(English)
Today I arrived at Hlane national park.
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体は疲れているんですケド・・・出発することに。なんとなく、今いる宿と相性があわなくて。いい宿なんですけど・・・ボランティアの長期滞在旅人がたくさんいて、その人たちのノリに、混じりにくかったんですよ。
走り出したものの、今日はなんだか気分が乗らない。ひたすらゆるい下り坂が続いてて、走りはとても楽なのに・・・いや、なんか楽すぎて、気分が落ち着かないのかも。そうそう、坂を下っている時って、気持ちいいというより、なんかもったいない気持ちでいっぱいになるのですよ。大変な思いをして坂を上り、蓄えた位置エネルギーは、簡単には使いたくない気持ちがありまして。下り坂で、GPSの高度計の数値がどんどん小さくなっていくのを見ると、とても切ない気持ちになるのです。
あと、二日続いたパンクも、オイラの気分をへこませる原因になっていた。次第に道が悪くなっているのは感じていて、タイヤに負担がかかっているな、とは思っていたのだが、穴あきパンクが二日連続して起こるほどのコンディションの道になっていたとは。ということで、神経過敏になってしまったオイラは、お尻に感じる後輪タイヤの空気圧に異常なまでに反応し、立ち止まっては後輪の空気圧を確かめる始末。
そんなオイラの気分に連動してか、出発する時には晴れていた空も、次第に雲が増え、ドンヨリした感じに。
さて、今日通っている道沿いには、宿があるような町はない。ん?また、野宿ですか?という声が聞こえてきそうですが、いや、野宿じゃないんですねぇ。周囲は、サバンナ風景に包まれてきたこの辺、スワジランド最大の自然保護区になってまして。フラネ国立公園という、自然保護区、ここも、なんと園内にあるキャンプ地まで自転車で入れるというので、今日は、そこのキャンプ場で泊まろうかと思っているのですよ。
動物保護区って、保護区内にキャンプ場を構えているところがたいていでして。サファリのど真ん中で、キャンプして、一夜を明かすって、すごくいいじゃないですか。でも・・・自転車だと、そのキャンプ地まで行けないんですよ。キャンプ場内は、自転車OKだとしても、そこまでの道がNGだから、結局、キャンプ場に辿り着くことができないってワケで。
が、このフラネ国立公園は、キャンプ場までの道(は、動物が通るゲームゾーンなのですが)も、自転車で通らせてくれるという、太っ腹で、ゆる~い感じの国立公園でして。おかげで、念願だった、サファリのど真ん中でテント泊ってのが、実現できることになったのです。
あ、もちろん、前回訪れたムリルワネも、保護区内でのテント泊だったのですが、ムリルワネは、おとなしい動物しかいませんからね。今回のフラネは、サイとか、カバ、ゾウ、そして、なんとヒョウとかライオンもいるらしいのですよ。そりゃ、迫力が違うってもんでしょ。
で、近づいてきましたフラネ国立公園。走っている道路の脇がフラネ国立公園になっていて、動物が抜け出して道路を走る可能性があるらしく、道路には、<デンジャー>の看板が。そして、ご丁寧に、<サイクリストは、ライオンとゾウに注意>なんて書かれた看板まで立っていて。いやぁ、落ち込みがちだった今日のテンションは、この看板たちを見て、一気にあがってきました。
ひょっとしたら、ライオンに出くわすかも・・・ドキドキ・・・
なんて思いを抱きながら、道を走る。周囲をキョロキョロして走るも・・・ライオンどころか、全然動物の姿は見れない。やっぱり、動物を見るのは難しいのねん・・・って思っていたら、インパラや、ヌーらしき姿が見えてきたじゃないですか。いい流れです・・・これは、ひょっとしてサイとか・・・と、再びワクワクしたのですが、それ以上の動物たちには遭遇できず。そして、幹線道路から脇道へと入るフラネ国立公園への入り口に到着。
