Stay in Dome room
四日ぶりのシャワー

2011.7.19 / Mozambique(Inchope手前~Chimoio) 本日 自転車74km走行 : Total 30433km走行
天気:晴
朝飯→チキン 昼飯→チキン 夕飯→バナナ&みかん / 宿→Pink Papaya(ドミ部屋400メティカル)

(English)
 Today I arrived at Chimoio.



 昨日は、小さな村の外れにあった教会(一見、たんなる土蔵の建物)の脇でテント泊。そこにテントをはっても大丈夫だよ、と許可してくれたのは、教会前で、パンクしたタイヤの修理をしていたトラクター乗りのおじさんたち。「パンクの修理が終わり次第、仕事に向かうから、ここ、キミ一人になっちゃうケド、ま、たぶん、危険はないから」と言ってくれたおじさんたち、結局パンク修理は終わらなかったらしく、ここで一晩明かしていた。朝、おじさんたちが起こしてくれた焚き火を囲みながら、しばし談笑。「さて、と」と、おじさんたちは、タイヤの交換にとりかかったので、オイラは次の村に向けて出発。

 途中、通りかかった次の小さな村で、自転車修理をしているおじさんを発見。藁で作られた家には、タイヤがぶらさがっているところを見ると、どうやら、ココは、自転車屋らしい。うむむ、まさに青空自転車屋だな。モザンビーク、自転車人口は多いので、きっと腕は確かなんだろうケド・・・ちょっぴり不安。実は、昨日、久々に、後輪のスポークスが折れちゃったのだが、これは、自力で解決できるんで、あえて今回頼むことはないな。

 で、そのまま走り続け、インチョペという町に到着した。ここは、大きな道が交差する町。このまま今まで走ってきた道を直進すれば、北部モザンビークに突入するのだが、ジンバブエへと抜けるつもりのオイラはここを左折して、別の道に入る。で、ここから、道の様子が大きく変わり、アップダウンが激しい山道になってきた。これは、昼飯がパンだけではもたない、と、次の町で、レストランを見つけ、朝、チキンを食べたばかりだというのに、昼飯も、チキンプレートを頼み、ガッツリ食べるオイラ。

 そうして、到着したのは、チモイオという町。久々のでっかい町だ。ロンプラによると、ココの町には、宿がある。四日ぶりに野宿から開放される喜びで、早速宿を探すオイラ。お目当ての宿はピンク・パパイヤという宿なのだが・・・意外と町が広く、宿がどこにあるか分からない。ロンプラに書かれている、住所となる通りを探すのだが、書かれている名の通りがなかなか見つからない。困ってキョロキョロしていると、二人の少年が「ピンクパパイヤを探しているの?」と声をかけてきた。きっとオイラと同じように、宿を探して迷う旅人はいっぱいいるのだろう。「ついてきな」と、案内役をかってでた二人がオイラを先導して走っていく。町の入り口からは、結構離れた場所にピンク・パパイヤはあった。

 「喉が渇いてジュースが飲みたいんだけど・・・」と控えめな言い方で、案内料を請求してくる少年たちに、コーラ代分を支払って、別れる。そして、宿へと入るオイラ。迎え入れてくれたモザンビークの男の人に、「キャンプで泊まりたいんですけど」というと、ここはキャンプはなくて、一番安いので、ドミ部屋だという。えぇ~、ロンプラにはキャンプできるって書いてあるのにぃ・・・ちなみにドミ部屋でいくらですか?と聞くと、一泊400メティカルという。うぬぬ、久々の宿なんで、ゆっくりしようと思っていたのに・・・一泊400メティカルは高い。なんとか安くなりませんかぁ、とお願いすると、オーナーと交渉して、とオーナーを紹介してくれた。ドイツ人のオーナーおじさんに安く泊まらせてとお願いするも、値引きはしてないから、と言われ、とりあえず、一泊だけするか、と本日は、泊まらせてもらうことに。

