Hlane Royal National Park 2nd Day
僕らはみんな生きている

2011.6.25 / Swaziland(Hlane) 本日 自転車0km走行 : Total 28759km走行
天気:晴
朝飯→パン 昼飯→ハンバーガー 夕飯→パン / 宿→Ndlove Camp(テント泊60エマランゲニ)

(English)
 Today I watched animals all day long.



 昨日、キリンとサイに会って、すっかりテンションが上がってしまったオイラ、ようし、このまま、ここ、フラネにいるというライオンにも会っておくか、という気持ちになっちゃいまして。ライオンに会える確率が高いという、サンライズサファリ(夜明け前に出かけるドライブサファリ)に申し込んじゃったんです。これ、二人以上でしか決行されないのですが、幸い、8人のツアー客が申し込んでいるから、それに便乗させてもらえることになったし、値段も、255エマランゲニという、ドライブサファリにしては格安だったっていうのもあって。

 朝6時に出発だというので、5時半に起きて、サファリカーに乗り込む。まだ真っ暗の中、車は走り出す。「まずは、何を見たいですか?」というガイドのドゥミさんの質問に、みんな揃って「ライオン!!!」と答える。よかった、オイラの願いと同じ願いの人たちと一緒で。ということで、まず、ライオンに会いに、車は、国立公園の奥地へ。

 だんだん明るくなってきた周囲。しかし、ライオンどころか、動物がまったく見えてこない。明け方は、いろんな動物が活動的に動き回ると思っていたのに・・・全然見れないとは。やっぱりサファリって難しいんだなぁ・・・と、ここでもドライブサファリの難しさを実感。

 とりあえず、他の動物はまったく見れなくてもいいから、ライオンだけはなんとか遭遇させてぇ・・・と、心の中で願うオイラ。この想いは、この車に乗っている人たち、全員の願いだったに違いない(いや、他の人たちは、ライオン以外の動物も見たかったのかもしれないのだが・・・)。その願いが通じたか、目の前の草むらから、威厳オーラを放ちながら、現れた一匹のライオン。

 うほぉ・・・やっぱり、かっこええ・・・

 百獣の王という称に恥じぬ、堂々たるその風格。オイラたちが居ることなんて、まるで気にもとめていないがごとく、マイペースでサバンナを歩き回り、そして、草むらに寝転がり目を閉じる。いちいち、動作が様になっていて、惚れ惚れするその立ち振る舞い。

 と、いきなりライオンが立ち上がった。なにやら、興奮している模様。と、目の前には金網による敷居があったのだが、その敷居の向こうに、なんと、サイが。そして、そのサイの方を見て、にらみを入れるライオン。ここで、ライオンが、威嚇の大咆哮を発し、オイラたちは、そのあまりにも迫力ある咆哮にビビリまくる・・・

 という状況を期待していたのですが、金網越しの相手は威嚇してもしょうがないことを知っているのか、咆哮の代わりに大きく欠伸をして、サイに尻を向け、歩き始めたライオンであった。

 そんなライオンをしばらく見た後、「そろそろ次の動物を見に行きますか」とガイドのドゥミさんの言葉で移動しはじめる車。え~、まだまだこのライオンの雄姿を見ていたいのにぃ・・・ツアーサファリが嫌なのは、自分の意思に反して動かなきゃならないところだ。

 そして、シマウマ、ゾウ、シカたちと出会い、サンライズサファリ終了。サイを見ようと粘ってくれたのだが、結局見れず。ま、サイは、昨日存分に見れたんで、オイラ的には、見れなくても問題なしなのだが・・・それにしても、ドライブサファリは、なんか欲求不満が残る。十分に堪能できた感が、弱いのだ。とりあえず、お目当てのライオンに会えたって喜びはあるのだが、オイラの場合、会えるってことだけを目的にしているんじゃないみたい。どうやら、会って、気が済むまでその挙動を観察するってことを目的にしているらしいことが自分で分かってきた。

 ドライブサファリじゃなきゃ見れない動物もいるから、これからも何度かはドライブサファリに挑戦するんだろうけど・・・でも、できれば、じっくり観察できる方法にチャレンジしていきたいと思うのです、これからのサファリ体験は。

 ただね、実は、ビッグ5と呼ばれる動物のうち、ビッグ4はこの目でじっくり見ちゃったのですよ。ゾウ、バッファロー、サイ、そしてライオン。あと遭遇していないのは、ヒョウだけ。ちなみに、オイラの中でのお気に入りの5種、シマウマ、ダチョウ、イボイノシシ、カバ、キリンは、いずれもビッグ5には入っていない。アフリカのサファリでぜひ出会っていただきたい、この愛しの動物たち、オイラの中ではファニー5とカテゴライズすることにしようっと。

 さて、サンライズサファリは終えたものの、キャンプ場脇の池という絶好のスポットがあるフラネ国立公園、もちろん、延泊です。今日の残りは、ひたすら、脇の池を眺めて過ごすことにしたのでした。

 日差しの強い昼間は、ガランとしていた池の脇、夕刻、日差しが弱まるにつれて、動物たちが集まるわ集まるわ。シカ、イボイノシシ、そして、ゾウ、サイ、キリン。昨日とは比べ物にならないくらい、大集合。そして、昨日はあっという間に去っていってしまったキリン、今日は、二頭登場して、池で水を飲んだ後、周囲の草をモシャモシャと食べつつ、ゆっくりノンビリと移動。今日は、キリン目的だったオイラは、この二頭にひたすらくっつき写真撮影。そうそう、この、納得するまでシャッターを切りまくれる時間と納得するアングルでシャッターを切れる自由度が欲しいのですよ、オイラは、きっと。ツアーだと、それが許されないのが気に食わないんだと思う。

 今日は、納得するまで、キリンと戯れることができて大満足。キャンプ場の入り口近くにキリンが寄ってきたので、ちょっとだけなら大丈夫だろうと、キャンプ場から出て、キリンに超接近して撮影していたら、公園管理局の人が慌ててやってきて、「キャンプ場から出ちゃダメです」と怒られるオマケがつくほど、キリンさんに近づくことができたし。

 そして、日が落ち、次第に暗くなっていく、周囲。昼間、動物たちの姿を目で追うのもいいのだが、ここ、夜がまた、最高に素晴らしいのだ。キャンプ場に、動物の鳴き声がこだまする。カバの鼻の鳴らす音、インパラたちの嘶き、ライオンの大咆哮、ゾウの鼻声・・・見えないのが、かえって、動物たちの存在をリアルにさせていく。

 僕だけではない。

 ここで息づいている動物たちの確かな感触。

 そうだ、

 地球で生きているのは人間だけじゃないんだ。

 ここに居ると、

 そんな当たり前のことに気づかせてくれる。

 「僕らはみんな生きている」

 <僕ら>、そして、<みんな>、の意味。

 アフリカの大地は、それを教えてくれる。

 サバンナのど真ん中で、テント泊するという体験。

 これは、想像するより、

 ずっと豊かなことを感じさせてくれるものだ。

 アフリカを旅するなら、一度はこの体験を、ぜひ。