入り口のゲートで、入園料を支払う。ゲート入り口を開けてくれたオネエサンが「この先には、危険な動物もいるから、気をつけてね。キャンプ場まで辿り着けば、大丈夫だけど、そこまではホント、気をつけてね」と、忠告。そう、ここから、キャンプ場までの500mくらいの道のりは、普通に、ゲームドライブをして、サイや、ゾウを見るコース内。普通は、そんな道を自転車で通してくれないのですが、そんなムチャなことを許してくれるフラネ国立公園、大好きです。
さて、ここでサイかゾウに出くわすことを期待していたのですが、残念ながら、遭遇できないまま、キャンプ地に到着。周囲を鉄条網で覆われているキャンプ地、ゲートをくぐれば、再び安全地帯となるのです。キャンプ地内にあるレセプションに行き、本日、ここでテント泊する手続き。オネエサンに指示された場所にテントを張り、さて、どうするべぇか、と考え始めるオイラ。
実は、キャンプ場に来れたのはいいのですが、キャンプ場の外へは勝手に出ちゃいけないんです。キャンプ場の外に広がる動物ゾーンには、車によるドライブサファリか、ガイドつきのウォーキングサファリか、ガイドつきのマウンテンバイクサファリのどれかに申し込まないと、出れないのですよ。マウンテンバイクサファリができるとは聞いていて、ムリルワネの感動を今一度と思っていたのですが、チャリで走るゾーンは、ライオンやサイやゾウは出ないところらしいし、しかも、ガイドがずっと付き添っての2時間サイクリングらしくて・・・チャリサファリは、自分の好きな場所に好きなように行けるのがいいのに、時間制限ありで、しかもガイドに連れまわされるんじゃ、ちょっと、って思ちゃいまして。運がよければキリンに会えるかもよ、という言葉は魅力的だったんですが、フラネでのチャリサファリは、オイラの中では、魅力が半減しちゃいまして・・・
チャリサファリは諦めて、ライオンが見れるかもというドライブサファリに申し込んでみるか・・・なんて悩みながら歩いていたら、目の前に、大きな池が見えてきた。キャンプ地とは、鉄条網をはさんで広がる池なのだが、鉄条網前から一望できる素敵な池だ。
「おお、眺めのいい場所があるじゃん」
って思って、近づこうとすると・・・なんと、池の向こうのブッシュから、キリンが首を出しているじゃないですか!!!!!
え?
ええ?
あまりにも突然すぎる出会いだったので、ビックリしてしまったオイラ。このキャンプ場では、外に出かけなくても、動物に会えちゃったりするんですか?
ええ、そうらしいのですよ。このキャンプ場脇にある池は、動物たちが水を飲みにくる絶好のスポットらしくて。よくよく見ると、池には、カバが二頭、プカプカと浮かんでいたりするし。
うひょ~、国立公園内のキャンプ場ってこんなにも楽しい場所なのぉ。
テンションあがりまくるオイラ。とにかく、会えることを楽しみにしていたキリンをカメラで追う。意外とすばしっこいんですよ、キリンって。とりあえずは、撮れたけど、ベストショットと言える画は撮ることができず、キリンは再びブッシュの中へ。
いやぁ、でも、来てよかったぁ・・・キリンに会えちゃうなんて・・・心の準備をしていなかったオイラは、予想を超えて展開された目の前の光景に、興奮冷めやらず。しばし、呆然と、池を眺めていたら・・・左手方向になにやら動く影が。よくよく見ると、ノロノロ動く、巨大な図体。ああ、またカバが水浴びに来たのね・・・と思ってカメラを向け、最大望遠にして、モニターを見てみると・・・シルエットがカバじゃない。ん・・・角・・・って、サイじゃないですか!!!!
なんと、今度は、サイ。
ああ、クラクラします。
憧れのキリンの次に、間髪いれず、サイにまで遭遇できちゃうとは!
ユックリと水辺に近づいてきたサイは、絶好のカメラターゲット。本日キャンプ場に泊まる人たちが続々と集まってきて、大撮影大会が開始。
悠然とした姿で水辺を歩くサイ。時々、鉄条網向こうでカメラを構える人間たちを不思議そうな顔で見て、威嚇するような振る舞いをして、また、ブッシュの中へと消えていった。
なんですか、この幸せすぎる空間は。
最高にワクワクするぞ、ここ。
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