Inhassoro Beach
またまたビーチへ来てみましたが

2011.7.15 / Mozambique(Vilankulos~Inhassoro) 本日 自転車84km走行 : Total 30019km走行
天気:曇のち晴
朝飯→パン 昼飯→パン 夕飯→チキンプレート / 宿→Hotel Seta(テント泊 250メティカル)

(English)
 Today I arrived at Inhassoro.



 話は二日前にさかのぼる。ビランクロスに到着した当日、宿のバースペースでパソコンを広げて日記を書いていたら、「ツーリストインフォのおじさんから、ここに日本人が泊まっていると聞いたの。アナタがそうね」と突然女の子から日本語で話しかけられた。彼女の名前はレイカちゃん。日本人の母とアメリカ人の父をもつハーフで、今南アの大学に留学中。で、大学が休みである今、旅行でモザンビークに来ているとのことなのですが・・・小さい時は日本に住んでいたという彼女は、日本語がペラペラ。日本人にはなかなか出会わないケド、日本語を話す機会は結構あるもんなんだなぁ、と、アフリカ旅。ここ、ビランクロスでもまた日本語会話を楽しませてもらったのでした。

 で、オイラが2年半(もうすぐ3年)も旅をしていることを聞いたレイカちゃん「一人で?寂しくないの?」と聞いてきた。

 実はよく聞かれる質問なのだが・・・自転車旅って、特にオイラの場合は一人で走るのが前提で、基本的に、何もない道をひた走るって旅でして。何もない空間に一人っていう時、寂しさは意外と感じないもんなのですよ。むしろ、寂しいって感情は、周囲に大勢の仲間になりうる人たちがいるにも関わらず、取り残されたように一人で居る時に感じるものであって。

 「ふう~ん、そんなもんかぁ」とレイカちゃん。

 なんて、えらそうに答えたオイラですが、ビランクロスの宿を出る時には寂しさを感じちゃったんですよねぇ。久々にガッツリと日本語で話せて、勝手にレイカちゃんに対して、仲間意識が芽生えちゃったからかなぁ・・・

 そんなことを考えながら、宿から続く道が砂道なので走れず、降りてファニーバニーを押しながら進んでいると、突然、ファニーバニーが軽くなった。何事?と思って振り向くと、一人の男の子が、はにかんだ笑顔で、オイラの自転車を押してくれている。「ありがと~、少年、助かったよ」ようやく舗装道に出たところで、ファニーバニーにまたがったオイラ。少年に「これ、お礼」と、保存食用に買ったパンを一つ渡したのであった。

 で、ビランクロスを後にして走り始めたのですが、なにかまだ心に引っかかるものがある。実は、ビランクロスにも、相当よさげなダイビングスポットがあったのですよ。というか、波の荒いトーフで潜るより、穏やかで透明度の高そうでカリブ海を思い出させるビランクロスの海で潜ったほうがよかったんじゃないか、と思うくらいダイビング的にも魅力を感じる海でして。じゃぁ、なんで潜んなかったのよぉ、と思われるでしょう・・・が、ダイビングセンターで、クレジットカードが使えないってことで断念せざるを得なかったんです。手持ちの現金が限られているモザンビーク旅で、ダイビング代を現金で払うのは無理でして(トーフでは、マスターカードは無理と言われたのだが、なんとかゴネて、無理やりクレジットカードで引き落としてもらった)。

 そんな心残りがあったビランクロス、ああ、やっぱり無理してでも潜っておくべきだったか、ひょっとしたら、ここでマンタさんに遭えたかもしれないぞ・・・なんて思いが、オイラをビランクロスに戻そうとする。いや、ホント戻ってもよかったんですけど・・・宿は安いし、快適だし、レイカちゃんは居るし、海はきれいだし、二泊で去る必要はまったくなかったなぁ・・・って、今考えてみるとそう思う。

 まぁ、ともかく、この時は、先を急ぐことにしたオイラ。次の目的地もビーチでして。ひょっとしたら、ビランクロスみたいに素敵な出来事が待っているかもって淡い期待を抱いて、インハッソロ・ビーチに向かったのですよ。

 で、到着したインハッソロ・ビーチ。ちょっと期待はずれ感が・・・いや、いいビーチだったんですけど、人も閑散としているし・・・なんか気持ちが盛り上がらない。

 ま、ビーチはもういいか、と思ったオイラ、海には出ず、浜辺沿いの村を散歩していたら、太鼓の音が聞こえてきた。引き寄せられるように、太鼓の音がするほうに行ってみると、村人たちが集まって、なにやら儀式めいたものが行われている。部外者であるオイラはなんとなく入っていけそうもない雰囲気だったので、ちょっと離れた場所から儀式の様子を眺めるオイラ。しばらく見入っていたのだが、ふと気づいたら、いつのまにか、周囲にオイラを遠巻きに見つめる村人たちの輪ができているじゃないですか。なんだ、この、見つめているオイラが見つめられているという変な構図は・・・そして、あ、いや、そんな・・・この目の前で繰り広げられる激しい儀式ほど、見つめられるべき価値のあるもんじゃないんですけど、オイラ・・・

 いや、価値はあるのかも・・・実は、ビランクロスの宿で知り合った自称元チャリダーというデービッドから、会った瞬間「キミかぁ・・・小さな自転車でアフリカを北上しているジャパニーズが居るって、僕ら旅人仲間では噂になっていたんだよ」って言われたのだ。そういえば、スワジランドで再会したドイツ人の女の子にも「あなた、ちょっとした有名人になっているわよ」って言われたし。どうやら欧州のパッカーの人たちにささやかな話題を提供しているらしい。ま、それくらいは価値がある男らしいんで・・・いやぁ、なんだか悪い気がしないな、えへん。