Quero adquirir dinheiro I
お金をおろしにちょっとそこまで・・・って二日もかかるのかい!(初日)

2011.6.29 / Mozambique→SouthAfrica→Mozambique(Maputo~Ressano Gracia) 本日 自転車115km走行 : Total 28992km走行
天気:晴
朝飯→パン 昼飯→パン 夕飯→チキンバーガー / 宿→国境付近のキャンプ場(テント泊300メティカル)

(English)
 Today I decided to go to South Africa again to get Money. I thought my cash card could use in South Africa's ATM. After I got money I would return to Mozambique.



 ピンチです。手元の財布には、もう2000メティカル(6000円ほど)しか入っていないのに、キャッシュカードでお金が引き出せません。

 昨日の夜、この状況をどう打開するか、地図を片手に、頭を悩ますオイラ。まず、思いついたのは、こんなこともあるかと思って、手元に持っていたドル現金を使っちゃう、という手段。幸いなことに、このままモザンビーク旅を続けられるくらいのドルが手元にはある。あるのだが・・・実は、このドル、ジンバブエ旅用に使おうかと思っていたんです。ハイパーインフレなジンバブエ、クレジットカードを使うと、請求がビックリする額になる可能性があるから、使わないほうがいい、と聞いていたので、現金での旅を考えていまして。今手元にあるドル紙幣はそのために用意したモノ。

 で、モザンビーク旅に続いてジンバブエ旅も、手持ちのお金でなんとかしなきゃいけない、と考えると、今、ここモザンビークで、虎の子のドル紙幣を使っちゃうのは、リスクが高い。超節約でがんばれば何とかなるのかもしれないケド・・・あまりにも使えるお金がキュウキュウで、我慢我慢の連続となってしまい、旅がつまんなくなっちゃうのももったいない。

 じゃぁ、と、次に地図を眺めながら思いついたのが、南アに抜けちゃうという手段。南アに接しているモザンビーク、しかも、マプトからならそんなに南アの国境は離れていない。南アならATMでお金が引き出せるのは実証済みだから・・・モザンビーク旅を諦めて、南アに抜けて、ジンバブエに向かうのがベターかと・・・

 モザンビーク、特別に行きたいところがあるワケでもないので、ま、南アに抜けるルートで走るのもありっちゃ、ありなんだけど・・・でも、この状況で南アに抜けちゃうのは、なんか悔しい。モザンビークに負けたみたいで。いや、勝ち負けじゃないんですけど・・・なんとかモザンビークを走って北上したい、という思いが捨てきれないんですよ。

 と、まてよ・・・モザンビークビザのリミットは、6月30日。しかも、ダブルエントリー(一つのビザで二度入国できる)で申請してある・・・そうか、モウ一つ方法があった。この方法だったら、モザンビークを走って北上することが可能だ。

 それは、一旦南アの国境を越え、ATMでお金をおろした後、再度モザンビークに入国する、という方法だ。

 時間的にはギリギリ間に合う。ただ、問題なのは、超めんどくさい、ということだ。そのまま南アに抜けてジンバブエに向かったほうが、ルート的には全然効率的。そもそもモザンビークを回ること自体が遠回りなのに、南アの国境まで同じ道を往復なんて手間を考えたら、えらい非効率なわけで。ちなみに、マプトから最寄の南アの国境までは100km弱。非効率とはいえ、まぁ、車で行っちゃえば、うまくいけば半日仕事ですむのだが・・・モザンビークのバス事情がよく分からんし、乗りなれていないバスで移動するのは、国境が絡むだけに、結構リスクが高い。最悪モザンビークに戻れないなんてこともあるかもしれない。行くんだったら、やっぱり小回りのきく、自転車でかなぁ・・・しかし、自転車だと行きにまる一日、帰りにまる一日かかる、二日仕事になってしまう。ただ、ATMからお金を引き出すためだけに、二日かけるのか・・・

 ええ、かけましょう。

 このめんどくささも含めて、アフリカ旅だと割り切って。

 旅は効率じゃないっス。出会った困難にいかに立ち向かうかっス。

 覚悟を決めたオイラ、ATMでお金を引き出すために、自転車で南アまで行くことに。一応・・・フル装備ファニーバニーで。どうせ戻ってくるなら軽装備でいいんじゃないの?とも思ったのですが、国境がらみなもんで・・・やっぱり最悪モザンビークに戻れないなんてこともあるかもしれない、その時には、おとなしく、南アを北上してジンバブエに向かう方法に切り替えられるよう、荷物を全部持って行く事にしたのです。

 ということで、南アとの国境に向けてひた走り・・・スワジランドとの国境からの道とは違って、比較的平らな道で助かった。これが山道だったら、へこたれていたかもしれない。しかし、この道は閑散としている。スワジランドからの道の方が、活気があって、走ってて楽しかった。この道ではほとんど人と出会わない。

