶん、大変な道よ。シュルシュルウエの町に行くのなら、N2で行きなさい」と、動物保護区を避けるようには言うものの、通れないとは言ってくれない。通れなくないのなら、たとえ大変でも行かねば、気がすまない、やっかいな性格のオイラ。ということで、動物保護区突っ切りコースに突入することに。
途中から、未舗装の道に突入した側道を、ひた走っていると・・・向こうからやってきた一台の車がオイラの脇に止まった。「どこに行くの?」「シュルシュルウエの町です」「だったら、アナタ、道をロストしているわ。N2からいかなきゃ」「この道で行けないんですか?」「行けないことはないけど・・・でも国立公園は自転車だと通れないわ」・・・行けないことはないけど、国立公園は通れない?車のオネェサンは詳しく説明してくれたのだが、オイラの英語読解力を超えていて、理解できず。とりあえず、ここまで来ちゃったし、行ってみるだけ行ってみることに。
と、道の向こうにゲートが見えてきた。鍵でガッチリ閉ざされているゲートの向こうに、係の人が立っている。これは、通してくれないな、と思いつつ、とりあえず、「自転車でシュルシュルウエの町に行きたいんですけど」というと、「ここから先はゲームパークだから、自転車では無理だ」と予想通りのつれない返事。
しょうがない、こうなることも予想していたし・・・戻るか・・・ただ、もと来た道を40kmくらい戻るのは非常に面倒・・・そしてたぶん、もう今日中にシュルシュルウエに到着するのは無理だろう・・・ああ、やっぱり、嫌だな・・・と思いながら、もと来た道をシブシブ走り出すオイラ。
と、しばらく走っていたら、先ほどのゲートで「ダメだ」と言ったおじさんが、車に乗って後ろから追いかけてきた。「これから戻ってシュルシュルウエの町に行くのは大変だろう。車で送っていくから乗っていけ」とうれしいお誘い。
しかも、乗せてもらった車は、Uターンして、ゲームパーク内に入っていくじゃないですか。これは、ひょっとして、ゲームパークを突っ切って送ってくれるのか?ってことは、ただで、ゲームパークをサファリできちゃったりするのか?と、期待心が膨らんでいたら・・・入り口付近にある、係員の待合所みたいなところで降ろされた。そして、別の車に乗せかえられ、その車は再び、ゲームパークの外へ。おじさんは、ゲートの管理をしなきゃいけないから、替わりにオイラを運んでくれるレンジャーの車をわざわざ呼んでくれたらしい。なんだ、結局、ゲームパーク内は走ってくれないのね、残念・・・とちとガッカリ。送ってもらっておいて、そんなことを思うのは、わがまま以外何者でもないんですけど・・・
で、そのままオイラが来た道を戻るのかと思いきや、どうやら、別の迂回ルートがあるらしく、まったく分からない道に突入。なるほど、ここで、途中ですれ違った車に乗っていたオバさんが言っていた言葉が理解できた。「保護区内には入れないけど、別の迂回ルートでシュルシュルウエに向かう道がある」ってことを言いたかったのか。そして「その迂回ルートは、自転車で行くには大変すぎる道だから、戻ってN2を走ったほうがいい」というアドバイスだったらしいことも、今になって分かった。ガタガタのめちゃめちゃ酷い道が続く。四駆の車は、その酷い未舗装道をめっちゃ飛ばして走る。荷台に乗っているオイラは何度も振り落とされそうに。
いや、ホントに、この道は、自転車ではシンドすぎ。ガタガタだし、砂地の道が多いし、なにより、分岐道が多すぎて、迷子になりそう。
で、最初は、この道を車でワープできることにウハウハしていたのですが、あまりにもコンディションの悪い道を、めっちゃスピードに緩急をつけながら進む車の荷台に乗って、後ろ向きで座っているのがいけなかったのか、めっちゃ酔ってしまいまして、超グロッキー状態に。
