Waiting for someone
久々の待ち合わせ

2011.7.22 / Mozambique(Chimoio~Manica) 本日 自転車69km走行 : Total 30502km走行
天気:晴
朝飯→パスタカレー 昼飯→パン 夕飯→チキン / 宿→ウィルのホームステイ先にお邪魔

(English)
 I left from Chimoio.



 さて、居心地いいピンク・パパイヤを今日、出発。これから北上するというワイネさんとひょっとしたらまた再会できるかもしれませんね、と握手をしてお別れ。そして、お世話になったオーナーや、宿の皆さんとも挨拶して、走り始める。

 ジンバブエとの国境まではもう100km弱。がんばって走れば今日中にジンバブエ入国もできないことはないのだが・・・実は、この宿で再会したウィルが、「次に、マニカに寄るようだったら、僕がステイしている家に来なよ。ソファでよかったら寝床提供するよ」と言ってくれてまして。一足先にマニカに向かったウィルのところでお世話になるべく、今日は、チモイオから70kmくらいの場所にあるマニカって場所を目標地とすることに。

 すっかり山間の地に入ってしまったことあたり、道はアップダウンが激しくなってきてまして。久々となるアップ道、ペダルに力を入れて上ろうと思ったところ・・・<ガリッ>と音をたてて、チェーンズレが生じた。こ、これは・・・パタゴニアの最終局面で出くわした、あの状況とほぼ同じ現象。ええぇ~変えたばっかりたというのにもう、ギアの歯がおかしくなっちゃったのぉ・・・と思うも、ギアの歯はそれぞれ磨耗している形跡はない。で、よくよく見ると、チェーンの方が、すっかり伸びきっちゃって、ギアの歯にかみ合わなくなっちゃったようなのだ。

 で、この状態、平地であまり力が加わらないところでは問題ないのだが、上り坂で力が加わるところになると、チェーンズレが生じて、まともにこげなくなる。平坦な道が続いていた今までのモザンビーク道では気がつかなかったオイラ、しょうがないので、坂に来たら降りて押していくことにしたのだが・・・これからしばらく山道が続くというのに、この状況はちとツライ。しかし、この先、あまり大きな町もなさそうだから・・・最悪ハラレに到着するまで、チェーンを買うことはできないかもしれない、なんて思いながら前へ進む。

 上り坂は押して進まねばならない状況だったにもかかわらず、思ったより早くマニカの町には到着できた。ウィルとは、メイン通りにある<フラミンゴ>というレストランで16時に待ち合わせしているのだが、まだ時間は早い。思ったよりでかそうなマニカの町、ひょっとしら自転車屋があるのではないかと、自転車屋を探して、町をブラブラしてみることに。

 「チェーンなら、この通りの奥の店で買えるよ」と教えてもらった場所に行ってみると、そこは、ザッツアフリカな、雑然とした市場の中。この人ごみの中に、自転車をひきずって入り込むのは、一瞬躊躇したのだが、まぁ、行くしかないか、と人で溢れる市場の中へ。

 案の定、オイラの自転車に興味をそそられた人たちが、ぞろぞろと集まってくる。ああ、めんどくさい。それにしても、自転車屋らしきものはない。しょうがないので、タイヤをぶらさげていた店に、「ここいらでチェーンが買える店はありませんか?」と聞いたところ、「うちにあるわよ」と、インド系のおばちゃんが、奥からチェーンを出してきてくれた。穀物やサラダ油を扱っているのと同列で自転車のチェーンも扱っているとは・・・いや、なんともアフリカっぽい。で、当然、扱っているチェーンはシマノ製なんかはなく、どこのメーカーのかよくわからないもの。とりあえず、3種類のチェーンを出してきてくれたのだが、どのチェーンがオイラの自転車に合うのかよくわからない。どれを買うべきか、と悩んでいると、店のオバちゃんが「しばらく悩んでて。あんた、いい仕事をしてくれているから。あんたがここにいるおかげで、人がうちの店に集まってきてくれているわよ」と。そうなのだ、オイラの自転車に興味をもっちゃった人たちがワラワラと集まってきて、店の周りはいつのまにやら、人であふれちゃっている。「あはは、いや、これに決めました。これください」と一つのチェーンを手に取り、購入。値段は100メティカル(280円)。