 黙々と走り続け、15時過ぎにモザンビークのイミグレで出国手続き完了。そのまま四度目となる南ア入国を果たす。で、国境から一番近いKomatipoortという町を目指す。ここに行けば、ATMがあるだろう、と。が、その前に、途中、サービスエリアらしきものがあり、そこに、Standard BankのATMを発見。・・・しかし、南アでもStandard BankのATMだけはシティバンクのキャッシュカードと相性がよくないのだ。他の銀行のATMでは問題なくお金が引き出せるのだが、なぜかStandard BankのATMだけはダメで・・・そして、ここには、そんなStandard BankのATMだけがあるなんて・・・ひょっとして、せっかく南アにきたのに、結局お金がひきおろせませんでしたオチになるのか、これは?オイラにお金をおろさせないように、だれかの策略を図っているのか・・・

 なんて思いながら、辿り着いたKomatipoortという町、入り口には、またもやStandard Bankの案内しか書かれていない。えぇ~、ホントにここまで来たのに、お金がひきおろせないなんてことになるのぉ~・・・あぁ、これは、モザンビーク再入国を諦め、南アを北上か・・・と思い始めた時、目の前にABSA Bankの真っ赤なATMが!!!おぉ、ABSAなら大丈夫!!!早速カードを突っ込んで、お金を引き出し。

 うぃ~ん・・・ガコン!

 出てきましたぁ!!!ランド札。

 これで、モザンビーク旅、なんとかなるぞぉ。

 ホッと気が緩むオイラ。落ち着いて周囲を見ると、ここは南アのショッピングモール。なんでもあるわけですよ。大型スーパーマーケットやら、ハンバーガーチェーン店やら。うむむ、ここならきっと欲しいものはなんでも手に入る。気苦労の多いモザンビークに戻るより、南アをこのまま走ったほうがいいんじゃない?なんて誘惑がオイラを襲いはじめる。

 いや、しかし、すでに快適さを存分に享受して、なんとなく旅の予想がついてしまう南アを走るより、不便かもしんないけど、わずらわしいかもしんないけど、なにが起こるかわからないモザンビークを走ったほうが、旅としてはオモシロいんじゃん、という思いが、南アへの誘惑をけちらす。

 ということで、モザンビークに戻ります。南アに入ったときの気分しだいで、南ア北上もありかも、ということを考えフル装備でやってきましたが、やっぱりモザンビークを走りたいです。

 Uターンして、再び南アの国境へ。先ほど入国スタンプを押してもらったばかりのパスポートに、出国スタンプを押してもらう。と、イミグレを出ると、ポリスのおじさんが話しかけてきた。「どこから来たんだ」「ケープタウンです」「ここまでこの自転車でか?」「ええ」「そりゃ、すごいな」と感心してくれるポリスのおじさん。で、「寝るところとかどうしているんだ?」と話は、旅の寝床話題に展開してきた。「たまにテントで野宿とかしますけど、町で宿に泊まることが多いです」と答えるオイラ。「ちなみに、昨日はドコに泊まったんだ?」とポリスのおじさん。「マプトのバックパッカー宿です」とオイラ。

 「・・・マプト?」

 君は、ケープタウンから来たんじゃないのか?南アを走ってきたんだろう?だから、昨日、<南ア>のドコに泊まったかを聞いているんだ、と、オイラを怪しい目で見始めたポリスのおじさんは、矢継ぎ早に質問をしはじめた。

 う~む、説明がめんどくさい。嘘はついていないのだが、正確な説明をしていない。

 これ以上つっこまれると、非常に面倒な事態におちいるかもしれないと判断したオイラ、英語が分かりません態度に切り替え、その場を逃げる。

 そして、最後の難関、モザンビークのイミグレへ。ここで「なんでさっき出たばかりなのにまた入るんだ?」なんて質問をされたら、さっきと同様、説明がめんどうだなぁっと思っていたのだが・・・オイラのパスポートを見た、イミグレの係のおじさんは「さっき出たばかりじゃないか、フフフ」と、笑っただけで、入国スタンプを押してくれた。

 その日のうちに国境をいったりきたりするのって、結構怪しまれるのかと思ってたけど、意外と簡単なんだな。

 再びモザンビークに入った時点で、時刻はすでに17時過ぎ。日は落ちてしまっている。暗くなる前にテントをはるところを見つけなきゃ、と走っていると、左手の方から、オイラに向かって声をかけているおじさんたちがいた。で、そちらを見ると、どうやら、そこはキャンプ場っぽい。近づいてみると、「ここは、いい場所だぞ。泊まっていくか?」とおじさん。なんか勝手に車で入ってきているおじさんたちのようだ。ただ、管理人っぽい人がいるわけでもなさそう。「ここはフリーのキャンプ場ですか?」とおじさんに聞くと「そうだ」と。このおじさんたちを信用していいもんか、若干不安にも思ったのだが、もう周囲は暗くなりはじめていたので、ここにテントをはらせてもらうことに。

 で、とりあえず、自転車を置こうとした時、<バキッ>と嫌な音がして・・・なんと、後方サスペンション部のヒンジが折れてしまったではないですか。なんてこった・・・前回のカバンのフレーム折れに引き続き、またパーツの破損事故。しかし、前回のカバンのフレームは、ま、カバンのパーツだからそんなにショックではなかったんですが、今回のは、自転車本体のパーツなだけにショックがでかい。ああ、ひょっとして、モザンビークは鬼門ですか・・・なんか、モザンビークに入るたびに、自転車パーツが折れていくんですけど・・・

 再度入国したのは果たして正解だったのか・・・