もともと乗り物に弱いオイラ、自転車旅なのも、基本的に車に乗ると酔っちゃうから、というのがありまして・・・今回は、久々にもうちょっとで吐きそうっていうくらいギリギリな状態に。いやぁ、乗せてもらったのはホントありがたいんですけど・・・宿まで送ってもらって、感謝の意を伝えるのに、うつむき気味で、レンジャーの人たちの顔を見れないオイラなのであった。
何人もの人に、N2で行ったほうがいいよってアドバイスもらっていたのに・・・アドバイスに従っておくべきだったかぁ、と思ったのですが・・・実は、この後、おそらく、アドバイスに従わなくて、ムチャしてここに辿り着いたからこそ、起こったいいコトがあったのですよ。
そのいいコトとは・・・辿り着いた宿で、テント泊しようと思ったら、気分悪がっているオイラを見て、かわいそうに思ったのか、オーナーのデイブが「なんか、体が大変そうだから、テント泊と同じ値段でキャビンで泊まらせてあげるよ」なんて言ってくれまして。お言葉に甘えて、本日キャビン泊。そして、町から結構離れているこの宿、途中で食材を買うつもりが、車で連れてきてもらったおかげで、途中町に寄れず、買出しができなくて、手持ちの食材がインスタントラーメンくらいしかない。夕食、カップラーメンかぁ、お腹、めっちゃ空いているんで、夕飯、これだけだと足りないなぁ、どうしよう・・・とポツリとつぶやいたところ、これまた、オーナーのデイブが「お腹減ってる?今日の夜、知り合いの誕生日パーティがあるんだけど、一緒に来る?バラーイをやるんで、肉がたらふく食べれるぞ」なんて誘ってくれまして。これまたお言葉に甘えて、参加させてもらうことに。
いやぁ、なんでしょ、このいい流れ。
日が暮れてから、デイブの車に乗せてもらい、近くのファームへ。ここのファームで誕生日パーティが開かれるらしい。ファームハウスの庭先にバラーイの用意がされてまして。いやぁ、南アを出る前に、本格的なバラーイを一度でいいから経験しておきたかったんですよ。
さて、本格バラーイを研究すべく、炭のつけ方から見ていたところ・・・袋詰めされた炭をそのままバラーイ台につっこみ、灯油をかけて、そのまま点火・・・って、なんてダイナミックな!デイブに「バラーイっていつもこうやって火をつけるんですか?」と聞いたところ、「いや、いつもは、ちゃんと着火材の木を並べてやるんだけどね。ま、たまにはこうやって火をつけたりもするのさ」と言っていた。そして、まだ炎があるうちに、肉を並べて焼き始めるじゃないですか。ええ~、火が収まってから焼き始めるんじゃないの?「普通は、そうするんだけどね」とデイブ。どうやら、今日のバラーイマスターは、かなりせっかちさんのようです。ちなみに、肉の脂で燃え上がる炎は、ビールをぶっかけて消してました。いやはや、これまたダイナミックな・・・ちなみに、バラーイは、アルゼンチンのアサードと違って、薄く切って味付けしてある肉を焼くため、焼き始めちゃったら、短期間で焼きあがっちゃう。「いくらでも食べていいぞ」という言葉に甘え、肉だけで多分1kg以上いただいちゃいました。いやぁ、ホントごちそうさまでした。
そうそう、今日のバラーイ、本題は誕生日パーティだったはずなのですが・・・あれ、バースデーソングを歌うこともなく、プレゼントタイムがあるわけでもなく・・・ひたすらジェイジェイさんの下ネタオヤジトークが炸裂していただけのパーティだったような気がしますが・・・楽しかったです。そして、結局誰の誕生日だったのかも判明しないまま、お開きに。
そして帰り道、「おっ、ゼブラだ」と、前方に見えた黒い影に車のライトを当ててくれたデイブ。そこには、ヘッドライトに照らされて神々しいゼブラの姿が・・・
ああ、今日の一喜一憂の出来事は、このゼブラが導いてくれたものだったのかもしれない・・・な~んて、その姿を見て思っちゃったオイラだったのでした。
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