 人ごみの中から脱出し、とりあえず、待ち合わせをしているレストラン・フラミンゴへと向かう。まだちょっと時間があったので、ここで、チェーンを取り替えてしまおうと、チェーン交換作業開始。チェーンカッターで、チェーンを外し、新しいチェーンをとりつけたところ・・・合わないじゃないですか。買ってしまったチェーンは、チェーンの横幅が広いタイプのやつで、オイラのチャリには全然合わない。なんてこった・・・再び、元のチェーンをとりつけ、先ほどのパーツ売り場へ。オイラを見るなり「あら、また店の売り上げに協力しにきてくれたの?」と言ってきたオバちゃんに、「先ほど買ったチェーン、合わなかったんで、他のヤツと交換してくれますか?」とお願いすると・・・あっさり「いいわよ」と。新たにお金を取られることもなく、今度はサイズが合うことを確かめ、新たなチェーンをゲット。ただ・・・サイズは合うのだが、これ、6速用のギアでして。8速のオイラのチャリで使えるのかどうかが若干心配・・・

 再びフラミンゴに戻って、チェーン交換作業開始。一応、今度は新しいチェーンを無事取り付けることができたのだが・・・ギアのかみあわせがビミョウに悪い。交換したばかりだからなのかな、しばらく走っていればこなれてくるかもしれないな、と、まぁ、とりあえず作業は終わらせる。

 で、汚れてしまった手を洗おうと、レストランの裏にあるトイレを借りて、手を洗ったのだが、やはり石鹸がないと油汚れが落ちない。そこで、店の裏手で休憩をしていたオバちゃんたちに、「石鹸を貸してもらえませんか?」とお願いしたところ、調理場から石鹸をもってきてくれ、渡してくれた。「ああ、親切な人たちばかりだなぁ」なんて思って、手を洗い終えて、石鹸を返しにいくと・・・「石鹸代として、ジュースをおごって」ときた。え?石鹸かりてジュースですか・・・それだったら、自前の石鹸を使ったんですけど・・・でもまぁ、借りちゃったもんはしょうがない。助かったのも事実だし。じゃぁ、おごりますよ、と財布を取りにいって戻ると、なぜかオバちゃんが3人に増えていて、ジュースが3本取り出されている。・・・いやいや、それはなしでしょ。オイラがおごるといったのは、石鹸をかしてくれたおばさんにであって、あなたたち二人はなぜ、ジュースをもってそこにいるんですか・・・あまりのずうずうしさに、むしろ笑いがこみ上げてきてしまい、払ってもいいかな、なんて気が沸き起こったりもしたのですが、オイラが払えるのは、一本分の15メティカルだけですから、と一本分だけ支払って、自転車が置いてあるレストランの表に戻ったオイラだったのでした。

 と、そこへ「お待たせ」とウィルがちょうどやってきた。いやぁ、それにしても誰かと待ち合わせするなんて、超久々で、なんだかちょっと心がウキウキ。

 レストランで一緒に夕飯を食ることに。ここで改めて、ウィルのリサーチ内容について詳細に聞いたのだが・・・なんでもゴールド・マイニングをやっているらしい。金の分析。このあたり、金が取れるらしくて、それに関して、いろいろ実地調査をしているとのこと。ふむふむ、遊んでいるようにしか見えない、ウィルも、実は裏ではそういう真面目なことをやっていたのねん。って、そうそう、こういう実地調査って、表面的には遊んでいるようにみえないこともないんですよねぇ。なので、企業とかで、実地調査をやりたいって企画をだしても、なかなか通らない。現地のことを肌で知ることはとても大事ことなのに・・・なので、どうしても、こういう調査って、学生さんか、フリーで動ける人ってことになる。かくいうおいらも、世界中を見て周るというフィールドワークは企業内に居たのではできない、と判断したから、会社を辞め、フリーになったのですよ。

 さて、飯を食べた後、食材を買出ししてから、ウィルのステイ先に向かうことに。再び町の人がたくさん集まる市場地帯へと突入。で、自転車を引きずって歩くオイラの周りには先ほどと同様人が群がってくる。そんな集客状態に驚いたウィルが「いつも、こんななの?」と聞いてきた。「うん、いつもこんな感じ」とオイラ。

 そして、町外れにある、ウィルがお世話になっているマイクさん宅へ。「友達を連れてきた」というウィルに、別に驚くこともなく、暖かく迎えてくれたマイクさん一家。今日はこのソファで寝てね、と快適な寝床まで用意していただきまして。いや、ホントありがたいことです。

 しばし、話をしていたのだが、話がそろそろ尽きはじめたころ、ウィルが一旦部屋に戻り、なにやら持ってきて居間に戻ってきた。ウィルが手にしてきたのは、裁縫セット。ただ今、マフラーを編み中だという。しかもこだわったことに、毛糸はアルパカ。いやぁ、ドレッドヘアーのウィルにそんな趣味があったとは・・・人は見かけによらないもんですな。