 で、自転車から荷物を取り外して部屋に運び入れていると、オーナーおじさんが、「そうそう、二年前に日本人のサイクリストがここに来たんだよ。夫婦だったな」って話しかけてきてくれた。ん・・・二年前にアフリカチャリ旅・・・夫婦・・・オイラの頭の中に思い当たる二人が。そう、オイラが知っている夫婦チャリダーが、ちょうど二年前このあたりを走っていたはずなのだ。「名前は確か・・・ヨーコとヒロだったかな」と、オーナーおじさん。おお、やっぱり。オイラがずっとブログを拝見してて、ウシュアイアでようやくご対面できた、あの、ようこ&ひろさんのことだった。それにしても、日本人チャリダーは何人も訪れているだろうに、いきなりあの二人の話が出てくるとは、よほど強烈な印象をもたれたんだなぁ・・・なんてこの時は、思っていたのですが、それもそのはず、お二人がモザンビークで強盗事件にあった直後にお世話になったのが、この宿だった、と気づくのは、次の日にメールチェックして、お二人からの「そろそろチモイオですか?チモイオにピンク・パパイヤという宿があって、あの宿は・・・」というメールをもらってから。そうだった、お二人が強盗にあったのはモザンビークだった、とお二人の過去ブログを読み返してみるオイラ。なんかねぇ、二年前に読んだ時は、大変だなぁとしか思わなかった(失礼)のに、今読み返してみると、ものすごい臨場感で心にグッときた。強盗の三人に茂みに引きずりこまれた時見ていたおばちゃん、とか、ピックアップトラックの荷台に乗っていた男の人が探しにきてくれた、とかの表現が、実際にモザンビークで、そういう人たちを見ているオイラには、まさにリアルな現場として変換され、目の前に展開されちゃったのだ。いやぁ、今のオイラには、涙なくしては読めないっス、あの文章は・・・ただ、どうしても、モザンビーク人が銃で脅してくるという姿は、想像できないんですよねぇ。オイラの知るモザンビーク人はそういう人たちじゃないという想いが、想像力を抑制しているのかもしれない。

 それにしても強盗はね・・・気をつけても遭っちゃう時には遭っちゃうんだろうから。こればっかりは運です。なるべく危ないと言われているところには近づかないように心がけているケド、それが万全の対策ってワケでもないし。ちなみに、お二人が強盗に遭ったというココより北部のテテ方面に抜ける道は、オイラは通りません。ジンバブエに抜ける道は別の道で、オイラはその道を通るんです。

 さて、四日ぶりの宿、まず何をやりたいかって、そりゃ、シャワーですよ。なにはともあれ、荷物を置いてまず向かったのは、バスルーム。そして浴びるシャワー。ひゃほぅ、と思わず叫びたくなる、この開放感というか、このすがすがしい気持ち。いやぁ、野宿テント生活、このシャワーさえあれば、別に何日でも続けられるんだけどな・・・あ、簡易シャワーを作って、テント脇で浴びればいいのか・・・

 すっきりさっぱりして、次は洗濯、とTシャツを洗っていたら「おう!また会ったな」と見た顔が声をかけてきた。なんと、マプトで出会ったカナダ人のウィルとここで再会。つーか、チャリ旅のオイラに追いつかれるって、どんだけゆっくり北上してんねんって話なんですけど・・・と、よくよく話を聞くと、ウィルは、学生で、モザンビークにはリサーチ目的で来ているらしい。なんのリサーチなんだかは、よくわかんなかったケド・・・あと2日ほどココにいて、その後、ジンバブエとの国境近くの村、マニカで二ヶ月ほど滞在する予定とのこと。

 そんなウィルが、「パスタつくるケド食べる?」と夕食を誘ってきてくれた。が、実は、オイラ、また、お腹の調子が悪い。野宿生活中から兆候があったんだけど、気が張っていたため、なんとかもった感じ。で、チモイオに到着して、気が緩んだのか、お腹も緩み、トイレが近い。

 う~ん、たぶん、水が原因じゃないかと・・・

 ということで、せっかくのウィルの誘いを丁重にお断りして、バナナとミカンで晩飯をすませ、早々とベッドにもぐりこむオイラだったのでした。ああ、ベッドも超久々だ。いつ以来だろ・・・