(English)
Today I run all day long.
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昨日、後半から、常に道の脇にあった民家がまばらになり、ひとけがほとんどなくなってきた。宿がありそうな町なんて当然なく、適当に見つけた空き地でブッシュキャンプの昨晩。
地図を見て、たぶん、食べ物を得るのも難しくなるだろうなぁと思っていたので、インハッソロで大量にパンを購入してきた。それと安かったBlackCat印のピーナッツバターも一瓶あるので、しばらく補給できなくても、食料はとりあえずなんとかなる(ピーナッツバターって意外と腹持ちがいいのだ)。
が、問題となるのは、水。走っている間は、水をがぶ飲みしてしまうオイラ、補給できなければ、倒れてしまいかねない。インハッソロで6リットル積んできた水も、昨日の走り&テント生活で残り少なくなってきた。どこかで水を手に入れなきゃ・・・と思っていたら、道脇にポリバケツを抱えて、あつまるオバさん(オネエさん)たちの姿が目にとまった。
おぉ、井戸じゃん。
そう、この辺の人たちは、水場である井戸までポリバケツを持って水を汲みにくるんです。井戸は自分の住んでいる場所に近いとも限らず、はるばる遠方から水汲みに出かけたらしく、水が満タンに入ったポリバケツを頭に乗せ、延々歩いているオバさんたちとよくすれ違ったりもしまして・・・そんな姿を見ているので、水が欲しくても、民家の人に「水ください」とはなかなか言えなかったのだ。だって、すごい大変な思いをして運んでいる水なんだもの。
が、井戸であれば話は別。ここで水をくみ上げているオバさんに「僕も、水が欲しいんですけど」とお願いすると、「もちろん、いいわよ」と、オイラのプラティパス水筒を受け取って、井戸水を満タンに入れてくれた。さて、入れてくれた水、ジュースでもないのに、少々褐色な水が気になるところなのですが・・・「大丈夫よ、飲める飲める」って笑いながら言うオバさんの笑顔を信じて、験し飲みするオイラ。ん、なんか非常にアルカリくさい水なんですけど・・・ホントにお腹を壊したりしませんよね?
とりあえず、水の心配がなくなり、また颯爽と走り始める。しばらく走っていると、また民家の密集度が上がってきた。道脇で、露商をする人たちもポツポツ見え始め、陽気な彼らとフレンドリーな挨拶を交わしながら、ひた走る。
と、目の前の道路に、右手にカシューナッツの袋、左手にパイナップルを掲げた少年が飛び出してきた。「お兄ちゃん、買わない?」と、カシューナッツとパイナップルをオイラに見せる。ちょうど手持ちのカシューナッツが切れたところだったので、一袋買うことに。「これ、イチ・ケー・ジーで、100メティカル、安いでしょ」イチ・ケー・ジー・・・1kgのことらしく、カシューナッツを詰めた袋、どれにも<1kg>と印字されているのだが、なぜか、袋のサイズがバラバラ。どう考えても1kg入っていないでしょという袋にまで、<1kg>と印字されている。ああ、この適当感はアフリカっぽい。とりあえずどの袋も同じ値段っていうから、全部持たせてもらって、一番大きくて重いやつを選ばせてもらった。
お金を払っていると、近づいてきた別の少年が「お兄ちゃん、パン持ってるでしょ、一個ちょうだい」と言ってきた。いや、パンなんて持ってないよと返すと「うそだ。じゃぁ、自転車の後ろに積んでいるそのビニール袋に入っているのは何?」とつっこんできた。いや、実は、そのビニール袋にパンを入れていたのだが、そのビニール袋は、ウィンドブレーカーで包んで外からは、見えないようにしてあったのだが・・・なぜ分かった?匂いか?そうそう、アフリカの人って、目ざといんですよ。がっつりとガンつけてくるだけあって、しっかり観察している。例えば、オイラの社会の窓が開いているのを発見し、指摘してくるくらいしっかり見ている(しかも、そんなことが3回も)。
「じゃぁ、パンあげる代わりに、カシューナッツ代、まけてくれる?」と交渉したのだが、そこはまからず。交渉決裂。パンはあげず、カシューナッツだけ言い値で購入して、そのまま少年たちとはお別れ。
しばらく走ると、町に到着した。一応パンがあるから大丈夫とは言ったものの、パンだけでは走りに力がでない。レストランを発見し、恒例の肉入りスープをオーダー。で、本日のレストランで出てきた肉入りスープには・・・なんと肉片が3切れ入っているじゃないですか。おお?早くも肉片2切れの法則破れたり。やっぱりねぇ、アフリカの人たちがそんなに几帳面なはずはないと思ったのですよ。
空腹だった腹が満たされ、もうひとふんばりと、走り始める。ひと気が出てきたとはいえ、まだまだ空き地らしき空間がたくさんあるここいら辺、今日も適当な場所に、勝手にテントを張っちゃおうかと思っていたのだが、次に到着した町のバーでコーラを飲んでいると、「隣の公園にならテントを張って寝てもいいぞ」と、バーで飲んでいた少々酔っ払い気味のおじさんが親切にも教えてくれまして。いや、公園で寝てもいいという許可を、この酔っ払いのおじさんが下せるものなのか、という疑問は持ちつつ、ここは、甘えて、公園にテントをはらせてもらうことに。
野宿からはじまり、井戸で水を補給させてもらい、一日一回だけレストランで肉入りスープ&ライスを食べ、あとはパンで空腹をみたし、ひた走り。そして、また野宿で終わる・・・これが、アフリカ走りってやつですわ。南ア、スワジランドでの走りは、今考えると全然アフリカ旅じゃなかったなぁ。気分的にも南米旅の延長戦って感じだったし・・・いやぁ、ようやく、モザンビークに入ってから、アフリカ旅を実感してきやした。だんだんと本格的に突入し始めたアフリカ走り、結構シンドイっちゃぁシンドイのだが、走りながら出会うモザンビークの人々の笑顔が、このシンドさを吹っ飛ばしてくれます。いやぁ、最初の試練がモザンビークでよかったよ。人々が冷たかったり、そっけない国だったら、めげてたな、きっと。
ちなみに、アフリカ、南から北上すると、快適な国から次第にシンドイ国に向かっていくため、アフリカが嫌になる可能性が高いと言われたんだけど・・・(逆に南下してくると、シンドイ国からだんだん快適な国に向かうため、アフリカ旅がどんどん楽しくなってくるらしい)、ドMのオイラはそうでないようだ。モザンビークに入って、走りが大変になればなるほど、テンションはあがってきた。むしろ、快適な南アでの走りの方が、なにか、物足りなさを感じていたほどでね。これから、もっともっと試練が待っているかと思うと、不安な一面はあるものの、楽しみでしょうがない。
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